【未公開カンフー映画】至尊威龍(一對活寶足包天下/一對活寶闖天下A WILY MATCH/FOUR HANDS OF DEATH/4 HANDS OF DEATH)

投稿者: | 2023年2月25日

おすすめ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆

(ゴッドギャンブラー)で悪役としてブレイクしたロン・フォンが、スマートな若き日に主演した、ロー・ウェイ製作の痛快コメディカンフー作品!!

作品紹介

今回ご紹介する作品は、(ゴッドギャンブラー)の粘着質な悪役が印象的だったロン・フォンの若き時代のカンフー作品です。

それでは、まずはあらすじから、

街の暴れん坊チャッカンは、ある街の腕自慢大会に優勝し、美女との結婚の権利を手に入れるが、そんな気の無いチャッカンはその場を後にする。

急ぎ逃げ込んだ邸宅朱家では、裕福な家庭の息子ポーの世話に手を焼いていて、雇う家庭教師に何度も逃げられていた。

そこで偶然出会ったチャッカンを息子の家庭教師として雇うと、意外にも意気投合し、上手くいき始める。

しかし、その頃、街を荒らす強盗団の次の標的に朱家が狙われ、息子の誘拐計画を実行に移そうとしていた!?

(ゴッドギャンブラー)で香港映画史に刻まれるほどの厭な悪役でブレイクし、その後似た様な粘着質な悪役を演じ続けたロン・フォンが、

ほっそりとした若き日に主演したコメディカンフーアクションです。

若きロン・フォン
ブレイク時のロン・フォン

印象がかなり違いますので、知っていないと同一人物とは思えないぐらいに、ビリー・チョンコナン・リーのようなジャッキーフォロワーイメージ時代の主演作品となります。

それまでにも、(セイントスティック 怒りの聖拳!)(詳しくはこちら)等の多くのカンフーアクション作品で、

悪役系の端役でチラチラと登場していましたが、本作ではついに当時流行りのコメディカンフーアクションヒーロー役で主演しています。

共演は、こちらも(クレージーモンキー笑拳)や、(真説モンキーカンフー)(詳しくはこちら)等の多くの作品で、

大柄な体格を活かしたちょっと目立つ端役を多く演じていたチェン・フーホン

物凄く愛嬌のあるチェン・フーホン

悪役などを多く演じていましたが、完全な悪人役は逆に少なく、コメディカンフー作品の愛嬌のある悪党、という作品の盛り上げ役として活躍していました。

そんな端役や悪役での出演が多かった二人がコンビを組んで悪党に立ち向かうカンフー映画の王道作品となっています。

そこに(拳精)でジャッキーにおちょくられて泣かされていたモウ・マンサウがヒロインとして登場し、

モウ・マンサウ

お父さん役でチェン・ウェイロー、先生役でウェイ・ピンアオ、ズッコケカンフー家庭教師役で、お馴染み名脇役のウー・マ、易者と思いきや実はズッコケ誘拐犯役でリー・クン

という感じで、ロー・ウェイ製作のカンフー映画お馴染みの顔ぶれが、作品を彩ります。

チェン・ウェイロー
ウェイ・ピンアオ
ウー・マ
リー・クン

そんな王道コメディカンフー作品を監督したのは、ドニー・イェンの比較的マイナー作(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 外伝 アイアンモンキーグレート)の監督で、

龍拳)や(クレージーモンキー笑拳)、(奇蹟ミラクル)、(プロジェクトA)等の有名作品の副監督を務めた経験豊富なリチャード・チュウ(チュウ・ロコン)が担当し、

製作は色々とありますが、カンフー映画界では大物な、ロー・ウェイ、という事で、もしかすると第二のジャッキーとして売り出すつもりがあったかもしれないロン・フォンの主演作品となっています。

アクションも真似ます、、

それと、作品として結構力が入っていたのか、本作冒頭と、後半に合計2回、人気歌手ワン・クォンが熱唱する主題歌が流れる、

というカンフー映画では異例の主題曲とのタイアップまで果たしています。

売れたのでしょうか、、、?

ワン・クォン

という感じで、意外に力の入っている本作の物語は、暴れ者のロン・フォンが、色んな所で騒動を起こしながらカンフーを披露しつつ、

何回目かの騒動で、参加した腕自慢大会に優勝してみたら、その大会は実は、ある女性の結婚相手を決める大会で、

その気の無いロン・フォンは逃げ出して、女子が『待ちなさいっ!』と追いかける、というカンフー映画の王道展開、【逃げる男子に追う女子】から本題に入っていきます。

逆のパターンはほとんど無いですね、、。

『待ちなさいっ!』

で、この女子から逃げる理由が本作の一つのポイントとなっているのですが、始めは美女との結婚という事で、

ロン・フォンもまんざらではない、といった雰囲気だったのですが、その美女の足元を見ると「纏足」を施された女性で、

それを嫌って逃げ出す、という展開になっています。

この日本では馴染みのない「纏足」(てんそく)は、中国に古くから伝わる風習で、幼少期に親指以外の足の指を縛り付けられて、

わざと成長を止めて足のサイズを無理矢理小さくするように施術された女性特有の風習で、「纏足」を施された女性は、

勿論歩行が困難ですので、歩き方が特徴的で、その姿が美しいとされ、さらにその痛みに耐えきって成人となった、という意思の強さも賞賛されたそうです。

ただ、外見上の容姿は足のサイズが小さい、というだけのように見えますが、実際この「纏足」を施された女性は、

足を無理矢理変形させていますので、足は傷だらけで、ボロボロになり、血や汗、膿等が常に出ていたようなので、

それなりに嗅覚に刺激を与えていたようで、その刺激がまた美徳とされていたようです。

びっくりするような風習ではありますが、本作の中盤に登場する家庭教師役のウェイ・ピンアオが、チェン・フーホンに(水滸伝)や(金瓶梅)に登場する美女キャラクター藩金蓮について教えるシーンがあります。

その藩金蓮「纏足」で有名で、そのまま金蓮という言葉自体が、一般的に美女の事を現すという事をチェン・フーホンに教え、

ついでに匂いが香しくて、たまらん、という動作まで示してくれます。

ただ、主人公よりも古い先生世代の人たちには、それを美徳とされたようですが、主人公達のような若い世代ではそれを毛嫌いしている、

という事で、ロン・フォンは逃げ出す事になります。

スタコラさっさ!

で、一方ある街に住む富豪朱家では、年老いた夫婦が、暴れん坊のドラ息子に手を焼いていて、雇う家庭教師が次々に息子に投げ飛ばされて辞めていく、

という事態に困り果てています。

チェン・フーホンinドラ息子カンフー

そんなところに偶然女子から逃げてきたロン・フォンが逃げ込み、なんとなくの流れで、家庭教師に収まることになります。

カンフーが強いので。

で、そんな中、「纏足」の女子、モウ・マンサウが現れ、易者にロン・フォンの行方などを占ってもらったりしますが、

時を同じくして街を賑わす強盗団が次の標的として朱家の家宝である玉観音に狙いを定めます。

隠密行動をするつもりが全くない派手好きな強盗団のボス

で、その隠し場所が分からないので、手っ取り早くドラ息子を誘拐して、息子と交換で要求すれば良いという事で、息子の誘拐計画も進んでいきます。

なかなかの急展開です。

易者を演じているのがリー・クンですので、実は易者は誘拐ビジネスの犯罪者だった、という事で、モウ・マンサウはあっさりと捕まってズタ袋に入れられてしまいます。

で、グイッとロープで足を縛られて逆さ釣りにされたところで、調度向かいの家屋で何故か逆立ちしていたチェン・フーホンと目線が合、、、、

、、、うのではなく、チェン・フーホンモウ・マンサウ「纏足」に目が行き、その瞬間、先生に教えてもらった美女のイメージと結びつき、

肥『見つけたっ!!!

という事で、

逃げる男子を追う女子、、、、を追う太めの男子、

というドタバタ展開に突入していきます。

逃げる男子を追う女子を追う太目の男子

なかなかの面白展開ではありますが、ちょっと展開が混雑してしまって、

盗賊団の幹部が朱家に親戚に化けて潜入してまで、丁寧に進めていたドラ息子誘拐計画はなんとなく成功せずに、

どうなるのかと思っていたら、別日に、実際に誘拐計画が成功されるシーンが描かれる事なく、いつの間にか誘拐は成功していたり、

易者リー・クンは結局盗賊団の仲間なのかどうかもはっきりと描かれませんので、

似た様な誘拐話が狭い範囲で同時に2件進んでいる、

という繋がりがありそうで無さそうな、でも大事なシーンが描かれていない(カットされている?)だけで、

観ている側の想像力の補足で、なんとか一つの物語になりそうな、ある意味ロー・ウェイ作品にありがちな、ちょっと残念な面もある作品となっています。

アクション面では、ロン・フォンが他のカンフー作品で武術指導として参加している作品もあったりしますが、

超絶アクションとか、身体能力がズバ抜けている、というタイプではなく、体育の成績が10段階で7か8ぐらいの成績っぽいアクションで、

どちらかというと受け身的なアクションが中心となっています。

流石に作中に登場する他のキャラクターよりもズバ抜けて強い、という設定はちょっと無理があるようにも見えますが、

若さほとばしるキビキビした動きは堪能できる作品となっていますので、(ゴッドギャンブラー)で不快な思いを抱いた方(そういう役柄ですのでしょうがないのですが)も、

本作でのロン・フォンの痛快カンフーヒーローっぷりをご堪能されてみてはいかがでしょうか。

ハンサムではありますので、結構カッコ良いですよ。

作品情報

1980年製作 香港製作 カンフーアクション

監督 リチャード・チュウ(チュウ・ロコン) 製作 ロー・ウェイ

出演 ジミー・リー(ロン・フォン)、チェン・フーホン、モー・マンサウ、ウー・マ、チェン・ウェイロー、ウェイ・ピンアオ、リー・クン

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