【香港映画】チャウ・シンチーの熱血弁護士(審死官JUSTICE,MY FOOT!)95分

投稿者: | 2021年9月29日

お薦め度 ★★★★☆☆☆☆☆☆

ヒットメーカー、ジョニー・トー監督とチャウ・シンチーが組んだ1992年香港興行収入1位を記録し、香港アカデミー賞主要4部門を受賞した時代劇コメディ!!

作品紹介

2008年 香港レジェンドシネマにて特集上映

今回ご紹介するのは、チャウ・シンチージョニー・トーが組んだ大ヒットコメディ作品です。

それでは、まずはあらすじから、

中国清の時代、町で高名な弁護士ソン(チャウ・シンチー)は、舌先三寸、黒も白に変える冗舌で、時には悪人の弁護も行っていた。

しかし、愛する妻(アニタ・ムイ)との間に生まれてくる子供は、皆赤ん坊の時期に無くなってしまう、という出来事が続き、

自身の職業のせいだと感じたソンは、弁護士を引退する決意をする。

しかし、悲惨な事件に巻き込まれた妻の友人が濡れ衣を着せられたと知り、再び裁判に挑むのだった。

トーク力(屁理屈とも言えそうですが)が凄まじいチャウ・シンチー
法廷シーンは必見です

チャウ・シンチー主演、ジョニー・トー監督、チン・シウトン武術指導という豪華スタッフ・キャストが揃った時代劇コメディ作品です。

今までの本格的なコメディ路線を時代劇で描く、という新しい方向性を見出した作品で、本作の大ヒットにより(ロイヤルトランプ)シリーズや、

詩人の大冒険)、(広州殺人事件)など、同系列の時代劇コメディが連発されていくことになります。

その流れの記念すべき第一弾ともいえる本作ですが、本作はアクション監督にチン・シウトンが参加している事もあり、

笑いの合間に入るアクションも、お手軽ではありますが、しっかりとハイレベルなアクションが挿入され、物語に見せ場を作っています。

アニタ・ムイのアクション。カッコ良いです。

しかも、本作が珍しいのは、そのカンフーシーンを演じるのは達人である妻、アニタ・ムイの方で、主役のチャウ・シンチーは頭はきれても、

腕っぷしはめっぽう弱い、という主演二人のバランスが本作を一段と面白くさせています。

その達人を演じる歌姫アニタ・ムイのアクションも素晴らしく、(戦神ムーンウォリアーズ)(詳しくはこちら)や、

腕っぷしが強いのがアニタ・ムイの方というのがポイント

ジャッキー・チェンの(酔拳2)、(レッドブロンクス)などは基本的にアクションはありませんでしたが、(東方三侠)シリーズなどで魅せた華麗なアクションが、本作でも炸裂しています。

やはりスターは何をやっても、人並み以上にこなせるので、素晴らしいです。

難しいと思われるアクションで、スタントマンと交替するようなアクションでも、しっかりと極力自身で演じるアクションを増やして、

そのスタントマンとの変わり目がほとんど分からないようになっています。

こういうところが、もう少し近年の中国作品にあれば、もう少しカッコ良いアクションシーンになると思われますが、なかなか厳しいですね。

という事で、アクションは、アニタ・ムイに任せてチャウ・シンチーは得意のトークで悪人を論破していくわけですが、

アニタ・ムイは実は強い、という雰囲気に満ちています

内容としては、人並み外れたトーク力を武器に、時には悪人の弁護も厭わず、高額の報酬によって弁護士として成功しているチャウ・シンチーが、

自身の子供が、次々と幼い時期に亡くなってしまう出来事を機に、自らの行いを改めて、弁護士の職を辞するが、ある事件の冤罪で処罰されようとしている夫人のために、

再び法廷に立つ、という物語で、いつものチャウ・シンチー節炸裂のブラック寄りの笑いに、人情味を加えて、例によってちょっと嫌味なチャウ・シンチーが、

挫折と反省を経験しながら、人間的に成長していく、という大筋となっています。

あまりに不幸な夫人の身の上に手を差し伸べるアニタ・ムイ

この流れは、ブレイク後のチャウ・シンチー作品で大体共通していて、反省はして成長はするけれども、それでも嫌味なところがあるのは、そんなに変わらない、

という人間味溢れる、お得意のキャラクターとなっています。

演じるのは勿論、主演にチャウ・シンチーアニタ・ムイ

まさに、名コンビです

濡れ衣を着せられ、終始悲惨な目に合い、登場している間はほとんど泣いている、というキャラクター設定ごと笑いのポイントとなっている、

90年代香港映画の大人のヒロイン役の多かったキャリー・ン

キャリー・ンは泣いてばかりの夫人、という役柄

主人公達を途中ピンチから救ってくれるお助けマン剣士役に(ミラクルファイター)(詳しくはこちら)や、そのリメイク(バトル・オブ・ダンジア魔獣大戦)(詳しくはこちら)などに出演しているエディ・コー

エディ・コーはお助けアクション要因です

賄賂を受け取らず、正義を貫いているように見えて、実はそうでもない、融通の効かない裁判官役に、チャウ・シンチー作品ではお馴染み、

少林サッカー)や(マッドモンク魔界ドラゴンファイター)(詳しくはこちら)などのン・マンタ

お馴染みのン・マンタ、今回はどちらかと言うと敵役

裁判長役で、主人公側を終始助けるような位置にいながらも、何故かラストは悪人と同じように罰せられてしまう、(桃さんのしあわせ)などのチョン・プイ

チョン・プイ今回は渋い役です

賄賂上等な悪徳裁判官役で登場の、(燃えよデブゴン地獄の危機一髪)(詳しくはこちら)や、近年でも(ジェイドダイナスティ)(詳しくはこちら)などで活躍中のカンフースター、リョン・カーヤン

主人公一家のソン家の召使として常に笑いを提供している(少林サッカー)でプチブレイクしたウォン・ヤッフェイ

とぼけた感じがハマり役なウォン・ヤッフェイ

等、豪華スターが集結してる作品となっています。

コメディメインの作品ですので、アクション自体の見せ場は多くはありませんが、アニタ・ムイのアクションとエディ・コーのアクションを中心に短めだけれど、

しっかりと二人の強さが伝わるアクションも見どころとなっています。

アニタ・ムイのアクション
エディ・コーのアクション

扱っている事件自体は、割とドロドロ系の内容ではあるのですが、それを完全にコメディ作品として描き切っているところに、

チャウ・シンチー独特の泥臭さ(良い意味でです)が出ていて娯楽として楽しみやすい作品となっています。

という事で、ジョニー・トー監督とチャウ・シンチーチン・シウトンという恐らく、今後は二度とあり得ないような組み合わせが楽しめる秀作コメディとなっていますので、

香港映画好きの方や、コメディ作品好きの方などご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

それにしても、アニタ・ムイはやっぱりコメディ作品が良いですね。輝いてます。

(羊たちの沈黙)のパロディですが、抑え過ぎて鼻と唇が面白い事になってます
ベタな女装ギャグもあります

作品情報

1992年製作 香港製作 時代劇コメディ

監督 ジョニー・トー 武術指導 チン・シウトン

出演 チャウ・シンチー、アニタ・ムイ、ン・マンタ、キャリー・ン、リョン・カーヤン、チョン・プイ、エディ・コー

おしどり夫婦っぷりが魅力
名コンビ、ン・マンタとは敵同士

その他のチャウ・シンチー作品

チャウ・シンチーが幽霊とバディを組むポリスコメディ(ゴースト・ハッスル)はこちら

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