おすすめ度 ★★★★★★★★☆☆
2007年製作のジョニー・トー製作、ヤウ・ナイホイ監督デビュー作(天使の眼、野獣の街)を、現代の視点で描き直し、オリジナルでも同様の役を演じたレオン・カーファイが計算高く凶暴な強盗団のボスを、伝説の刑事をジャッキー・チェンが演じて激突する、オリジナルへのリスペクト溢れるサスペンスアクション!!


作品紹介
2025年12月12日公開
今回ご紹介する作品は、2007年製作の(天使の眼、野獣の街)のリメイクとなるジャッキー・チェン主演作品です。
それでは、まずはあらすじから、
マカオの街でサイバー犯罪強盗団による事件が発生した。
あらゆる場所に取り付けられた監視システムを潜り抜け、完全に姿を消してしまう用意周到ぶりに事態を重く見た警察は、
かつて監視・追跡班を率いていた凄腕刑事ウォンを呼び寄せ、新たに捜査班を編成して本格的な捜査を開始するが、その強盗団を率いているのは、
ウォン刑事も逮捕できなかった伝説の強盗殺人犯【影】と呼ばれる男だった!!

監督は、(ライドオン)(詳しくはこちら)でもジャッキーと組んだ(モフれる愛)等のラリー・ヤンで、
その香港映画愛に溢れた作風は本作でも炸裂しています。


主人公となるウォン刑事役は、勿論、(パンダプラン)や(ベストキッド レジェンド)等、長年に渡って勢いよく新作を製作し続けるジャッキー・チェンで、
本作でもしっかりとしたアクションで健在ぶりを発揮しています。



で、【影】と呼ばれる窃盗団ボス役で、(THE MYTH神話)や(天使の眼、野獣の街)等のレオン・カーファイが登場し、
逃げ延びるためには何でもやる、凶悪ぶりを発揮していきます。



で、主人公と行動を共にする女性刑事ホー役で、(フライトフォース極限空域)(詳しくはこちら)や(シスター 夏のわかれ道)等の
チャン・ツイフォンが登場し、アクションを披露しながらドラマ部分を掘り下げていきます。



で、窃盗団の主要メンバーの一人役で、(封神・激闘!燃える西岐攻防戦)や(封神・妖姫とキングダムの動乱)等の
ツーシャーが登場し、一人二役で双子の兄弟を演じています。



で、同じく窃盗団のメンバー役で、人気K-POPグループ【SEVENTEEN】で活躍し、映画作品では(野。良犬)や
(イップマン誕生)等に出演しているJUNが登場し、華麗なアクションを披露しています。



で、窃盗団を追うン・イウロイ刑事役で、(バレットヒート)や(ショックウェイブ)等のワン・ツェンウェイが登場し、前半のみですが無茶苦茶な活躍を披露します。



で、香港警察の上層部役で、(検事Mr.ハー俺が法律だ)や(カニバルカンフー燃えよ食人拳)(詳しくはこちら)等の
メルヴィン・ウォンが登場し、相変わらずの安定感で作品世界を掘り下げています。



で、後半登場する傭兵部隊の日本人リーダー役で、(デッドヒート)や(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ英雄復活)(詳しくはこちら)等の
澤田謙也が登場し、久々にジャッキーと激闘を展開します。



で、ジャッキーの元相棒役で、(天山回廊ザ・シルクロード)(詳しくはこちら)や(プロジェクトS)(詳しくはこちら)等の
ユー・ロングァンが登場し、作品世界を掘り下げています。



そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、香港・マカオ地域を賑わす5人組のサイバー強盗犯が、監視カメラシステム等をハッキングしつつ、
ある大会社社長の暗号資産を奪うため、本社ビルに侵入して仕事を終え、駆け付けたン・イウロイ刑事(ワン・ツェンウェイ)率いる警察隊の捜査網を潜り抜け、
それぞれが変装を繰り返しながら華麗に姿を消すシーンから始まります。


で、街の至る所に設置したカメラによって監視するシステム天眼(スカイアイ)を駆使しても、強盗団を取り逃がしてしまった事態を重く見た警察上層部は、
かつて追跡班を率いていた伝説の凄腕ウォン刑事(ジャッキー・チェン)を参考人として呼び寄せるため、若手女性刑事ホー・チャウグオ(チャン・ツイフォン)を派遣して、
ウォン刑事を監視して様子を伺わせます。

しかし、老練なウォン刑事は、ホー刑事の監視にあっという間に気付き、むしろホー刑事たちの実力を計るために逆に監視者たちを観察し、
その後、本部に合流して、本格的に捜査に参加して行きます。

捜査に加わったウォン刑事は、監視システムが犯行を捕らえた録画映像を見て、その膨大な映像の中から、犯人グループと思われる主要メンバーが映った映像のみを選び出し、
さらに、指示役と思われるある人物を特定します。

その男こそ、凶暴な元特殊部隊員で、数十年前から変装を繰り返しながら強盗殺人を繰り返す【影】(レオン・カーファイ)と呼ばれる男で、
かつてはウォン刑事も【影】を追っていたものの、証拠を残さず、神出鬼没的に姿を現しては完全に行方をくらます徹底した犯行ぶりに、長年逮捕できずにいたのでした。

【影】が再び姿を現した事を悟ったウォン刑事は、既に解散してしまった監視・追跡班を再び再編成し、犯人たちが潜んでいる確率の高い地域での潜入捜査を開始します。
一般人を装った捜査員たちが街中に溶け込む中、ホー刑事を自身の助手として配置したウォン刑事は、不満をぶつけられ、反目し合いながらも数週間我慢の捜査を続け、
ついに潜伏中の【影】の姿を発見し、本格的な尾行を開始する事になります。

しかし、すべてにおいて警戒心が強い【影】は、特捜班の尾行にも最大限の注意を払い、気づかれないように近づいていくホー刑事にも、隠し持っていた刃を向けるのだった!!
、、、、、という流れが、中盤あたりまでの大体の大筋となっています。

2007年に製作されたジョニー・トー製作、ヤウ・ナイホイ監督による名作サスペンスアクションのリメイク作品です。
オリジナル作品の方は、日本では単館系の映画館でひっそりと公開された扱いでしたので、有名な大ヒット作品とはなりませんでしたが、
日本以外では、本国の香港電影金像奨で主演女優のケイト・ツイが新人賞を受賞したり、ヤウ・ナイホイ監督が新人監督賞を受賞したり、
韓国で(監視者たち)というリメイクが製作されたりと、しっかりと評価された作品となっています。


個人的には、(暗戦デッドエンド)以降のジョニー・トー作品は全て映画館で鑑賞していましたので、本作も映画館で鑑賞しましたが、
(天使の眼、野獣の街)というピンとこない邦題と、劇場ポスタービジュアルの内容の伝わらなさに、危うくそれが、ジョニー・トー作品だと見落としてしまいそうになるぐらいに
作品の良さや内容と一致しないパッケージに、凄く残念な思いをしたのを今でも覚えています。


ついでに、ジョニー・トー作品は、このズレが結構存在していて、個人的には今でも数年おきに鑑賞し直している傑作(スリ)(詳しくはこちら)や
(MAD探偵)(詳しくはこちら)なんかも、原題を元にはしていても邦題としては残念ですし、


フランスノワールっぽい(冷たい雨に撃て、約束の銃弾を)は、大阪アジアン映画祭で、ジョニー・トー監督が来日して登壇された際に、
『広東語のタイトルは2文字なのに、日本語は13文字もありますね。』と冗談交じりにトークされて会場で笑いを誘っていたのを覚えているぐらいに、ちょっとピンとこない邦題が多いように感じます。
どの作品も内容的には傑作ですが、ピンとこなかったり、長すぎて覚えられなかったり、また直球でシンプル過ぎてペラく感じたり、と非常に残念な邦題ばかりです。

、、、、という、ジョニー・トー作品に対する邦題の嘆きはさておき、本作ですが、個人的にはリメイク作品であるという予備知識もなく鑑賞し始めたのですが、
冒頭のレオン・カーファイの用意周到すぎる強盗団のリーダー役でデジャヴを感じ、ジャッキーが登場と共に、部下にあだ名をつけだして『ん?』となり、
ほぼ主人公に近い位置の女性刑事に子豚と名付けた時点で『ははぁーん。』と理解出来ました。

しかしながら、本作に関しては、単なるリメイク作品という感じではなく、監督・製作陣のオリジナルへのリスペクトが伝わるような再構築ぶりで、
オリジナルで同様の役柄を演じていたレオン・カーファイは、そのキャラクターを年齢を経てさらに掘り下げ狂暴化したような役柄で、
オリジナルの顛末を、そっくりそのまま描くのではなく、絶妙にアレンンジし直して別方向に展開させるという、オリジナルを鑑賞しているファンも、
本作のみを鑑賞しているジャッキーファンも、楽しめるような内容となっています。

さらに身体能力が高すぎる若手イケメンキャストの見せ場もたっぷりあって、御大ジャッキーの負担をそこまでかけずに、
それでも要所でアクションを織り交ぜて、しっかりとジャッキー映画としても成り立たせる、というなかなかに絶妙なバランスの取れたサスペンスアクションとなっています。

ただ、最近の中国映画の流行りに乗ったのか、強盗団と警察の戦いは、冒頭で既に始まっていて、それなりに激突してから数件の事件を経た時点かららのスタートという、
事件の発端を描かない構成のため、始まって暫くは何が起きているのか理解が追い付かないですし、無数の監視カメラシステム対変わり身の早い凄腕強盗団
という物語を描く都合上なのか、それともこちらも最近の中国系作品の流行りに乗ったのか、カット割り過多演出がかなり際立っているために、
とにかく、何をやっているのか目視での判断が追い付かないアクション演出が多く、なんだかんだとやっているうちに逃げ切っているという状況が続きます。

さらに、身軽さを活かし過ぎたアクションと、このカット割り過多、そして少年漫画みたいなファンタジックで非リアルなアクション演出なため、
若手のアクションは、格闘シーンもあったりするのですが、格闘というよりダンスを踊っているような予アクションばかりが続きますので、全然捕まる気がしません。

結果的には、若手のアクションには緊迫感が極めて薄く、
イケメンの華麗なダンスを観ているだけ
と感じてしまうアクションが多めとなっています。

ただ、その分ジャッキーやレオン・カーファイ、そして(デッドヒート)依頼の再激突、澤田謙也が登場すると、一挙に命がけの戦い感が増すのですが、、、。


という事で、ジャッキー主演作なのに、どことなくジャッキー映画臭が若干薄く感じられるのは、このマーベル映画みたいな若手のアクションと、
実際成長が描かれる主人公的な位置にいるのは、ジャッキーではなく【子豚ちゃん】役のチャン・ツイフォンの方で、
そこに次世代の仲間達が全員協力して悪党を追い詰める、というしっかりとした設定と物語展開が描かれているためだと思われます。

なかなか、本作のようなジャッキー映画でありながらも、その要素を抜いた作品単体としての完成度もしっかりと両立している作品も珍しく、
個人的には(香港国際警察)以来ぐらいに完成度の高い作品だと思います。
という事で、ジャッキー映画としても、優れた香港アクション映画としてもお薦めの作品となっていますので、香港映画好きの方や、
ジャッキーファンの方、ジョニー・トー作品ファンの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。





作品情報
2025年製作 香港・中国製作 サスペンスアクション
監督・脚本 ラリー・ヤン
出演 ジャッキー・チェン、レオン・カーファイ、チャン・ツイフォン、ツーシャー、JUN、チェイニー・リン、ワン・ツェンウェイ、リー・ジョークン、メルヴィン・ウォン、ユーロン・グァン、澤田謙也、ユン・チウ、シン・ユー

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