【未公開カンフー映画】女煞星大鬧烏龍院【女煞星大闹乌龙院】(CRAZY ACROBAT)91分

投稿者: | 2023年3月11日

(カンフーコップ)を始めとるジュディ・リーが痛快な大活躍を見せるレディースカンフーアクション(女煞星)シリーズ第四弾!!

カンフー映画としておすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆

作品紹介

今回ご紹介する作品は、ジュディ・リー主演の(カンフーコップ)シリース第四弾です。

それではあまずは、あらすじから、

シウ・プディムとカオチューの二人は、今日も軽快に街を歩いていたが、たまたま入った倉庫で、街を牛耳るギャング団の悪事を目にしてしまう。

姿を見られてしまった二人は、追われる身となってしまい、たまらず逃げ込んだ雑技団の協力でなんとか逃げ延びるが、

ギャング団の悪事は、雑技団の女性メンバーにも及び、娼館で働かせるために連れ去られてしまう。

世話になった恩を返すため、シウとカオの二人は救出作戦を実行に移すのだった!?

ジュディ・リー主演の痛快カンフー活劇(カンフーコップ)(詳しくはこちら)シリーズの第4弾です。

1973年の第1弾である(カンフーコップ)から、半年後に公開された(橫衝直撞女煞星)、

橫衝直撞女煞星

その半年後に公開された(神出鬼沒女煞星)、そしてその一か月後に公開された本作、という感じで、年間2本ペースで公開されていた人気のシリーズとなっています。

神出鬼没女煞星

ただ、シリーズではありますが、それぞれの物語は独立していますので、基本的にはどの作品からでも鑑賞出来るようになっています。

さらに、設定や役柄なども違いますので、要するにジュディ・リーが痛快に男性を蹴り飛ばしていく、という事だけが共通点のシリーズとなっています。

(カンフーコップ9シリーズの4作目でぅが、コップではありません

それぞれの作品では、男性とのコンビネーションや、自転車に乗るシーンが何故かあったり、ジュディ・リーが明るく自信満々キャラクターだったり、という感じで、

なんとなく似た要素があるシリーズ作品となっています。

痛快ジュディの下町シリーズ、という感じです。

そんな本作の物語は至ってシンプルで、街を牛耳るギャング団が、若い女性を強引に娼館で働かせて荒稼ぎする中、

孤児ながらも、相棒の弟分と共に逞しく暮らすジュディが、世話になった雑技団の女性メンバーが、ギャング団に攫われたので、

救出作戦を決行し、ついでにギャング団撲滅作戦も決行する、という痛快篇となっています。

勿論、見所は、いつものようにジュディ・リーの痛快ぶりで、男性に挑まれても、それほどピンチには陥らずに、

逃げたり、そのまま打ち負かしたり、というジュディ・リーを魅せるためのアクションシーンの連続となっています。

本作に関しては、他のシリーズ作品に比べて、全体的にコメディ色が濃くなっていますので、アクション自体もコメディ色が強めで、

女性が娼館で身売りされたり、誘拐されて無理矢理監禁されたり、という暗めのエピソードが存在するにも関わらず、

次の瞬間、悪党のボスがズッコケてジュディ・リーに蹴りを喰らわされて、くねくねと白目をむいて倒れてしまう、

というズッコケ気味のアクション(リアクション)で、物語全体をお笑い要素で染めていきます。

ジュディ・リー作品の中でも、ここまでズッコケ要素が徹底している作品も珍しく、(カンフーコップ)のような明るい要素のある作品でも、

大概悪役に関しては、憎まれ要素で染まっていましたが、本作に関しては、悪行の限りをつくす悪人でさえ、

なんとなく憎み切れないキャラクターで統一されている、という点が、痛快ストーリーをさらにソフトなイメージで、誰でも鑑賞しやすい作品へと決定づけています。

(至尊威龍)(詳しくはこちら)のチェン・フーホンも出てます

勿論、アクション面も素晴らしく、いつものように姿勢を崩さずに、高くまでスッとあがる蹴り技の連続に、

棒状の武器を手にした時の、くるくると回しながら攻撃を加えていく手慣れた見栄えのする動きで、ずっと見ていたくなるような痛快レディドラゴンぶりを発揮しています。

ただ、本作、シリーズも四作目、という事で、どういうシリーズか、という説明も省いているような演出ですので、

少林寺炎上)でも印象的な役柄を演じていたバリー・チャン演じる相棒とジュディ・リーが実際どういう間柄なのか?

どういう出会い方をしているのか?お互いにどういう過去があるのか?ジュディ・リーはカンフーをどこで身に付けたのか?

等、ほとんどの事は説明されずに、いきなり街を走り回っているようなイメージで、ジュディ・リーが男性役なのか、女性役なのかもはっきりとわかりませんでした。

タイトルにもありますので、勿論、女性役だとは思われますが、

前半でバリー・チャンの女装があり、後半ではジュディ・リーが女性の服装で登場し、周りの注目を集める、

というシーンが存在しますが、それが男性役のジュディ・リーが女装をしている、というシーンなのか、

いつも男性っぽい恰好をしている女性が、いよいよ女性の恰好を本格的にして、本気を出した、というシーンなのか、最後まではっきりとは分かりませんでした。

前半のバリー・チャンの女装
後半のジュディの本気モード

女性が男性の服装をして、誰が見ても女性にしか見えないのに、劇中の男性陣は、その男装の女性を完全に男性と思い込む、

という展開は香港(台湾)カンフー映画のあるある王道展開ですが、本作のジュディ・リーは女性の恰好を披露した時も、女性らしくなるのではなく、

その後もスカートを取り外すと、同じ柄のズボンを着用していて、痛快カンフー対決に挑む、という感じで、

その後も痛快キャラクターで通していますので、結局どちらか分かりませんでした。

しかも、舞台となる烏龍院は、本作では娼館の事で、原題の意味は(やっかいなお転婆女子が、娼館で大暴れ!)というような感じのタイトルですので、

ジュディ・リーが娼館で暴れる映画、というカンフー映画にしては、ちょっと微妙なイメージを煽るタイトルとなっています。

それにしても、古い年代のカンフー映画、何故かサモ・ハン作品のようなメジャーな会社で製作された作品でも、

平気で娼館が舞台として頻繁に登場しますが、ちょっとこの辺は時代性もあるとは思いますが、文化の違いを感じるシーンで、

特にサービスカットがあるわけでもないのに、何故か普通に、そういう場所が登場したりします。

しかも、どの作品も、物語上、特にその場所でないと成り立たない、という事はほとんどありませんので、ちょっと理解しにくい部分ですね。

普通、売り出し中の女性カンフースターの作品で、コメディ色が極めて強い誰でも鑑賞できるような作品で、

舞台を娼館に設定する、というのは、今では一番遠ざけたいようなイメージだと思うのですが、、、。

という事で、多少時代性を感じはしますが、ジュディ・リーの相変わらずの痛快ぶりが堪能できる作品となっていますので、

香港映画好きの方や、カンフー映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

1974年製作 台湾製作 カンフーアクション

監督 ヤン・チンチェン

出演 ジュディ・リー、バリー・チャン、チェン・フーホン、イー・ホン

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