【推薦!香港映画】シャクラ(天龍八部之喬峰傳 Sakra)130分

投稿者: | 2024年1月7日

おすすめ度 ★★★★★★★★★☆

金庸の人気小説(天龍八部)に登場する人気キャラクター喬峰にスポットを当てて映像化した、ドニー・イェン監督・製作・主演による武侠アクション映画の一つの到達点とも言える超絶アクション!!

作品紹介

2024年1月5日公開

今回ご紹介する作品は、ドニー・イェンが金庸の人気小説の映像化に挑んだ武侠アクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

共同体丐幇の幇主キュウフォンは、ある日突然、義兄殺害の濡れ衣を着せられ、さらに漢民族ではなく、

契丹人である、という本人も知らない出生の秘密まで暴かれて武林を追放されてしまう。

そこで、自身を陥れた犯人と自身の出生の真実を突き止めるべく旅に出るのだった!?

監督・製作・主演と久々にマルチで活躍しているのは、(ジョン・ウィック コンセクエンス)(詳しくはこちら)、

レイジングファイア)(詳しくはこちら)等、香港とハリウッド、両方で活躍し続けているスーパースター、ドニー・イェンで、

本作では久々の本格的な武侠作品主演で、しかも監督・製作も兼任、という多才ぶりを発揮して人気小説の有名なキャラクターを演じています。

因みに監督・主演作は(COOL)以来25年ぶりで、武侠作品の劇場用作品としては(画皮あやかしの恋)と(エンプレス運命の出会い)以来15年ぶり、、、

ではなく、日本で劇場公開されるかどうかは謎ですが、本作と同じバリー・ウォン(ウォン・ジン)が監督した配信専用映画(倚天屠龍記)(カンフーカルトマスターの再映画化)の

前編・後半に2022年に出演していますので1年ぶりではありますが、本格的な武侠作品は久々となっています。

ドニー・イェン

ドニーと共同監督としてサポートしているのは、(スーパーティーチャー)(詳しくはこちら)等でもドニーとコンビを組んでいるカム・カーワイ監督で、

本作でもドニーの良さを引き出した武侠世界を構築しています。

カム・カーワイ

で、ヒロイン役には、テレビシリーズ(霜花の姫~香蜜が咲かせし愛~)等のチェン・ユーチーが扮し、

ドニー演じるキュウフォンと運命的に出会い、旅を共にすることになる幸薄系ヒロインを好演しています。

チェン・ユーチー

で、密かに天下の支配を目論む男役で、(イップマン完結)(詳しくはこちら)等のウー・ユエが再びドニーと共演し、激闘を繰り広げています。

ウー・ユエ

で、一連の事件の影のボスと疑われる役柄で、(ブレイキングニュース)等のジョニー・トー作品の常連俳優チョン・シウファイが登場し、

物語の重要な人物として後半のみですが登場し、主人公との運命が交差します。

チョン・シウファイ

で、その奥さん役で、(捜査官X)でもドニーと共演している(レディクンフー激闘拳)等のカラ・ワイ(クララ・ウェイ、ベティ・ウェイ)が登場し、

残念ながらほとんどアクションはありませんが、浮気性の夫に活を入れる強い奥さんを好演しています。

カラ・ワイ

で、その勝気な娘役で、アンディ・ラウ主演期待の新作(潜行)等に出演しているリウ・ヤースーが登場し、

後半にかけてドラマとアクションシーンで大活躍していきます。

リウ・ヤースー
リウ・ヤースー

で、冒頭のみの出演ですが、主人公にたしなめられ、大激突する和尚役で、(天山回廊ザ・シルクロード)(詳しくはこちら)で、

自ら命がけのデススタントを演じまくっていたチョイ・シウミンが登場し、ドニーと大激突を演じています。

チョイ・シウミン

で、物語の重要なポイントで登場する神医と言われる伝説の医師役で、ドニーの主演デビュー作(ドラゴン醉太極拳)(詳しくはこちら)の頃が懐かしいユエン・チュンヤンが登場し、

意外な行動で、物語を展開させていきます。

ユエン・チュンヤン

で、主人公に夫を殺されたと主張する夫人役で、(インビジブルスパイ)(詳しくはこちら)等のグレース・ウォンが登場し、

妖艶な魅力で、主人公をどんどんと追い詰めていきます。

グレース・ウォン

で、後半のみの登場ですが、ウー・ユエの父親役で、(導火線)等でもドニーと共演し、(ゴッドギャンブラー3)等、多くの香港映画で活躍しているレイ・ロイが登場し、

出番は少ないながらも、強烈な印象を残す役柄を好演しています。

レイ・ロイ

で、同門でありながらも、主人公を追い詰める役柄で、ジャッキー・チェン主演の(ラストソルジャー)等に出演しているドー・ユーミンが登場し、

見るからに怪しい風貌で、主人公の言い分は一切聞かないイヤミ役を好演しています。

ドー・ユーミン

そんな超豪華なスタッフ・キャストで製作された本作の物語は、武林の共同体丐幇の幇主であるキュウフォン(ドニー)が、

狼藉を働くツイ・シウミン演じる和尚を懲らしめるシーンから始まります。

冒頭からいきなりではありますが、数々のアクション映画で活躍してきたレジェンド、ツイ・シウミンとの大激突で、

いきなりの必殺技・降龍十八掌を少しだけお披露目して、大激突(でもドニーは余裕ですが、、)し、捕らえるこのシーンで、

主人公の凄まじい強さと、悪事は絶対に見過ごさない正義感、そして多くの部下から英雄として慕われている、というキャラクター説明がアクションをメインとしてササっと語られていきます。

で、ちょっとした、いざこざを収めて、早速岐路についてみると、丐幇の仲間や長老たちが、キュウフォンを待ち構えていますので何事かと思えば、

ある手紙が発見された事で、とんでもない事件が発生している、と告げられます。

で、その手紙の内容が、キュウフォンの出生の秘密に関する事で、実は、キュウフォンはその地を収める宋(漢民族)の血筋の人間ではなく、

侵略者とされる契丹人の血筋で、それを隠している裏切り者だ、という内容で、その手紙を読んでしまったキュウフォンの義兄である馬大元が、

出生の秘密を隠したいキュウフォンによって殺された、という、まるで身に覚えのない義兄殺しの罪まで着せられてしまう、急転直下の大展開が訪れます。

始まって早々に、全員敵!

この急激な大展開によって、物語開始20分ほどで、主人公はいきなり殺人犯の裏切り者として武林を追放される事になってしまいます。

本作原作は日本語訳本で全8巻の長編小説で、非常に登場人物も多く、ドラマチックな物語、という事で、

その沢山登場するキャラクターの中の一人にスポットを当てた物語ですので、勿論全ての要素を映像化できるはずもなく、

中国語圏では、多くの人が知る当たり前の物語、という側面もありますので、割と細かい説明や世界観等を端折りながら物語が進んで行きます。

通常の作品ですと、もっとドニーが大活躍しているシーンから、濡れ衣を着せられて、追われる身となってしまうまでを段階を踏んで描いていくと思われますが、

この冒頭のシーンからも分かるように、ササっと端折って急に大展開する箇所が数か所ありますので、そこは想像力で補っていくしかありません。

ですので、かつて仲間だった者たちの、仲間だった頃のシーン(少年時代等はありますが)はほとんど存在せずに、

いきなり全員敵になってしまい、キュウフォンを信じてくれる人物も一人もいない状態になってしまいます。

ただ、割り切って端折ってしまいますので、あっという間に敵だらけになって追われる身となったキュウフォンが、

自身の出生の秘密と、義兄を殺害した真犯人を見つける旅の途中で出会ったチャン・ユーチーと、

唯一信頼し合える関係となり、全員敵だらけの江湖の世界で、孤立しながらも、2人だけの幸せを求めて新天地を夢見る、

という悲劇的な二人のストーリーが、より際立ち、それが後半の展開の原動力となっていきますので、やや唐突ではあるものの、長いストーリーを上手く端折りながら130分にまとめた大筋となっています。

それでも、流石に登場人物が辿る運命が劇的過ぎるので、3部作ぐらいでじっくり観たいような内容となっているのが少し残念です。

で、アクションについてですが、これが流石のドニー作品、といった感じで、個人的に多くの武侠作品を鑑賞してきましたが、

武侠アクションの映像表現としては、本作が現時点での到達点と言っても過言ではないぐらいの完成度で、

ドニーの超絶アクション、谷垣健治アクション監督指導のアクション、スタントマンの超絶リアクション、やり過ぎず効果的に使用されるワイヤーワーク、効果的なCG表現、

そして、本作で特徴的だと感じた、アクションシーンでのド迫力超絶効果音(変な表現ですが)等、

多くの素晴らしい技術が上手く融合して、素晴らしい映像表現となっています。

近年の配信専用中国武侠作品等では、ワイヤーで吊られ放題な他力本願アクションが多い中、本作のような世界観の本物の武術の超達人が、

もし、本当に存在するなら、こんな感じ、という答えのような映像となっています。

恐らく、しばらく武侠映画で、この作品以上の表現、というのは暫くは登場しなのではないでしょうか。

勿論、して欲しいのですが、、。

という事で、ちょっと物語的にはちょっと駆け足表現に混乱しがちですが、超絶アクションと、ドニーの切ない主人公ぶりに、夢中になれる130分となっていますので、

ドニーファンの方や、武侠作品ファンの方等、機会がありましたら是非ご鑑賞してみて下さい。

個人的には、医師役のユエン・チュンヤンが、顔出しゲストではなく、結構ドニーと共演するシーンを観ていると、

その昔テレビ放送で(女デブゴン強烈無敵の体潰し!!)という凄いテレビ邦題で初放映された(ドラゴン醉太極拳)を、テレビで観て以来、

繰り返し録画したVHSテープを見まくっていた頃を思い出してしまいました、、。

あと、劇場で販売されているパンフレットには、谷垣健治監督の撮影秘話(特にクライマックスシーンの撮影裏話は非常に面白いです)等や、

金庸小説の詳細な解説等、本作を別角度からも楽しめるような情報が掲載されていますので、劇場でご鑑賞された際には合わせてご購入をお勧めします。

作品情報

2023年製作 香港・中国製作 武侠アクション

監督・製作 ドニー・イェン 製作 バリー・ウォン(ウォン・ジン) アクション監督 谷垣健治 原作 金庸

出演 ドニー・イェン、チャン・ユーチー、チョン・シウファイ、ウー・ユエ、カラ・ワイ(クララ・ウェイ、ベティ・ウェイ)、リウ・ヤースー、グレース・ウォン、ドー・ユーミン、ユエン・チュンヤン、レイ・ロイ、チョイ・シウミン

↓ランキングに参加しています。もし、宜しければ下記をクリックお願い致します↓

映画評論・レビューランキング
映画評論・レビューランキング

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

PVアクセスランキング にほんブログ村

コメントを残す