マッドハイジ(MAD HEIDI)92分

投稿者: | 2023年12月6日

おすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆

世界的名作童話(アルプスの少女ハイジ)を、スイスを舞台にしたグロバイオレンスファンタジーへと改変したB級ながらも、意外としっかりしている異色ファンタジー!!

作品紹介

2023年7月14日公開

今回ご紹介する作品は、名作童話(アルプスの少女ハイジ)の版権切れによって、大胆に作品世界を再構築したファンタジーアクションです。

それでは、まずはあらすじから、

スイスを牛耳るチーズ精製工場の社長で、大統領でもあるマイリは、スイス全土のチーズの流通を自社の製品のみに限定するという圧政を強いていたが、

ある日、自家製のチーズを闇取引していた羊飼いのペーターを捕らえ、見せしめのために公衆の面前で処刑してしまう。

そして、目の前で恋人ペーターを処刑され、さらに家族まで虐殺された少女ハイジは、マイリへの復讐を誓うのだった!?

監督は、これまで短編やドキュメンタリー作品等を発表していたヨハネス・ハートマンサンドロ・クロプフシュタインのコンビ監督で、

二人のイマジネーションが炸裂したような作品世界を創造しています。

ヨハネス・ハートマンとサンドロ・クロプフシュタイン

主演は、(Junction 9)等のアリス・ルーシーで、後半に掛けて大変身していく力強い主人公を熱演しています。

アリス・ルーシー
アリス・ルーシー

そして、宿敵となる大統領役で、(スターシップトゥルーパーズ)や(スリーピーホロウ)等、ハリウッドの有名作品で活躍するキャスパー・ヴェンディーンが登場し、

分かりやすいコメディチックな悪党を好演しています。

キャスパー・ヴァンディーン
キャスパー・ヴァンディーン

で、心優しいお爺ちゃん役で、(パニックトレイン)(詳しくはこちら)や(グラディエーター)等のデヴィッド・スコフィールドが登場し、

渋い雰囲気で、悪党達と激闘を繰り広げていきます。

デヴィッド・スコフィールド
デヴィッド・スコフィールド

で、残念ながらそれほど活躍するシーンはありませんが、続編が製作されるなら恐らく主人公の相棒となりそうなクララ役で、(Letters to Paul Morrissey)等のアルマー・G・サトウが登場し、

今回は悪漢に虐められる役柄を演じています。

アルマー・G・サトウ
アルマー・G・サトウ

というスタッフ・キャストで製作された本作の物語は、大統領でありながら、自身で経営するチーズ精製会社のチーズ以外は流通を禁止する、

という独裁者マイリが牛耳るスイスが舞台となっています。

ある日、アニメでお馴染みのハイジ(のある程度成長した姿)が、恋人であるペーター(黒人青年)と愛を育みつつ、

ペーターが禁止されている自作のチーズを闇取引で売買している事が独裁者軍団に知られ、見せしめとしてハイジの目の前で処刑され、

さらに優しいお爺ちゃんも、家屋ごと吹き飛ばされる、といういきなりの悲劇的な状況から物語は始まります。

で、ハイジ自身も軍団に捕らえられ、そのまま投獄されてしまいます。

この牢獄には、後に相棒となりそうなクララも既に投獄されていて、物凄い体格のボス女囚二人組に徹底的に痛めつけられます。

割とバイオレンスを極めたような痛めつけ方で、ハイジ自身もこの時点では負けん気の強い普通の女性なので、かなりのダメージに、日に日に弱り、

さらに、マイリのチーズ工場で精製されたチーズとチョコレートを主食として強引に食させられ、精神的にも肉体的にも、ほとんどの囚人と同様に弱り果てています。

そんな中、ある出来事によって、ハイジは脱獄の機会を掴みます。

で、クララも一緒に連れて行こうとするとクララは既にチーズジャンキーのようになっていて、逃げ出そうとしないので、とりあえず一人で脱獄します。

で、森を彷徨っていると、大地を守る森の精霊と遭遇し、ハイジの復讐心をくみ取った精霊は、その目的を果たさせるために、、、、、

(死霊館のシスター)のヴァラクのような部下を率いる妖精

まかさの、カンフーを教え込む

という(アルプスの少女)ハイジのイメージから、かなり逸脱した物語展開へと突入していきます。

で、修行を終えたハイジは、そのままマイリの軍団に逆襲を開始していきますが、ある強敵の登場で、再び捕らわれの身となり、

巨大コロシアムでの大勢の観客を前にした、命がけの決闘試合に出場させられる、というのが大体の大筋となっています。

物凄く製作者の趣味趣向が前面に出ている作品ではありますが、これが本当に趣味で製作されたようなふざけ半分の作品ではなく、

悪ふざけはするものの、しっかりと物語や、キャラクター、適度なグロとエロとギャグ、そしてカンフー映画好きだと見て直ぐにわかるような修行シーン等、

ごった煮テイストながらも、多くの人が楽しめるようなバランスでそれぞれの要素が盛り込まれています。

本作、製作費の大部分をクラウドファンディングで調達しているようで、そういう意味では、観客=製作者とも言えますので、

主観と客観のラインを絶妙なバランスで引けたのかもしれません。

ただ、逆に言うと、(アルプスの少女ハイジ)のグログロバイオレンスバージョンを期待して鑑賞した方にとっては、

割とマイルド目なので、若干の消化不良感を感じる内容になっているとも言えそうです。

物語展開は非常にテンポが良く、

ハイジのティーンエイジャー版物語→女囚サスペンスドラマ→カンフー修行篇→グラディエーターアクション、

という感じで飽きさせない展開が続き、最終的には悪党軍団VS虐げられていた民衆軍の群衆アクションで終幕を迎える、

という92分間の作品で、やれることはほとんどやり切っている、と言っても過言ではないぐらいに内容の詰まった作品となっています。

さらに、エンディングでは続編も製作されそうなシーンも登場したりして、今後のシリーズ展開にも期待できそうです。

という事で、日本でも馴染みのあるキャラクターが登場する独特な世界観のバイオレンスファンタジーホラーレディースアクションとなっていますので、

変わった作品が好きな方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

2022年製作 スイス製作 ファンタジーアクション

監督 ヨハンズ・ハートマン、サンドロ・クロプフシュタイン

出演 アリス・ルーシー、キャスパー・ヴェンディーン、デヴィッド・スコフィールド、アルマー・G・サトウ、レベッカ・ダイソン・スミス、ケル・マツェナ

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