【推薦!カンフー映画】妖刀・斬首剣 (生死決DUEL TO THE DEATH)87分

投稿者: | 2023年12月3日

カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★★★☆☆☆

中国武術と日本武術の代表者が、お互いの名誉を掛けて決闘に挑む、しっかりとお互いの熱いドラマも描かれた、華麗なアクション満載の(チャイニーズゴーストストーリー)のチン・シュウトン監督デビュー作!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、中国・香港の武術の達人が激突する武侠カンフー作品です。

それでは、まずはあらすじから、

10年に一度執り行われる中国の武術界を代表者1名とと日本の武術界の代表者1名を選出し、雌雄を決する決闘の日が、目前まで迫っていた。

中国代表に選ばれた少林寺派のチンワンは、日本の柳生新陰流宮本と戦うため、勝負の場所となる聖剣荘へと向かうが、

その試合の裏では、何者かの陰謀が進行していた!?

監督は、後に(チャイニーズゴーストストーリー)や(テラコッタウォリア)(詳しくはこちら)等で大監督としてブレイクしていく事になるチン・シュウトンで、

監督デビュー作となる本作で、既に京劇のような華麗なワイヤーワークを使ったアクションを描いています。

チン・シュウトン

ダブル主演の中国側剣士役には、ユン・ピョウ主演の(天空の剣)や(東方三侠)等のダミアン・ラウで、

責任を背負いながらも、命を奪い合う事にも疑問を持つ心優しき剣士を好演しています。

ダミアン・ラウ
ダミアン・ラウ

で、もう一人の主演である日本の剣士役で、(中華道士)(詳しくはこちら)や(ゴールデンスワロー飛翔伝説)(詳しくはこちら)等のチョイ・シウキョンが登場し、

己の誇りのために、全てを掛ける熱い役柄を好演しています。

チョイ・シウキョン
チョイ・シウキョン

で、日本側の僧侶役で、ユエン・ウーピン監督の(ミラクルファイター)(詳しくはこちら)や(妖怪道士)(詳しくはこちら)等のエディ・コーが登場し、

華麗なアクションと、後半は物語に捻りを加えていきます。

エディ・コー
エディ・コー

で、ヒロインの女性剣士役で、チョウ・ユンファ主演の(真夜中のヘッドハンター)や(激突!少林拳対忍者)(詳しくはこちら)等のフローラ・チェンが登場し、

バレエで鍛えた身体能力で、華麗なアクションを披露しています。

フローラ・チェン
フローラ・チェン

で、2人の剣士が集う剣聖荘の主人役で、(検事M.rハー俺が法律だ)や(ポリスストーリー)等有名作品の助演で知られるポール・チャンが登場し、

珍しく物語に大きな捻りを加える役柄で、後半にかけて大活躍していきます。

ポール・チャン
ポール・チャン

で、少林寺の武僧役で、(迷拳三十六招)(詳しくはこちら)やダニー・リー主演の(天龍八部)等に出演しているヤン・チャクラムが登場し、

前半のみですが、華麗なアクションを披露しています。

ヤン・チャクラム
ヤン・チャクラム

で、ゲスト出演的な登場ですが、ダミアン・ラウの実質的な師匠役で、(醉馬拳クレージーホース)(詳しくはこちら)等のハン・クォチョイや、

ハン・クォチョイ

忍者に襲われる拳士役で(燃えよデブゴン10友情拳)(詳しくはこちら)等のカサノバ・ウォン

カサノバ・ウォン

日本人役で(斗え!デブゴン)(詳しくはこちら)等のトン・ワイセン等豪華なキャストが出演しています。

トン・ワイセン

そんなスタッフ・キャストが結集した本作の物語は、10年に一度、聖剣荘で行われる中国代表と日本代表が1対1で対決する武術試合(決闘)に、

今回の中国代表となったダミアン・ラウが刺客となる忍者軍団を撃退するところから始まります。

で、忍者の気配が立ち込める不穏な空気の中、エディ・コー演じる一人の僧が少林寺に姿を現し、礼儀をわきまえならがも少林寺の武僧ヤン・チャクラムを挑発し、

その挑戦を受けたヤン・チャクラムエディ・コーと激闘を繰り広げますが、危機を察知したダミアン・ラウが割って入る形で勝負は、お預けとなります。

お互い臨戦態勢のまま、勝負の日、勝負の場所である聖剣荘に向かう事になりますが、代表者であるダミアン・ラウは、

そのような重い雰囲気ではなく、師匠であるハン・クオチョイにちょっとした挨拶を交わしただけで、スッと聖剣荘へと旅立っていきます。

ダミアン『行ってきまぁす!』

一方、日本からやって来た柳生新陰流宮本一郎は、日本の武士道を極限まで極めたような精神力で、旅立つ前にも、

くせ者のふりをして切りかかってきた師匠を切ってしまう、という、もう決闘に勝つ事以外に祖国の地を踏めない覚悟で海を渡ってきた生粋の武士、という

中国と日本のキャラクターが非常に対照的で、立場は違えども、そこには同じ武術の道を究めようとする熱い心根をもった熱い男たち、という主人公二人の描写となっています。

本作の良さは、ほとんどこの日本側の武士、宮本の人物描写とそのままイコールとなっていると言っても過言は無く、

何が何でも勝負を挑んで勝利を勝ち取りたい、という思いはあるものの、汚い勝利や、相手に不利な状況での勝利は決して望んでいない、

という熱さと武士道への実直さが、対戦相手のダミアン・ラウでさえも理解できないぐらいに最後の最後まで貫き通されていますので、

トンデモ描写も多いながらも、まさに男泣きなキャラクターとなっています。

で、それぞれが聖剣荘へと向かう中、聖剣荘の主の娘であるフローラ・チェン(男装の女性だと他の人は気づかない、というお約束展開あり)と、

別々な場所で出会いますが、武術の達人である二人は、あっという間に女性だと見抜き(これは誰でもできますが、、、)、

しかも、それぞれが紳士的(武士的?)な態度で手を引く、という武術以外の面でも、色々な所作を心得た武人という魅力的なキャラクターとなっています。

で、ついに聖剣荘へとたどり着いた二人は、決戦の準備へと入っていきますが、そこで聖剣荘を管理している一族の現在の党首であるポール・チャンが、

これまでの歴史を語り、そして武術界へこれまで自分達一派がどれほど貢献してきたか、という想いを語り始めるぐらいで、予想外の不穏な空気が立ち込め始めます。

先に到着していたエディ・コーにもその不穏な空気が漂い始め、、、、、、、

という感じで、中盤以降、物語は急展開を迎えて行く事になります。

色々な事が巻き起こり、超絶忍術の忍者軍団の襲来などもあり、大活劇の怒涛の展開へと突入して行きます。

で、勿論、色々な事が巻き起こっても、決闘をせずに、宮本が日本に帰国する事はできませんので、最終的には、

中国と日本の武術家二人は、波の飛沫が撒き上がる岸壁で、最終決戦に挑む事になります。

この最後の戦いは、香港カンフー映画史のどこかに記されるような名勝負で、ダミアン・ラウが武術系のスターでは無くても、

チン・シュウトンの素晴らしいワイヤーワークと、チョイ・シウキョンの素晴らしいアクション、

そして、そこに至るまでの宮本のしっかりとしたキャラクター描写、と、その先に日本が存在する海の岸壁、というシチュエーション等の、

クライマックスを盛り上げる要素が全て上手く融合されて、非常に感情が煽られる熱いエンディングを迎える事になります。

そこまでして勝敗にこだわることがあるのか?と疑問に思うダミアン・ラウに、

立つ力を失いそうになりながらも、絶対に地に膝を着けないよう自分自身で、足の甲に刀を突きさし、海の果ての祖国を見つめる宮本の姿に目がしらが熱くなります。

このラストバトルだけでも、本作は十分見る価値のある作品ですので、カンフー映画好きの方や、香港映画好きの方等、機会がありましたら是非ご鑑賞ください。

熱いですよ。個人的にはチョイ・シウキョンのベスト作品だと思います。

作品情報

1982年製作 香港製作 カンフーアクション

監督・脚本・武術指導 チン・シュウトン 製作総指揮 レイモンド・チョウ 音楽 マイケル・ライ

出演 ダミアン・ラウ、チョイ・シウキョン、エディ・コー、フローラ・チェン、ポール・チャン、ヤン・チャクラム、カサノバ・ウォン

↓ランキングに参加しています。もし、宜しければ下記をクリックお願い致します↓

映画評論・レビューランキング
映画評論・レビューランキング

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

PVアクセスランキング にほんブログ村

コメントを残す