【未公開香港映画】レイド(財叔之橫掃千軍THE RAID)100分

投稿者: | 2024年1月6日

おすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆

マイケル・ホイの原作コミックをチン・シュウトン、ツイ・ハークが共同で監督し、ディーン・セキ、レオン・カーファイ、ジャッキー・チュン、ジョイス・コウ、フェニー・ユンと豪華キャストで映画化した戦時下の満州国を舞台にしたアクション活劇!!

作品紹介

別題 財叔のゲリラ戦

今回ご紹介する作品は、チン・シュウトンツイ・ハークが共同で監督したオールスターキャストのアクション活劇です。

それでは、まずはあらすじから、

退役した軍医である財叔は、日本軍の毒ガス兵器の実験による被害者が拡大している事実を知り、自身も再び軍のために戦う決意を固める。

そして、毒ガス兵器の工場を破壊する任務を遂行中の中国軍の部隊と行動を共にし、溥儀の側近である板垣を追い詰めていくのだった!?

監督と武術指導を兼任しているのは、(チャイニーズゴーストストーリー)、(スウォーズマン)等、数々の名作を世に生み出しているチン・シュウトンで、

本作でも、特徴的な武術アクションと戦時下の緊迫した状況下でのアクションを融合させた冒険活劇を演出しています。

チン・シュウトン

で、チン・シュウトンと共同監督として参加しているのは、この時期共同でチン・シュウトンと作品を製作する事の多かった(男たちの挽歌)、(七人楽隊)(詳しくはこちら)等のツイ・ハークで、

数々のブームや、古典を復活させてきた名匠らしく、本作でも、古い原作コミックを(当時の)最新技術でオールスター活劇として蘇らせています。

ツイ・ハーク

で、そんな原作コミックを、その昔著者として執筆していたのは、(Mr.BOO!)(詳しくはこちら)シリーズでお馴染みのマイケル・ホイで、

退役した凄腕老兵が、再び祖国のために大活躍する、というアクションドラマを創作しています。

マイケル・ホイ

で、主人公の財叔を演じているのは、(クレイジークロック)(詳しくはこちら)等のオトボケキャラから(男たちの挽歌2)等の渋いおじさんキャラまで、

年齢に合わせて色んな作品で活躍しているディーン・セキで、本作では渋めながらも、愛嬌のあるキャラクターを好演しています。

ディーン・セキ
ディーン・セキ

で、宿敵となる日本軍軍人、板垣を演じているのは、(ミスティー)(詳しくはこちら)や(黒豹天下ブラックパンサー)(詳しくはこちら)等のレオン・カーファイで、

この時期の出演作品としては珍しく、完全な悪役として主人公達の前に立ちはだかります。

レオン・カーファイ
レオン・カーファイ

で、その恋人である女スパイ、川島芳子役で、(誘拐同盟スクランブル5)(詳しくはこちら)や(ゴーストキング)(詳しくはこちら)等のジョイス・コウが登場し、

こちらも珍しくレオン・カーファイとコンビで、完全な悪役として主人公達に襲い掛かります。

ジョイス・コウ
ジョイス・コウ

で、主人公達が途中で遭遇する荒くれ集団のボス役で、(ソウル)(詳しくはこちら)や(妖獣都市香港魔界篇)(詳しくはこちら)等のジャッキー・チュンが登場し、

反目し合いながらも、次第に主人公達に協力する青年役を好演しています。

ジャッキー・チュン
ジャッキー・チュン

で、そんなジャッキー・チュンと常に争っている敵対する荒くれ集団のボス役で、(南北醉拳)(詳しくはこちら)や(ザ・セブングランドマスター)(詳しくはこちら)等の

コーリー・ユエンが登場し、敵側の使い走りとして主人公達に敵対していきます。

コーリー・ユエン
コーリー・ユエン

で、敵側にスパイとして潜入している工作員役で、(幽霊刑事)(詳しくはこちら)や、(ロイヤルトランプ)シリーズのフェニー・ユンが登場し、

活発な女子として主人公達に協力して行きます。

フェニー・ユン
フェニー・ユン

で、中国兵の生き残りとして兵を率いる大佐役で、(狼 男たちの挽歌最終章)や(狼たちの絆)等で渋いおじさんとして活躍しているチュウ・コンが登場し、物語に深みを与えています。

チュウ・コン
チュウ・コン

という豪華スタッフ・キャストが勢ぞろいした本作の物語は、かつて軍医として従軍していた過去を持つ主人公財叔が、

日本軍の攻撃が続く満州国で、溥儀を中心とした部隊の猛威を潜り抜けながら、山奥に潜んでいたチュウ・コン率いる中国軍の生き残りの重病人を助けるために部隊に合流するところから始まります。

しかし、到着してみると重病人達は、日本軍が開発中の毒ガス兵器に冒され、既に手を付けられない状態で、

ラウ・シウミン演じる隊長は、部下であるチュウ・コンに日本軍の毒ガス兵器の開発を、何としてでも止めるように言い遺しこと切れてしまいます。

ラウ・シウミン

で、執念に燃えるチュウ・コンは任務を果たすために日本軍の基地を目指し、奮い立った財叔も、行動を共にしようと申し出ますが、年齢を理由に軽く断られてしまいます。

で、一旦は帰宅するものの、やはり気持ちが収まらない財叔は、戦場で救って以来、愛情を注いで育てていた孫娘ぐらいの年齢の蘭に書置きを残して出動します。

ただ、この蘭という女の子は、まだまだ子供ながらも、しっかり者の女子で、しかも結構な武術の腕前ですので、財叔が出動した後に、速攻で後を付けていきます。

で、その後、なんだかんだとやっている内に、偶然チュウ・コンと再会できた財叔は、その部隊が日本軍に潜入しているスパイ長江一号(フェニー・ユン)と接触するために、

日本軍の基地で執り行われている溥儀とその側近である板垣(レオン・カーファイ)が出席しているパーティにスタッフとして潜り込み、財叔も、その作戦に成り行きで協力していく、、、、

という感じで、毒ガス工場破壊大作戦へと突入していく事になります。

で、その作戦に、現地の荒くれ集団のボスであるジャッキー・チュンと敵対するボスであるコーリー・ユエンの争いが挿入され、

しかも、ジャッキー・チュンは成り行きで主人公側に付き、コーリー・ユエンは金のためにレオン・カーファイ側に付く、

という感じで色んな登場人物が、その作戦に次から次へと関わっていく事になります。

さらに、レオン・カーファイは、実は恋人であるジョイス・コウ演じるスター・チンと共に、溥儀を操って、最終的に成り上がろうと画策している、という日本側のドラマも入って行く事になります。

非常に登場人物が多く、しかもスターが多数出演しているのに、それぞれがゲストという扱いではなくちゃんと活躍しますので、

上映時間100分ではとても足りないようなスケールのエピソードが、なんとなくブツ切り感を醸し出しつつ進んで行く事になります。

もしかすると、本作アクション活劇シーンが始まり出すと、BGMさえブツ切りで、アクションが終了してしまう、

というシーンが複数存在しましたので、本来の完全版から無理矢理100分の上映時間に抑えるために強引に短縮版として完成しているのかもしれません。

ただ、その割には、中盤、ジャッキー・チュンフェニー・ユン、レオン・カーファイジョイス・コウが、

ベッドの下やタンスに身を隠しながら、自身の存在を隠していたら、また次の訪問者が現れて、、、暫くするとまた次の訪問者が、、、

という感じで本筋に特に関係のないシチュエーションコメディのような展開や、

ジャッキー・チュンが書いたラブレターをチュウ・コンフェニー・ユン、ディーン・セキ等が偶然の連続で回し読みしてしまって、

皆が自分に向けて書かれたラブレターだと勘違いする、というシチュエーションコメディ展開が、割と長めに2回も挿入されますので、

若干、見せ場が偏っているような内容となっています。

マイケル・ホイの原作漫画は未読ですので、本来はどういう物語なのか、は絵柄で想像するしかできませんが、

パッと見る限りは、台湾製作の(アマゾネスコマンドー)(詳しくはこちら)のようなジュ・イェンピン作品風の娯楽活劇のような雰囲気ですので、

コメディシーンに、そんなにこだわる事もなかったような気がしますが、どうでしょうか。

ただ、そのシーンのおかげで、戦争もので、毒ガス兵器の犠牲者が登場するような物語でありながらも、

ちゃんと香港映画らしい明るい娯楽映画となっているのは、数々の作品でコンビを組んでいるチン・シュウトンツイ・ハークのセンスがあってこそなのかもしれません。

という事で、凄く煽るだけ煽られて、若干ブツ切り要素のある作品ですが、この時期にこのメンバーが共演しているアクション活劇、

という1990年代を知る上でも貴重な作品となっていますので、香港映画好き、アクション映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報 

1991年製作 香港製作 アクション

監督 チン・シュウトン、ツイ・ハーク 製作 ツイ・ハーク 原作 マイケル・ホイ 武術指導 チン・シュウトン

出演 ディーン・セキ、レオン・カーファイ、ジャッキー・チュン、ジョイス・コウ、ファニー・ユン、コーリー・ユエン、チュウ・コン、ラウ・シウミン、シー・メイイー

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