【未公開カンフー映画】踢館(踢館THE CHALLENGER)

投稿者: | 2023年12月30日

カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆

エリック・ツァンがロー・ウェイ製作の下で初監督し、デビッド・チャン、チョイ・シウキョンを主演に豪華カンフースター出演で製作したバディカンフーアクション!!

作品紹介

今回ご紹介する作品は、エリック・ツァンが監督し、デビッド・チャン、チョイ・シウキョンが主演したカンフーアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

ある道場のオープン日に、道場破りで有名なカンフーの達人カム・チンホンが現れた。

しかし、カムは勝負に勝利するも、道場自体には興味が無く、道場破りを繰り返す事で、ある人物を探しているのだった。

そんな中、ふとした事でカム・チンホンと知り合った詐欺師ヤウティンは、ある人物から彼の暗殺を依頼される!?

監督と端役として出演もしているのは、(大福星)や(魔界天使)(詳しくはこちら)等のコメディ俳優としても活躍しつつ、

本作で監督デビューを飾り、その後、(悪漢探偵)や(天空伝説ハンサムシビリング)(詳しくはこちら)等監督としても大活躍していく事になるエリック・ツァンで、

本作ではシリアスな部分と軽妙な部分を併せ持つ世界観を描いています。

エリック・ツァン
エリック・ツァン

主人公の詐欺師役には、(天使行動)(詳しくはこちら)や(新片腕必殺剣)等のデビッド・チャンが扮し、守銭奴ぐらいの勢いで、

金、金、金の行き着く先で、いつのまにか騒動に巻き込まれている詐欺師を軽妙に演じています。

デビッド・チャン
デビッド・チャン

で、デビッド・チャンと成り行きでバディを組む事になる悲劇の拳士役で、(中華道士)(詳しくはこちら)や(妖刀・斬首剣)(詳しくはこちら)等の

チョイ・シウキョンが登場し、華麗なカンフーを披露しています。

チョイ・シウキョン
チョイ・シウキョン

で、そのチョイ・シウキョンが宿敵と追う悪党役で、(タイガー&タイガー)(詳しくはこちら)や(クレージー警部替え玉作戦)(詳しくはこちら)等の高速カンフー、

フィリップ・コーが登場し、本作でも超絶アクションを披露しています。

フィリップ・コー
フィリップ・コー

で、そのフィリップ・コーの恋人である賭場の女主人役で、(ツーフィンガー鷹)(詳しくはこちら)や(少林寺破戒大師伝説)(詳しくはこちら)等のレディドラゴン、

リリー・リーが登場し、少な目ではありますが華麗なアクションを披露しています。

リリー・リー
リリー・リー

で、その主要メンバーの脇を固めるように、本作に武術指導としても参加している(斗え!デブゴン)(詳しくはこちら)等のウォン・ハーや、

ウォン・ハー

マッドカンフー地獄拳)(詳しくはこちら)等のチャン・ロン

チャン・ロン

燃えよデブゴン!お助け拳)(詳しくはこちら)等のタイ・ポー

タイ・ポー(左)

蛇猫鶴混形拳)(詳しくはこちら)等のマース

マース

クレイジーパートナー)(詳しくはこちら)等のアラン・チャン

アラン・チャン

等、豪華なカンフースターが多数登場する作品となっています。

そんな本作の物語は、チャン・ロンが館長を務めるある武館がオープンを迎える日から始まります。

習わしで、オープンと同時に蝋燭に火をともし、火が消えて燃え尽きるまでは、道場破りの挑戦を受ける、というウェルカム期間が設けられていて、

小心者のチャン・ロンは、気が気じゃないといった感じですが、炎が消える直前で一人の道場破りが現れます。

それがチョイ・シウキョン演じるカンフーの達人カム・チンホンで、習わし通りに、チャン・ロンに挑戦しますが、

チャン・ロンのトンデモない臆病ぶりに、その道場を後にし、ウォン・ハーが館長を務める他の武館を訪れます。

ここでは、ウォン・ハーとちゃんと対戦する事ができ、チョイ・シウキョンも得意の豹拳を使用して圧倒しますが、

勝利しても何かを求めるわけではなく、ある人物を探していると告げます。

実は武館を経営するあるカンフーの達人を探していて、その人物の顔を知らないので、ローラー作戦的に武館を訪ね歩き、実力を計るために道場破りを重ねている、という状況を説明します。

で、そんな中、ある街の賭博場(賭場を経営するのはリリー・リー)で、インチキを重ねた挙句に強盗まがいに賭場の売り上げを持ち去る、

というかなり気合の入った守銭奴詐欺師デビッド・チャンが今日も大好きなお金を稼いだ(というより強引にぶん取る)後に、

大好きな銀行に(他人から奪った)お金を貯金していると、その銀行から大金を出金しているチョイ・シウキョンとすれ違う事で、2人の運命が交差していきます。

で、そんなチョイ・シウキョンに興味を持ったデビッドですが、どうも何かにお金を使っている様子も無いようなので、

色んなカンフーの達人に自身を殴らせて金銭を要求する、という殴られ屋のような勝負(でもありませんが)を挑みます。

で、一発二発と白熱して来るうちに、本当のカンフー勝負へと発展していきますが、なんとなく互角で、お互い不毛な戦いと感じたのか、勝負はあっさりと終了します。

で、その後、デビッドがいつものように木の上で昼寝をしていると、賭場の女将であるリリー・リーが現れて、守銭奴が過ぎるデビッドに、高額報酬と引き換えにある仕事を依頼します。

その仕事が、カム・チンホンという道場破りで有名な男の暗殺依頼で、デビッドは、金のためならなんでもやるけれども、殺人だけはしない、

という主義でしたが、お金を積まれると、あっと言う間に主義を撤回して、速攻で暗殺依頼を受ける事になります。

ただ、この時、あの大金を出金していたカンフーの達人が、道場破りカム・チンホンだと認識していなかったので、

本人を目にしたデビッドは、また計略を巡らす事になります。

殺人依頼はあっさりと諦めて、自分自身の殺害の依頼人を知りたがるチョイ・シウキョンに、金と引き換えに名前を教える、という守銭奴らしい裏切りで、

あっさりと名前を教えてしまい、さらに報酬だけを受け取りにリリー・リーのところに向かいますが、そこで初めからそうするつもりだった悪党フィリップ・コーに襲われます。

リリー・リーは、実は裏で悪党であるフィリップ・コーと繋がっていて、その依頼自体もフィリップ・コーに頼まれて依頼した事が分かります。

要するに、チョイ・シウキョンは武館を経営するカンフーの達人を探していて、フィリップ・コーは誰かから隠れていて、

道場破りを繰り返しているチョイ・シウキョンを他人を使って襲わせるという状況になります。

で、自身を殺害しようとした依頼人の名前を聞いたチョイ・シウキョンは、リリー・リーの恋人であるフィリップ・コーの存在を確認し、

過去に起きた悲劇を清算するために、フィリップ・コーに戦いを挑み、デビッドフィリップ・コーがお金を持っていそうなので、

金目当てについでに戦いに参加する、というのが、本作の大筋となっています。

物語展開としては、中心に道場破り(タイトルの踢館は道場破りの意味)がありますので、勝負を挑んでいく=物語が進む、

という感じで、カンフーアクションをしっかりと見せつつ、物語も展開していく、というカンフー映画のストーリーとしては非常に分かり易い展開が楽しい作品となっています。

主演二人のキャラクターもズッコケ気味のデビッド・チャンとシリアスなチョイ・シウキョンという対比で、

それぞれのアクションも素晴らしく、そこに絡んでいくリリー・リーの怪しい魅力、そして悪党役のフィリップ・コーの気持ち良いぐらいの悪党ぶり、

という感じで、主要メンバーの個性に応じたキャラクターが活き活きと描かれていますので、非常に楽しく鑑賞できる作品となっています。

ただ、デビッド・チャンのキャラクターの守銭奴具合が、主人公とは思えないレベルの大守銭奴具合で、結局、お金のためなら殺人も引き受ける(未遂に終わってはいますが)、

という見方によってはダーティでダークなキャラクターとなっていて、さらに冷静に見ると、

物語の本筋には、お金以外では一切関わっていない

という所が、主人公なのに、ちょっと感情移入しにくい原因となってしまっていて残念です。

これが、もしお金を貯めているのは、全て病気の母親のため、とか、世話になった恩師への恩返しのため、

あるいはチョイ・シウキョンの漢気に惚れて、などの理由が描かれれば良いのですが、そういう説明はありませんので、

ただの守銭奴で終わってしまっているのが物語展開やアクション自体がしっかりしているだけに勿体ない作品となっています。

という事で、主人公のキャラクターには少々難がありますが、この時期のカンフー映画独特の痛快な雰囲気や、

素晴らしいカンフーアクション、そして何よりその後大活躍する事になるエリック・ツァンの記念すべき監督デビュー作品となっていますので、

香港映画好きの方や、カンフー映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

1979年製作 香港製作 カンフーアクション

監督 エリック・ツァン 製作 ロー・ウェイ 武術指導 ウォン・ハー

出演 デビッド・チャン、チョイ・シウキョン、フィリップ・コー、リリー・リー、チャン・ロン、ウォン・ハー、エリック・ツァン、アラン・チャン、アラン・ツイ、タイ・ポー、マース、ベニー・ライ

↓ランキングに参加しています。もし、宜しければ下記をクリックお願い致します↓

映画評論・レビューランキング
映画評論・レビューランキング

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

PVアクセスランキング にほんブログ村

コメントを残す