おすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆
これまで何度も映像化されてきた金庸原作の大人気武侠小説を、【香港のスピルバーグ】ことツイ・ハークが監督・製作・脚本とマルチに活躍して再映画化した、CG満載の娯楽武侠アクションドラマ!!


作品紹介
2026年2月6日公開
今回ご紹介する作品は、【香港のスピルバーグ】ツイ・ハーク監督・製作・脚本の武侠アクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
12世紀、金の侵攻に対抗すべく勢力を拡大していたチンギス・ハーンだったが、その義理の息子である郭靖は、武術を身に着けるため中原へと向かいそこで黄蓉という娘と出会う。
やがて郭靖と黄蓉は愛情で結ばれて行くが、そんなある日、郭靖の師匠達が命を奪われる事件が発生する。
その犯人が、黄蓉の父親である東邪だと思った郭靖は、黄蓉を拒絶し姿を消すが、後に、東邪は犯人ではない事が判明する。
自らの過ちを悔いた郭靖は、広い江湖を黄蓉を求めて彷徨い始める、、、。

監督・製作・脚本は、(チャイニーズゴーストストーリー)シリーズや(男たちの挽歌)シリーズ等、香港映画の多くの傑作に
製作・監督として携わって来た【香港のスピルバーグ】ことツイ・ハークで、武侠の世界観を娯楽要素満点なCGアクションで完全再現し、らしさを発揮しています。


主人公の青年郭靖役を演じるのは、(ジェイドダイナスティ)(詳しくはこちら)やドラマシリーズ(陳情令)等のシャオ・ジャンで、
数奇な運命に導かれる漢人を清潔感たっぷりに演じています。



で、ヒロインとなる黄蓉役を演じているのは、(長安のライチ)や、ドラマシリーズ(春うらら金科玉条)等のジュアン・ダーフェイで、可憐な魅力を発揮しています。



で、主人公を付け狙う西毒役で、(シャドウズエッジ)(詳しくはこちら)や(王朝の陰謀)等の香港レジェンド、レオン・カーファイが登場し、後半物凄い事になっていきます。



で、モンゴル人で主人公の婚約者コジン役で、(生死尽头)等のチャン・ウェンシンが登場し、三角関係に悩んでいきます。


で、主人公の母親役で、(フィスト・オブ・レジェンド怒りの鉄拳)や(チャイニーズオデッセイ)シリーズ等のエイダ・チョイが登場し、息子を後押ししていきます。



で、主人公に力を授ける師匠の一人洪七公役で、(レッドクリフ)や(孫文の義士団)等のフー・ジュンが登場し、一瞬見せ場を攫って行きます。



で、西毒の部下役で、(ライドオン)(詳しくはこちら)や(カンフージャングル)等のシン・ユーが登場し、主人公達に迫ります。



そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、12世紀前半、金軍の侵攻によって北宋は滅ぼされ、新たに南宋が建国されたものの、
金軍の圧政によって宋の民が虐げられる中、隣接する蒙古ではチンギス・ハーンが勢力を拡大し、金との戦いが激化している状況で、
金軍との戦いを繰り広げている蒙古軍の兵士が、ある女性を探している青年・郭靖(シャオ・ジャン)に出くわすシーンから始まります。


初めは敵軍かと疑われますが、郭靖は宋人ながらも蒙古で育った生い立ちがあり、モンゴル語も話せるためそのまま事なきを得ます。
で、この郭靖が探している女性こそ、修行に出ていた中原で、江湖のことを含め、色んな事を教えてくれた黄蓉(ジュアン・ダーフェイ)で、
生活を共にしているうちに、2人はいつの間にか深い愛情で結ばれていくようになりながらも、ある出来事がきっかけで離ればなれになってしまったため、
郭靖は、広い江湖を彷徨いながら愛する黄蓉を探していたのでした。


しかし、黄蓉は、郭靖の七人いる師匠(洪南七怪)と敵対する東邪の娘であったため、師匠達からは黄蓉に関わる事自体を制限され、2人はお互い想い合いながらも周りから祝福される事はありませんでした。
そんな郭靖の境遇を哀れに思った黄蓉は、自身の師匠である洪七公(フー・ジュン)を紹介し、降龍十八掌を伝授される事で、郭靖の武術の実力は上がっていき、
その後、一灯大師によって、病を治す事もダメージを与える事もできる強大な力、九陰真経を黄蓉と共に伝授され、かなりの武術の達人へと成長していきます。


しかし、そんな中、2人の運命を引き裂く大事件が発生します。
郭靖の師匠である洪南七怪の内、6人が何者かによって命を奪われ、残りの一人は行方不明となってしまったのでした。
師匠達は東邪に戦いを挑む事を決めていたので、犯人は東邪に間違いないと確信した郭靖は、怒りに燃え、東邪の娘である黄蓉との決別を決意、そのまま黄蓉の前から姿を消してしまいます。

しかし、その後、行方不明になっていた唯一の生き残りである柯師匠と再会した郭靖は、犯人が東邪ではない事を知らされ、自身がとんでもない間違いを犯してしまった事に気付きます。

もう一度黄蓉に逢いたい。
心に誓った郭靖は、黄蓉の手掛かりを探して中原から平原へと歩を進め、かつて暮らした蒙古の直ぐ傍まで帰ってきますが、
そこで金軍の手先によって、薄汚い毒薬作戦に苦しんでいた義兄弟と再会し、得意の武術によって兵士達を救った事で、育ちの祖国蒙古へと帰還する事を決意します。



一方、離れ離れになったものの、郭靖の事を想い続けている黄蓉も、広い江湖を郭靖の足取りを求めながら彷徨いますが、
強大な力が得られる九陰真経を求めて、黄蓉を追い回す西毒(レオン・カーファイ)に追い詰められ、中原から平原辺りにまで追い込まれ、
郭靖が戻った蒙古の陣営付近にまでやってきますが、そこで、西毒の激しい攻撃の前に倒れてしまいます。


しかし、絶体絶命の危機にある人物の登場によって、さらに二人の運命は大きく変わり始める!!!
、、、、、、という流れが、中盤あたりまでの大体の大筋となっています。

金庸原作、ツイ・ハーク監督・製作・脚本の武侠アクションドラマです。
これまで何度となくテレビドラマ化や、映画作品として(レジェンド・オブ・クロー)(詳しくはこちら)や(楽園の瑕)、(大英雄)等映像化されてきた人気原作を、
これまで何度となく香港映画のブームを作って来たツイ・ハークがCG映像満載で娯楽度高めに映像化した今っぽい娯楽活劇となっています。




ただ、同じ金庸原作の(シャクラ)(詳しくはこちら)等もそうでしたが、本作全5巻の原作を2時間半という映画としては少々長尺ながらも、
色んな登場人物や出来事が巻き起こるシリーズ小説の映像化としては、やはり少々窮屈な尺での映像化という事で、始まって早々に過去の出来事を振り返ったり、

登場人物がはっきりと映らないままに、重要な出来事が次々と巻き起こったり、また重要な人物が台詞でしか登場しなかったりと、
物語全体を把握するために必要な要素がさらっと足早に流されてしまいますので、観始めて早々に出足払いを喰らってしまう方も多いかと思われます。

しかも、結構重要な登場人物が代わる代わる出て来ては、実は本作においてはそれほど活躍せずに、重要そうな雰囲気だけ一瞬残して去っていく、
という流れがあって、さらにそれぞれの人物名が、日本語にはないような文字も多く含まれるため、なかなか人物が記憶に残らず、人間関係がしっかりと把握しにくいのも混乱が生じる原因となっています。

何度も映像化が繰り返されている本国だと、登場人物も、おおよその物語の流れも知ってて当然という事なのかもしれませんが、
特に馴染みのない日本ではなかなさっと理解するのは難しいですね、、、。
日本で例えると、ちょっとジャンルは違いますが、(西遊記)の登場人物を、説明しなくても分かっているでしょ、的な事と同じような感じなのかもしれません。

という事で冒頭から、かなり端折りぎみ、駆け足ぎみで、ドラマチックな物語が進んでいくのですが、結局なところ、本作のメインの物語としては、
離れ離れになった愛する二人が、いかにして再会して、協力して人々のために戦いを繰り広げていくのか?という部分にスポットが当たるようになっていきます。
ですので、端折り気味は飲み込んで、説明不足も飲み込んで、という感じで理解しきれない部分はある程度、鑑賞する側の想像力で補完する必要がある作品となっています。

ただ、個人的には散々引っ張っていた二人のすれ違いシーンが、予想していた展開では実現されずに、ひと段落した後にサラっと実現されるという展開は、
それまでの煽り方が秀逸だったがために少し残念でした。

ジュアン・ダーフェイの眼だけで語る溢れる愛情を抑える演技は、非常に感動を予感させてくれますが、実際の再会シーンは、なんとなくありがち過ぎるシーンでしたので、
感動させるタイミングを逸しているように感じてしまいました。

それと、後半レオン・カーファイの暴走ぶりが痛快なのですが、結局なところ、
郭靖の師匠6人の命を奪った犯人は誰なのか?
という、2人が離れ離れになるきっかけとなった大事件の真相が放り投げられたまま未解決のままとなっていますので、続編があるようでしたらそこもはっきりとして欲しいですね。

普通の流れだと、レオン・カーファイが犯人だったらしっくりくるのですが、その辺りに着いては全く触れられる事がありませんでしたので、、、、。

あと、アクションに関しては、やはり、というか容姿優先キャスティングである時点である程度予測が付きますが、主演の二人、特に主人公の郭靖は、とんでもなく強いという設定ではありますが、
アクション監督の指示通りにヒョイヒョイと構えて、ワイヤーでぶるんぶるん振り回される(後ろ姿は恐らくスタントマン)マペットアクション中心ですので、
はっきり言って全く強そうには見えません。


というか、シャオ・ジャンが飄々としているというか、内面の気を溜めて内功を高めているような表情の変化も見せないので、
手をササッと挙げたら勝手にCGで空間が歪んでくれる、という感じのアクション中心で、
意地の悪い表現をしてしまうと、ある意味


豪華なCGを使用した後期セガールアクション
とも言いかえられそうな、全く泥臭さのないアクションとなっています。

数々の伝説のアクション作品を世に送り出してきたツイ・ハーク作品ですので、この二人をキャスティングした時点で、
恐らく本作は武術的なアクションを見せる作品ではなく、超人的な戦いをCG表現メインで描く、ある意味マーベル作品(ドクターストレンジぐらいでしょうか)のような武侠映画表現を目指したのではないでしょうか。

ですので、武侠映画の実写化としては、ある意味一つの到達点のようにも見える豪華な作品ですが、武術映画を絡めた武侠世界の表現としては、イマイチ乗り切れない部分もある、振り切った世界観となっています。
鑑賞する人が、どちらを好んでいるかによって、意見が分かれそうな作品と言えそうです。

という事で、非常に駆け足な物語展開の作品ではありますが、CGによる武侠アクションヒーローものとしては、しっかりと楽しめる作品となっていますので、
香港映画好きの方や、武侠映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。



作品情報
2025年製作 中国製作 武侠アクション
監督・製作・脚本 ツイ・ハーク 原作 金庸
出演 シャオ・ジャン、ジュアン・ダーフェイ、レオン・カーファイ、チャン・ウェンシン、アールーナー、エイダ・チョイ、フー・ジュン、ウー・シンクオ、ユエン・ブン、シン・ユー

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