カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆
ラウ・カーウィンが監督し、リュー・チャーフィーが主演、エリック・ツァンが共演した（ガッツフィスト魔宮拳）と共通点の多いカンフーアクション作品！！
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、（少林寺三十六房）のリュー・チャーフィー主演のカンフーアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
第二次世界大戦下の中国、日本軍から逃れ、ある寺に逃げ延びた男は、そこの若き大師に日本軍分布図を託して絶命する。
男を追ってきた日本軍に住職や仲間の僧侶を殺害された大師は、その分布図を使者に届けるため遠方の目的地に向けて旅立つ。
しかし、旅の途中で出会った若者マーとロンは、執拗に大師の持つ荷物を狙うのだった！？
リュー・チャーフィーが主演したカンフーアクション作品です。
監督と極悪隊長を演じているのはレジェンド、ラウ・カーリョンの実弟で、俳優として（少林寺必殺舞扇拳）（詳しくはこちら）や、
（ドラゴン修行房）（詳しくはこちら）や、（燃えよデブゴンカエル拳対カニ拳）（詳しくはこちら）等多くの傑作カンフー作品に出演し、
監督としても（カンフートレジャー龍虎少林拳）（詳しくはこちら）や（魔界天使）（詳しくはこちら）等、多くの傑作を演出しているラウ・カーウィンで、
本作では（モンキーフィスト猿拳）ばりに善人の皮を被った悪人を演じています。
主人公となる僧侶役は、（少林寺三十六房）シリーズや、（孔雀王）（詳しくはこちら）、（ガッツフィスト魔宮拳）（詳しくはこちら）等のリュー・チャーフィーで、
お得意の生真面目な僧侶役を義理の兄であるラウ・カーウィン演出の下、颯爽と演じています。
で、リュー・チャーフィーが旅をする間のトリオの一人として、（大福星）や（インファナルアフェア）シリーズ、
（霊幻勇士VS黒魔術）（詳しくはこちら）等の香港映画界のレジェンドとも言えるエリック・ツァンが登場し、コメディリリーフとして作品と盛り上げていきます。
で、もう一人の相棒役で、ラウ・ブラザーズの親族で、（老鼠街）（詳しくはこちら）や（酔拳2）、（酔拳3）（詳しくはこちら）等、
多くのカンフー作品で活躍しているラウ・カーユンで、コメディ・リリーフながらも、キレの良いカンフーアクションを披露しています。
で、ラウ・カーウィンの妻であり、コンビカンフーの相方でもある役柄で、（ヤングマスター師弟出馬）や、
（ツーフィンガー鷹）（詳しくはこちら）、（少林寺秘棍房）等の多くの傑作カンフー作品に出演しているリリー・リーが登場し、主人公達を追い詰めていきます。
で、そんな主要メンバーにゲスト的な出演ではありますが、日本軍人役で、（死霊のニンジャ）（詳しくはこちら）や、
（暗黒街の忍者）（詳しくはこちら）等のフィルマーク社作品で知られるチャン・タオや、
冒頭で重要な書類を追う男の役で、（マッドカンフー地獄拳）（詳しくはこちら）や、（ユン・ピョウinドラ息子カンフー）（詳しくはこちら）等、
多くのカンフー作品、特にサモ・ハンキンポー作品等に頻繁に出演しているチャン・ロン、
ラウ・カーウィン演じる隊長とライバル関係にある別地区の隊長役で、（老鼠街）や（燃えよデブゴン7）（詳しくはこちら）、
そしてジャッキー主演の（ポリスストーリー）等、多くの作品で悪役として活躍しているフォン・ハックオン、
主人公達が大切な書類を渡す重要人物役で、（レディクンフー激闘拳）や、（少林寺皇帝拳）等のラム・ハックミン、
そして、リュー・チャーフィーがたじたじになる娼館の女性役で、本作のラウ・カーウィン主演の（Mr.ノーボディー）（詳しくはこちら）や、
（燃えよデブゴン）（詳しくはこちら）等のメグ・ラム等、カンフー映画お馴染みのキャストが登場し、世界観を盛り上げていきます。
そんな、カンフー映画お馴染みのスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、第二次大戦下の中国のある街で、
日本軍の勢力分布図を盗み出したある男が、日本軍に追われ、傷つきながらも、なんとか逃げ延び、ある田舎の寺に辿り着くところから始まります。
で、この寺の若き大師リュー・チャーフィーに、4月15日にウォーロンという街に行き、そこで落ち合うはずだった使者にその分布図を渡して欲しい、
と託してこと切れてしまいます。
その使者の目印は背中にコブがある、という非常に見分けのつけにくい人物への、国の行方を左右する大事な物を託されてしまう、というかなりの出来事に、
勿論、リュー大師も戸惑いますが、その後、その男を追って寺に侵入してきた日本軍の部下たち（チャン・ロンが交じっています）に、
弟弟子や師匠等、かなりの人数を殺害されてしまい、もう受け入れるしかなくなったリュー大師は、仲間の弟子が、腕の良い脱出屋を知っている、
という事で、脱出屋であるエリック・ツァンとラウ・カーユンのコンビとリュー師匠が出会い、ウォーロンに行く道案内を頼む事になります。
で、その二人は、インチキ詐欺師のようなコンビで、リュー大師が大事そうに持っている木箱に、高価な品物が入っていると勘違いし、
旅の道程、執拗に木箱を狙っていきます。
正直に話せば済みそうですが、そこは生真面目なリュー大師ですので、情報が漏れるのも防ぐために、木箱の中身はとりあえず離さずに、
盗人コンビと付かず離れずの距離で旅を続けます。
で、辿り着いた街で、ラウ・カーユンの彼女のお母さんが経営している宿屋に御厄介になり、背中にコブがある男探しに入ります。
で、そんな街を守っている隊長（守っているシーンはありませんが、、、）のラウ・カーウィンとリリー・リーの夫婦は、
街を侵略してきている日本軍の岡田（チャン・タオが演じています）に媚びまくって、日本軍から奪われた分布図を今はどこかの和尚が持っているので、早急に捜索するように命じられます。
で、媚びたいラウ＆リリー夫妻は、その辺の僧侶を根こそぎ逮捕して、まさかのローラー作戦を慣行してきます。
で、正義感の強いリュー大師が、無実の僧侶たちの逮捕に心を痛める中、それでエリック＆カーヨンコンビは、
どうしてもリュー大師の荷物が欲しいので、大師を裏切り、自分達も警察に入隊する、という自分勝手な行動に出ていきます。
ただ、裏切られたリュー大師は、裏切ってしまった二人を責めるのではなく、そこで初めて木箱の中身が日本軍の分布図であることを明かし、
中国人の未来のために、正式に二人に協力してもらうように頼みます。
で、散々、裏切りを繰り返してきた盗人コンビですが、ここへきて自身の使命に目覚めて、分布図を使者に届けるために、
命がけで日本軍とラウ＆リリー極悪夫婦に戦いを挑む、というのが大筋となっていきます。
ストーリーの大筋としては、真面目な僧に二人のズッコケ詐欺師コンビ、そして謎の荷物を持ってある人物を探す旅に出る、
という（ガッツフィスト魔宮拳）に非常に似た内容で、監督、主演も兄弟で気心の知れたスタッフ・キャストと製作している、という製作体制も似た作品となっています。
製作年度も連続していますので、恐らく（ガッツフィスト魔宮拳）の第二弾的な意味合いで製作されたのではないでしょうか。
ストーリー展開的には、犯人探し＋（少林寺への道）のような難関房（廊下ですが）をクリアする冒険アドベンチャー要素の存在した前作と、
日本軍に仲間の命を奪われながらも、起死回生となる重要な書類を運ぶ生真面目僧侶と、それを奪おうと狙うズッコケ詐欺師、
という人物配置が似ていながらも、毛色の違う二作目に、好みが分かれてしまいそうですが、カンフーアクションに関しては、
良作共通して素晴らしく、本では、ラウ＆リリーの極悪夫婦とリュー大師＆カーユン、エリック混合チームによる、
クライマックスバトルの圧倒的な迫力が凄まじく、気心の知れた対戦相手だからこそ可能な、息のピッタリあった名勝負を繰り広げています。
しかも、ラウ＆リリーの極悪ファイトがかなり痛快で、リリー・リーの足に仕込んだナイフや、背中に隠して装着しているショットガン等、
邪道カンフーと、その邪道に真っ向から立ち向かう主人公チームの奮闘振りから目が離せなくなります。
また、リュー大師のアクションも、他の作品よりもアクロバットな動きが多く、長い脚をぐるぐると回転させながら相手に飛び込んでいくようなジャンプアクションを随所で披露し、
素早いバトルのリズムを盛り上げていきます。
娼館でのメグ・ラムとのたじたじ展開や、少々強引に入るキョンシー騒動、エリック・ツァンのなりきりブルース・リー等、
割と横道に逸れてしまう展開も多いですが、それを上回るカンフーアクションの素晴らしさで見せ切るショウブラザース社作品ではないリュー・チャーフィー主演作の中では、
しっかりと楽しめる作品となっていますので、香港映画好きの方や、カンフーアクション好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1980年製作 香港製作 カンフーアクション
監督 ラウ・カーウィン 武術指導 ラウ・カーウィン
出演 リュー・チャーフィー、エリック・ツァン、ラウ・カーヨン、ラウ・カーウィン、リリー・リー、チャン・タオ、チャン・ロン、フォン・ハックオン、ラム・ハックミン、メグ・ラム
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