2年前、行方不明になった学生たちが撮影した卒業制作の映画を観てみたら、森で秘密の儀式に巻き込まれていた話(THE GLENARMA TAPES)78分

投稿者: | 2024年4月28日

おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

奇をてらった邦題がネタバレで、本題に入るまでに38分かかる、全体で78分のPOVホラー!!でも、長い!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、アイルランド版(ブレアウィッチ・プロジェクト)とも言えるPOVホラー作品です。

それでは、まずはあらすじから、

アイルランド北部のグレナームの森で、美術大学の学生5人と同じ大学の教授数名が消息を絶った。

事件後に発見された行方不明者の学生ジミーが卒業制作のために撮影したテープには、同じく行方不明者の友人ゴーディの日常が撮影されていたが、

その中に、行方不明者の身に起きた事件の真実が記録されていたのだった!?

監督・脚本は、監督作としては本作が初のようですが、俳優として(バンド・オブ・ブラザーズ)や(ジャスティス)等に出演している

トニー・デブリンで、既視感漂うPOVドラマを演出しています。

トニー・デブリン

主演の大学生役には、ドラマシリーズ(HOPE STREET)等のウォーレン・マクックが扮し、普通の大学生 の日常を演じています。

ウォーレン・マクック
ウォーレン・マクック

で、親友のカメラマン役で、ドラマシリーズ(BLUE LIGHTS)等のライアン・アーリーが登場し、出演シーンは少な目ですが、森の中で事件に遭遇します。

本作のライアン・アーリー
ライアン・アーリー

で、森での撮影に参加する親友役で、フレッシュなソフィー・ヒルが登場し、元ガールスカウトの知識も披露していきます。

本作のソフィー・ヒル

で、その親友役で、(BEHIND THE VEIL)やドラマシリーズ(FAIR CIT)等のエミリー・レイミーが登場し、陽気な女子を好演しています。

本作のエミリー・レイミー
エミリー・レイミー

そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、まずはアイルランド北部のグレナームの森で、美術大学の学生5人と同じ大学の講師数名が突然消息を絶った、

という衝撃的な事件のドキュメンタリー番組が放送されている、という、ていで始まります。

で、なんらかの騒動があったようで、現場の森には火が放たれ、大規模な火災となりながらも、行方不明者のうちの一人が奇跡的に発見されて今現在入院中という状況になっています。

というところで時間は遡り、本作の主人公である美術大学生ウォーレン・マクックの級友であるライアン・アーリーが、

普通の大学生であるウォーレンの日常生活を撮影する、という良く分からないドキュメンタリーを、映画課の卒業制作として撮影しているシーンから本題に入って行きます。

若干ややこしいですが、冒頭は事件全体を捉えたプロが製作したドキュメンタリー番組で、この大学生が出演しているシーンからは、

学生であるライアンが撮影した素人動画という事になります。

で、そこからがPOV撮影になるのですが、この映像自体は、怪奇現象等を追いかける意図のない、普通の大学生の日常を撮影した映像ですので、

当然、まずはウォーレンの普通の日常が描かれていきます。

POV作品の弱点とも言える、本題に入るまでの日常シーンですが、心霊を自ら追うような内容の作品での場合は、

後に登場する恐怖映像の前振りとして、色々と恐怖感を煽ってみたり、等の演出も可能ですが、本作のように別の理由で撮影していた映像が、

意図に反して恐怖を感じる何かが映ってしまったタイプの作品では、前振りをする事もできませんので、

恐怖映像を観たくて鑑賞している人を、なんとか飽きさせないように本題まで引っ張る事が重要だと思われます。

で、本作の場合、前半に本題とは真逆の要素を描けば描くほど、後半の本題とのギャップで恐怖を演出できる、という選択を取ったようで、

結果、恐怖のきの字も無い、大学生の日常が、、、、

まさかの、38分間も描かれます。

全体で78分しかない作品ですので、ほぼ前半半分を、特に物語に関係のない大学生の日常を観る事になります。

しかも、その日常が、親友の事をバカにした悪そうなやつに、いきなりキレて殴りかかったり、

映画課の授業で、(ロミオとジュリエット)に関して独特な意見を言ってみたり、

生徒指導か教頭先生みたいな先生に呼び出されて怒られたり、

常にフードを被ってナイーヴな感じを醸し出したり(実際そうでもないです)、という感じで、まるで思春期・反抗期の高校生のような日常で、

38分間観、興味を惹き続けるような日常ではありません。

飽きます

で、そんなナイーヴ風のウォーレンが、ふとした事から、普段から良く怒られている先生同士が、どうも不倫関係にあるらしい、

と思えるやり取りを目撃し、2人がグレナームの森で、密会に出かける約束をしている会話を記録してしまいます。

で、日頃の恨みを晴らすべく、立ち上がったウォーレンライアン、そして女友達であるソフィーエミリーも誘って、

不倫現場の証拠映像をゲットしようと出かける事になります。

で、道中ふざけあいながら酒をラッパ飲み、現地に着いてからも、ガソリンスタンドのレンタルサイクルをパクったり等の軽犯罪を犯しつつ、

不倫現場とされている森に到着します。

で、隠れていると間もなく不倫カップルが姿を現し、後をつけていくと、、、、、

、、、、、という流れが大体の大筋となっています。

サムい邦題の

2年前、行方不明になった学生たちが撮影した卒業制作の映画を観てみたら、森で秘密の儀式に巻き込まれていた話

で、かなりの部分をネタバレしてしまっていて、謎の存在によって恐怖のどん底に落とされる作品ではないという事と、

さらに物語展開から、恐怖の対象が、まさかの毎日顔を合わせる学校の先生、という事で、POV作品の良さである

映ってはいけない、いかがわしい何かが映っているかもしれない

という本家(ブレアウィッチプロジェクト)や(パラノーマルアクティビティ)の売りであった得体の知れない存在に対する恐怖感は、非常に薄い作品となっています。

ただでさえ薄いのに、サムい邦題が、さらに拍車をかけた感じでしょうか。

映画作品は、後に残るので、こんな調子ノリが注目を引きたくて付けたような邦題は止めて欲しいですね、、、。

ただ、完全に儀式、という感じでもないので、その表現もズレてはいるのですが、、。

という事で、(ブレアウィッチプロジェクト)の背筋がゾクっとする恐怖には程遠い作品ではありますが、後半に関してはそれなりにPOV作品にはなっていますので、

ホラー映画好き、POV作品好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

2023年製作 イギリス製作 POVホラー

監督・脚本 トニー・デブリン

出演 ウォーレン・マクック、ソフィー・ヒル、ライアン・アーリー、エミリー・レイミー

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