【中国映画】バレット・シティ 狂弾の絆 (恶到必除PUNISH EVIL)85分

投稿者: | 2023年9月10日

おすすめ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆

(導火線フラッシュポイント)等のコリン・チョウが強盗団のリーダー役を演じる香港映画へのリスペクト溢れるデススタントアクション続出のハードクライムアクション!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、コリン・チョウ主演のハードクライムアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

1990年代の中国南部、ジーチアン率いる強盗団は、連続強盗事件を起こし街を荒らしまわっていた。

公安の犯罪特捜隊ソンは、チームを率いて捜査を進め、ジーチアン達を追い詰めるが、身内に犠牲者を出してしまうのだった。

そんな中、ジーチアンの弟ジーハオをなんとか逮捕したソン達は、手がかりを掴み決死の作戦を開始する!?

香港映画へのリスペクト香るハードアクション作品です。

監督は、(我不是酒神)等の監督作品のあるジアン・シアトンで、若手ですが、香港風のハードな犯罪アクションをテンポの良いアクションで演出しています。

ジアン・シアトン

強盗団のリーダー役は、(冒険王)(詳しくはこちら)や(霊幻勇士VS黒魔術シャインゴースト)(詳しくはこちら)等1990年代から香港映画界で活躍し、

マトリックス)シリーズや(デッド・オア・アライブ)等のハリウッド作品でも活躍、最近でもジャッキー・チェンジェット・リー共演の(ドラゴンキングダム)や、

ドニー・イェン主演の(導火線フラッシュポイント)等、超絶アクションを駆使したアクション作品で大活躍のコリン・チョウが扮し、物語を牽引していきます。

コリン・チョウ
コリン・チョウ

そして、コリン・チョウの弟役で、こちらも香港から(天使の眼、野獣の街)や(香港国際警察)、(ディバージェンス)等の香港映画作品で活躍しているサミュエル・パンが登場し、

裏の社会から逃れられない悲しい弟役を好演しています。

サミュエル・パン
サミュエル・パン

刑事役には、盗墓ものの最新作(龙棺古墓:西夏狼王)等に出演しているジャオ・ダーが扮し、正義一直線の荒くれ刑事を熱演しています。

ジャオ・ダー

で、コリン・チョウの恋人役で、ワン・チェンイェン主演の(ビッグショット)(詳しくはこちら)等に出演しているジャオ・ハンが登場し、

積極的に強盗団のメンバーとして戦いに参加していきます。

ジャオ・ハン
ジャオ・ハン

という、新旧混合のスタッフ・キャストが結集した本作の物語は、コリン・チョウが率いる強盗団が、強盗を成功させ、

ジャオ・ダー率いる公安チームが決死の捜査を進めるものの、寸前のところで取り逃がしてしまう所から始まります。

基本的には、この強盗団と公安チームの戦いを最初から最後まで描いた作品ですので、物語展開にはシンプルではありますが、

その本筋に、出所したての弟サミュエル・パンコリン・チョウとの犯罪者なりの兄弟愛や、コリン・チョウを想うジャオ・ハンのひた向きな愛等の、強盗団側の人間模様や、

主人公となる刑事を演じるジャオ・ダーの人間ドラマと、師匠となる上司や猪突猛進型の新人との激突等、公安側の人間模様、

それぞれの立場の人間模様を平等にバランス良く描く事で、シンプルな物語展開に深みを与えています。

さらに、コリン・チョウサミュエル・パン等香港映画界の有名俳優をキャスティングしている事からも分かるように、

ハードアクション系の香港映画へのリスペクトが香るデススタントアクションが連続して登場し、後半物語が盛り上がるにつれてハードぶりも加速していきます。

後半のジャオ・ダーコリン・チョウの善と悪のガチンコバトルは、ジャオ・ダーが格闘系のキャストではないために武術アクションという感じではありませんが、

ガチンコ喧嘩系アクションに(導火線フラッシュポイント)等の総合格闘技系のアクションに通じるような締め技や投げ技等が炸裂する、

なかなかの迫力に満ちたラストバトルとなっています。

手錠をメリケンサックのように使う、という熱いシーンあり

さらに、そのラストバトルを繰り広げる場所が、作品の舞台となる1990年代の映画館、という事で、その劇場の壁に(男たちの挽歌)、(ゴッドギャンブラー完結編)、(ハードボイルド)、(チャイニーズオデッセイ)、(フルアラート)、(プロジェクトイーグル

という、その時代に大ヒットしていた香港映画(男たちの挽歌は時代が合いませんが、リバイバル上映の意味だと思われます)の有名作品のポスターが、

何度も何度も映り混む、というリスペクトぶりで、その中に(ショーシャンクの空に)のポスターが一応混ざっている

という当時の香港映画の人気ぶりと製作者のリスペクトぶりが伺えるクライマックスシーンとなっています。

香港映画に対するあからさまなリスペクトぶりが非常に心地よいですが、個人的には、ラストバトル突入直前に、コリン・チョウが刑事ジャオ・ダーに、

コリン『俺は極悪人だ。お前を地獄に落としてやる。』と啖呵を切り、

最終的にバトル後に、ジャオ・ダーが、コリン・チョウに、

ジャオ『おい極悪人、極悪人を一掃するのが、俺たち公安だ。』と啖呵を切り返す姿は、

男たちの挽歌2)等の名作のクライマックスにも通じる、なかなか盛り上がるクライマックスとなっています。

という事で、前半はあっさり目ですが、後半になるにしたがってハードアクションさも、物語的にも盛り上がる香港映画風味の作品となっていますので、

香港映画好き、アクション映画好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

2022年製作 中国製作 犯罪アクション

監督 ジアン・シアトン

出演 コリン・チョウ、ジャオ・ダー、サミュエル・パン、ジャオ・ハン

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