【香港映画】幻影拳 ザ・マジック・カンフー (馬戯小子/马戏小子CIRCUS KIDS)90分

投稿者: | 2023年10月18日

おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

ユン・ピョウ、ドニー・イェン、ロー・ワイコン、ベイ・ローガンが激突する1940年代が舞台のアクションドラマ!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、ユン・ピョウドニー・イェンが夢の競演を果たしたカンフーアクションドラマです。

それでは、まずはあらすじから、

1940年代の中国。シェン師匠率いるサーカス団は、大人気で、常に大入り満員だったが、公演中に日本軍の空襲に合い、テントは焼かれて途方に暮れてしまうのだった。

そして、サーカス団再興を誓った団員たちは、広州に向かい、そこにある工場で働き始めるが、そこは実はアヘンの精製工場で、

警察隊長のタンも、シンジケートを摘発するために捜査を進めていたのだった。

そして、ついに、アヘンによって団員に犠牲者が出た時、タンと団員トンは、闇組織相手に戦いを挑む事を決意する!?

ユン・ピョウドニー・イェン、夢の共演のアクション作品です。

監督と出演を兼ねているのは、ジョイ・ウォン主演の(幽女伝説)(詳しくはこちら)や、ユン・ピョウ主演の(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝鬼脚)(詳しくはこちら

等を監督していた時期のウー・マで、いつものような香港映画らしい流行りに応じたアクションドラマを演出しています。

ウー・マ
ウー・マ

で、主人公に近いのサーカス団員役で、(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝鬼脚)や、(死角都市香港)、(香港麻薬捜査官)等に出演していた時期のユン・ピョウが登場し、

微妙に主人公であって、そうではないような役柄ですが、華麗なアクションを披露しています。

ユン・ピョウ
ユン・ピョウ

で、そのライバル的な位置の警察隊隊長役で、(レディファイター詠春拳伝説)(詳しくはこちら)や、

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ天地雷鳴)等に出演していた時期のドニー・イェンが登場し、

主人公達を追い詰める警察側にいながらも、正義感の強い隊長役を演じています。

ドニー・イェン
ドニー・イェン

で、ウー・マの娘役で、チョウ・ユンファ主演の(地下情)や、アンディ・ラウ共演の(餓狼烈伝)等に出演しているアイリーン・ワンが登場し、

お飾り的なヒロインかと思いきや、アクションシーンでカンフーを披露する(ほとんどスタントマンですが)アクションヒロインを演じています。

アイリーン・ワン
アイリーン・ワン

で、割とドラマ部分の見せ場を担っていく兄弟子役を演じているのが、(プロジェクトA2)や(サイクロンZ)、(チャイニーズファイター天空伝説)等のラム・ウェイで、

いつもは悪人役が多いですが、本作では生粋の善人な上に、かなりの悲劇的な役柄を演じています。

ラム・ウェイ
ラム・ウェイ

で、犯罪組織のボス役で、その年に(醉拳2)でジャッキーと激闘を演じたばかりのロー・ワイコンで、本作でも、

まるで(醉拳2)からそのまま抜け出てきたような同じ動きをするキャラクターを演じています。

ロー・ワイコン
ロー・ワイコン

で、悪党側の一員で、実際にキレのある動きを見せる可憐なレディ・ドラゴン役で、リリー・リーが登場します。

リリー・リー

で、このリリー・リージャッキー・チェンの(ヤングマスター師弟出馬)や(少林寺破戒大師伝説)等の名作カンフー映画に出演しているレジェンドのリリー・リー(李麗麗)ではなく、

黒豹天下ブラックパンサー)(詳しくはこちら)や、本作の翌年に再びドニー・イェンと共演した(ドラゴン電光石火‘98)、

スー・チーin愛慾)等に出演しているリリー・リー(李莉莉)で、キレのあるアクションを披露しています。

因みにDVDの表記にはキャストの表記や、ディク内のキャスト解説で(ヤングマスター師弟出馬)と完全に人違いされているため、

恐らく、そのままの情報を信じた日本のデータベースサイトでも本作出演のリリー・リーが1970年代のカンフー映画でも活躍しているようになっていますが、全て誤りですのでご注意ください。

日本盤DVDの裏表紙
DVDの特典映像内のキャスト表記

本作に出演しているのは李莉莉で、李麗麗ではありません。

リリー・リー(李莉莉
リリー・リー(李麗麗)

この作品DVD販売元が間違っているのは、流石にキツイですね、、、。

もっと言うと、この同じメーカーからリリー・リー(李麗麗)の方が出演している(少林寺破戒大師伝説)も同時期にリリースされていますので、間違いに気づいても良さそうなのですが、、。

(少林寺破戒大師伝説)より

で、サーカス団の一員で、子供達を率いているような役目を担っているウー・マの娘役で、(クリミナルアフェア魔警)や(激戦ハート・オブ・ファイト)等のダンテ・ラム作品で、

活躍しているウー・インマンが、明るい役柄で、コメディ色を強くしていきます。

ウー・インマン
ウー・インマン

で、ロー・ワイコンのさらに上のボス役で(ツインズエフェクト)や(ジェネックスコップ)、(ドラゴンスクワッド)等のベイ・ローガンが登場し、

主にドニー・イェンと激闘を繰り広げていきます。

ベイ・ローガン
ベイ・ローガン

というスタッフ・キャストで製作された本作の物語は、1940年代、戦時下の中国で、ウー・マが経営するサーカス団が、多くの観客の前で超絶芸を披露するシーンから始まります。

いきなりですが、この本物の芸人の人たちによる超絶芸の合間にユン・ピョウ等団員役キャストのアップの表情が分かり易く入る、

というちょっと微妙なシーンが結構長めに続きます。

明らかに別人の本物の芸の後に
ユン・ピョウのアップが分かり易く入ります

で、本作、この明らかなスタントダブルとの入れ替わりが、どういうわけか他の作品ではありえないぐらいにはっきりと分かってしまう切り替わり方で、

アイリーン・ワン等の非アクション系のキャストが、本物と入れ替わるのはしょうがないですが、ユン・ピョウのような超絶カンフーアクションの使い手が、

カンフーアクションシーンでも、雑に本物と入れ変わる姿を見せられるのは、結構作品への感情移入を削がれてしまいます。

で、結構な時間が流れた後、突然、その時はやってきます。

公演の真っ最中に、まさかの日本軍の空襲が始まり、サーカスの巨大テントは大爆発、その辺も焼け野原になり、

いきなり結構なメンバーが犠牲に、、、、、、、

、、、、なるわけではなく、大規模な空襲の割には、恐らくほとんど(もしかすると全員)無傷でしたので、

テントだけが無くなって、主要メンバーは全員元気に路頭に迷う、という状況だけが出来上がります。

で、とりあえず、その土地にいても生活できないので、定期船にサーカス芸を使って無賃乗車し、船で移動し、広州へとやって来る事になります。

で、ここで再びサーカス団興業を復活させるため、まずは仕事を探しから始めますが、治安も良くないようで、

結果的に警察の締め付けも激しく、その警察隊の隊長のドニーと速攻で火花を散らす事になります。

二人の共演シーンが少ないのは残念、、、。

で、実は、その地区では、ドニーの上司である悪徳警官が、外国人と結託してアヘンの精製上場を経営していて、

その闇が市民にも広がっている、という(ワンス・アポン・ア・タイム・インチャイナ)系の作品で、何度も何度も観たような状況がここでも蔓延していて、

お金を稼ぐために必死なラム・ウェイ等が、そのアヘンの新商品の人体実験に利用されて身も心もボロボロになってしまう、という悲劇的な展開へと突入していきます。

ラム・ウェイはピエロのようにおどけたり、他人の犠牲になったり、と善人を好演

で、そのベイ・ローガン、ロー・ワイコン、リリー・リー率いる悪の組織を倒すために、正義のユン・ピョウと途中参加のドニー・イェン

そしてウー・マ、アイリーン・ワン、ウー・インマン、と子供達まで参加して悪党一味と激闘を繰り広げて行く事になります。

珍しいのは、この全員対全員というバトル展開で、結局は武術系スターがメインになってはいきますが、

アイリーン・ワンウー・マまでがラストバトルに参加して、それほど悲劇的な展開にもならない、というクライマックスになっていきます。

大概は1対1か、2対2、2対1ぐらいがほとんどですので、(少林寺)のような全員武僧ぐらいのキャラクター設定の大乱闘以外で、

ドラマ要員でキャスティングされている登場人物まで、全員カンフーで戦う、というのはなかなか無い展開ではないでしょうか。

ただ、やはりここでも、かなりスタントマンが活躍していますが、、。

で、アクションとしては、やはり中盤で繰り広げられるユン・ピョウドニー・イェンのバトル(このシーンもほとんどスタントマンのような気がしますが、、、)と、

要所で結構入るレディドラゴン、リリー・リーによる超絶アクション、

そしてクライマックスのロー・ワイコンユン・ピョウの(醉拳2)を意識しつつも、ユン・ピョウのサーカス団で使用していた両腕に仕込んだ長いゴムロープを使用しての、

びょんびょん飛び跳ねる独特のアクション(恐らくこれが幻影拳マジックカンフーだと思われます)が、素晴らしく、

他のシーン同様にスタントマンとの入れ替わりも多用してはいますが、それでも、本人が演じているシーンも多いので、他では観れないような名勝負となっています。

で、お助けマン的な登場ではりますが、ドニー・イェンベイ・ローガンと繰り広げるアクションも素晴らしく、

こちらもスタントマンが目立ちますが、ドニーの特徴的なアクションもしっかりと披露されていますので、

中盤以降のアクションは十分楽しめるシーンの連続となっています。

という感じで、スタントマン多用はあっても、アクション的には見所が多いのですが、本作、基本となるドラマが割と雑で、

ユン・ピョウはメンバーから離れたと思ったら帰って来て、出ていく事を決意して身支度を整えては、出るのをやめ、

という感じで、一応の主人公が本筋から、やたらと離脱したがります。

で、離れて叔父の世話になろうと叔父の家を訪ねたら、事件に巻き込まれた上に誰か知らない人の脱獄を手伝わされて、お尋ね者扱いになる、、、、

割には、その後普通にサーカス団に合流する、という展開しそうで、やっぱりしない、という状況が凝り返されます。

結局、誰を、何の目的で、脱獄させてしまったのか?さえ最後まで分からないので、物凄く意味ありげな、ただの寄り道、となってしまっています。

というブレる寄り道を、行ったり来たりしているうちに、いつの間にか悪党組織とのラストバトルへと突入していく事になりますので、

脇役のラム・ウェイのドラマが途中まで詳細に描かれていただけに、最終的になんとなく、めでたしめでたし、

となってしまう展開が、逆に残念な内容となっています。

ハッピーエンドではあるのですが、、、。

という事で、ドラマ部分は少々残念ですが、アクションに関しては、大活躍しすぎるスタントマンを差し引いても、

十分楽しめる要素はありますので、香港映画好きの方や、カンフー映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

1994年製作 香港製作 カンフーアクション

監督 ウー・マ

出演 ユン・ピョウ、ドニー・イェン、アイリーン・ワン、ラム・ウェイ、ウー・マ、ロー・ワイコン、ベイ・ローガン

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