【レア作品!カンフー映画】電光!飛竜拳(七省拳王THE MANCHU BOXER)83分

投稿者: | 2023年10月21日

おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

ウー・マが監督・出演、サモ・ハンキンポーが武術指導・出演し、(ドラゴンへの道)等のトニー・リュウが主演したゴールデン・ハーベスト製作のカンフーアクション!!

作品紹介

1974年7月25日公開

今回ご紹介する作品は、(ドラゴン危機一髪)のトニー・リュウが主演したカンフーアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

悪党マーを決闘で圧倒するものの、不意の反撃で咄嗟に命を奪ってしまったクーは、父親に縁を切られ、天涯孤独となってしまう。

ある日、森で出会った老人に妻と娘への伝言を頼まれたクーは、その家族の住む街へと向かい、そこで働き始める。

しかし、その街では武術大会が開かれる予定で、大会での優勝を目論む悪党チンがライバルとなる武術家を闇で襲う、という事件が頻発していたのだった!?

トニー・リュウ主演、ウー・マ監督によるカンフーアクション作品です。

監督と冒頭で出演も果たしているのは、(チャイニーズゴーストストーリー)のイン道士役や、(酔八仙拳)(詳しくはこちら)、

幻影拳ザ・マジックカンフー)(詳しくはこちら)等のウー・マで、監督もこなしながら、珍しく悪役もこなしています。

ウー・マ
ウー・マ

主演は、(燃えよドラゴン)や、(少林寺列伝)、(スー・チーinヴィジブルシークレット)等のトニー・リュウで、

誤りから改心し、他人のために、自身を犠牲にする心優しいヒーローを演じています。

トニー・リュウ
トニー・リュウ

トニー・リュウの最新作は、(キョンシー)のジュノ・マック監督、レオン・カーファイ、金城武、ラウ・チンワン、ルイス・クー共演の(風林火山)という作品に出演しているようで、

物凄く豪華なスタッフ・キャストの作品ですので、今から期待できそうです。

(風林火山)より
(風林火山)より

ヒロイン役は、ティ・ロン主演の(カンフーエンペラー)(詳しくはこちら)や、フォン・チェン、ユエン・シャオティエン共演の(老頭拳頭大饅頭)等に出演してるタオ・ミンミンで、

健気な幸薄系のヒロインを好演しています。

タオ・ミンミン
タオ・ミンミン

で、悪党の日本人部下を演じているのは、武術指導としても参加している若きサモ・ハンキンポーで、

同時期にはアンジェラ・マオ主演の(ザ・トーナメント)や、(暗黒街のドラゴン電撃ストーナー)等、

ゴールデンハーベスト作品で、武術指導と出演を兼任した作品が増えてきている時期で、その後の対活躍に繋がるような重要な時期に製作された作品となっています。

サモ・ハンキンポー
サモ・ハンキンポー

で、もう一人の相棒となる悪党日本人役で、こちらもその後(斗え!デブゴン)(詳しくはこちら)や、(カンフートレジャー龍虎少林拳)(詳しくはこちら)等、

多くの作品で、出演者、監督、武術指導家として活躍していくトン・ワイセンが登場し、主人公を追い詰めていきます。

トン・ワイセン
トン・ワイセン

で、大ボス役で、(少林寺の復讐)(詳しくはこちら)や、(少林醉八拳)(詳しくはこちら)等の韓国系キャストが登場する作品で活躍しているキム・キジュが出演し、

自身が大会で優勝するために計略を張り巡らしていきます。

キム・キジュ
キム・キジュ

で、中盤、主人公と友情を交わす拳士役で、ジャッキー・チェンの(少林門)や(飛龍神拳)、(龍拳)等に出演しているカオ・チャンが登場し、

悪党退治に命の炎を燃やす正義の拳士を好演しています。

カオ・チャン
カオ・チャン

そんなスタッフ・キャストが集結した本作の物語は、珍しく悪人を自ら演じているウー・マと主人公の青年トニー・リュウが決闘しているシーンから始まります。

トニー・リュウはカンフーの達人で、冒頭で少しですが、厳しい鍛錬シーンも挿入されますので、相当の使い手のようで、

勿論ウー・マを100%圧倒してしまいます。

で、勝負は着いたと背中を向け立ち去ろうとするトニーに、背後からウー・マが襲い掛かって、咄嗟の反撃の鉄拳を喰らったウー・マはそのまま絶命してしまいます。

で、不意を突かれたとは言え、人を殺めてしまったトニーは開始早々に父親に縁を切られて、一人あてのない旅に出る事になります。

で、旅を開始早々に森である老人に命を狙われますが、老人は病気のようで、そのまま倒れてしまいます。

で、善人過ぎるトニーは自身の命を狙った老人を解放し、老人は、自身のちょっとした身の上話をした後、トニーに妻と娘への伝言を頼み絶命してしまいます。

で、自分を襲った老人に義理はありませんが、トニーは善人過ぎますので、そのままその老人の娘であるタオ・ミンミンの住む街へとやってきて、その場所が本作のメイン舞台となっていきます。

盗賊からの、、、
胸さすり(さすられ)

冒頭のウー・マとの決闘から、父親に勘当、旅に出て老人に襲われ、メインの舞台になる街へやってくるまでで上映開始から12分という速足展開で、

トニーの人となり等は、あまり描かれず、自身の命を狙った知らない老人の娘に、伝言を届ける、という善人ぶりにだけスポットがあたりますが、

メインとなる街で、その善人ぶりは、さらに加速していきます。

早速老人の娘であるタオ・ミンミンに老人の死を知らせますが、家を飛び出して10年ぶりの父親の知らせが死の知らせ、という事で、

酷く落ち込んだタオ・ミンミンを少しでも励ますためか、トニーは老人に生前大変恩を受けて、さらに大金の借金があるので、働いて帰す、という善意の嘘をついてしまいます。

出会会ったばかりで良く知らないタオ・ミンミンとその母親のために昼は建築現場で働き、夜はそのまま他の場所で働く、という

嘘の借金を返すために、嘘みたいな善意で無償で働き、受けていない恩を返していきます。

で、その地区では七省拳王という武術大会が開催される予定で、その優勝者は大変な名誉が得られるという事で、各省から競合が集まっている、という状況になっています。

しかし、トニーは拳の道は封印していますので、そんな大会にには、勿論出場するつもりもなく、街で喧嘩になっても非暴力主義を貫きます。

そこで、その大会にどうしても優勝したい悪党キム・キジュと、雇われた日本人役のサモ・ハントン・ワイセンのコンビが、

出場者を次々と陰で抹殺していく、という姑息な手段を使ってじりじりと悪事を重ねていきます。

で、そんな状況で、カオ・チャン演じる正義の拳士と同じ建築現場で出会ったトニーが友情を深めていきますが、

カオ・チャンは、ある出来事が原因で、キム・キジュの屋敷に殴り込みをかけることになり、、、、

という流れで、最終的にトニーが封じていた電光飛竜拳を炸裂させる時がやってくる、というのが大筋となっています。

トニー・リターンズ(ダニエル・ウーに似てますね)

ストーリーとしては、この時期に多く観られた虐げられた者が、我慢に我慢を重ねて、やがて怒りを爆発させる、という定番のストーリーで、

そこに武術トーナメントや日本人が絡んで、最終的に中国人の誇りのためにも立ち上がる、というこちらも定番の設定で、ストーリーもほとんど予測通りに進みます。

勿論、ブルース・リーの(ドラゴン危機一髪)が1971年製作、(ドラゴン怒りの鉄拳)が1972年製作、という事で、

本作が製作られた1973年は、ゴールデンハーベスト社の中でも、恐らく、同じような内容で、同じようにビッグスターを生み出したかったと思われる時代の作品ですので、

トニーは、極端に善人ですし、極端に暴力を我慢します、しまいには、無償で働いて、全ての生活費を渡している他人に、

臆病者で、卑怯者と罵られる始末で、我慢に我慢を重ねる展開も少々極端な表現となっています。

恐らく、ブルース・リーのような神々しい個性が劣るトニー・リュウでは、それぐらいの周りの環境を作らないと、クライマックスバトルが盛り上がらない、

というような判断があったのではないでしょうか。

いよいよ主人公が戦う、という展開でも、散々煽っていた武術大会は、ジャンプの打ち切り漫画の最終回のように駆け足で、

主人公も色んな競合を相手にするのではなく、散々大会が繰り広げられた後に最終的に勝ち残っていたトン・ワイセンとだけ激闘を展開します。

その後本当のラスボスであるキム・キジュは、一旦逃げた上で、後日、森で帰宅中に兄妹で襲ってこられる、というパッとしないラストバトルで、

タイトルになっている【七省拳王】という武術大会はいったい何だったんだ?という、色々と極端な描写の目立つ作品となっています。

それほど、ブルース・リーが偉大だった、という事でしょうか。

ただ、トニー・リュウのハンサム且つ安定感のある立ち姿は、見栄えがしてカッコ良く、手を振り回しながら繰り広げるアクションは、

勿論ブルース・リーと比べる物ではありませんが、こちらはこちらで、割と痛快なアクションで、この時期のカンフーアクションヒーローとして魅力を十分に発揮しています。

という事で、ストーリーは王道で、派手さもありませんが、この時期のしっかりとしたアクションが楽しめる作品となっていますので、

カンフー映画好きの方や、香港映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

1973年製作 香港製作 カンフーアクション

監督 ウー・マ 副監督 タイ・ポー 製作 レイモンド・チョウ 武術指導 サモ・ハンキンポー

出演 トニー・リュウ、ウー・マ、サモ・ハンキンポー、トン・ワイセン、タオ・ミンミン、キム・キジュ、カオ・チャン

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