ブラッド・チェイサー呪術捜査線(MUTI/THE RITUAL KILLER)

投稿者: | 2023年10月1日

おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

名優モーガン・フリーマンが出演し、緊迫感溢れる物語ながらも、面白くなりそうな多くの要素が、全くかみ合わない、やりたい放題デカ、コール・ハウザーの奔放ぶりがセガール並みに炸裂するサスペンスアクション!!

作品紹介

日本劇場未公開

衛星放送放映題 ブラッド・チェイサー 沈黙の儀式

今回、ご紹介する作品は、モーガン・フリーマンが出演しているサスペンスアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

アメリカ、ミシシッピ州で、子供ばかりを狙い殺害し、遺体の一部を持ち去られるという猟奇殺人が発生した。

担当となった刑事ボイドは、自身の娘も過去に亡くし、犯人逮捕に執念を燃やしていた。

犯行現場には、何かの儀式を行った形跡があったため、その分野の権威であるマックルズ教授の下を訪ねると、

その儀式は、アフリカに古くから伝わる【ムーティ】と言われる儀式が絡んでいることが分かるのだった!?

コール・ハウザー主演、モーガン・フリーマン共演のサスペンスアクション作品です。

監督は、(ミッドナイトラン)の脚本家で、近年は、本作のモーガン・フリーマンジョン・トラボルタが共演した(ポイズンローズ)や、

ビー・ローズ主演の(ヴァンキッシュ)、ロバート・デ・ニーロ主演の(カムバック・トゥ・ハリウッド!!)(詳しくはこちら

等、大物ハリウッドスター出演の低予算作品の監督として活躍しているジョージ・ギャロで、本作でもモーガン・フリーマンを準主役に迎えて緊迫のサスペンスを演出しています。

ジョージ・ギャロ

主役の過去にトラウマを持つ刑事役には、(デッドドロップ)(詳しくはこちら)や(ドラッグチェイサー)(詳しくはこちら)、

エンド・オブ・ホワイトハウス)等のアクション作品で活躍しているコール・ハウザーで、

妻子の幻影に悩まされながら犯人を追い詰めていきます。

コール・ハウザー
コール・ハウザー

で、本作の一番のセールスポイントである呪術に詳しい教授役で、(グランドイリュージョン)や(ダニー・ザ・ドッグ)、

コレクター)(詳しくはこちら)等のモーガン・フリーマンが登場し、作品の世界観を掘り下げています。

モーガン・フリーマン
モーガン・フリーマン

そして、出番は少な目ですが、コール・ハウザーの上司役で、(ジョン・ウィックチャプター2)や、(アルマゲドン)、(ファーゴ)、(タキシード)等、

多くの有名作品やB級作品で活躍しているピーター・ストーメアが登場し、相変わらずの濃いキャラクターで、見せ場を攫っていきます。

ピーター・ストーメア
ピーター・ストーメア

という豪華スタッフ・キャストが結集した本作の物語は、イタリアのローマで、現地の刑事が容疑者を全力疾走で追い、

容疑者は、類まれなる身体能力で銃弾を交わしながら捜査員を殺害しつつ、そのまま闇に消えていく、という緊迫感のあるシーンから始まります。

で、そこから場面は変わり、本題であるアメリカのミシシッピ州で、遺体の一部を切り取られる、という連続猟奇殺人事件が発生し、

その事件を、娘を亡くした過去を持ち、日々そのトラウマに悩まされているコール・ハウザー演じる刑事の捜査線が描かれていきます。

ただ、本作の場合、犯人探し要素がメインではなく、ローマで逃げながら刑事を殺害しまくっていたアフリカ系黒人が犯人だという事は分かっていて、

アメリカへ舞台が移っても、そのま同じ犯人が登場しますので、その凶悪犯に、主人公刑事がどのように迫っていくのか?

という展開が、見せ場となっていきます。

ただ、合間でローマの刑事も登場し、逃げた容疑者を捜索する、というローマパートも同時進行で描かれていきますので、

この二人の刑事の捜査が、どこでつながって、犯人に辿り着いていくのか?というのも見所となっていきます。

似た作品で例えるならジャン・レノの名作刑事スリラー(クリムゾンリバー)と、いった感じでしょうか。

で、この米国側の刑事、コール・ハウザーのトラウマ具合がなかなかの重症で、初登場時から娘を何かの出来事で亡くしてトラウマを抱えている、という事は断片的に分かりますが、

詳しい状況はまだ分からずに、とりあえず、別件の捜査で容疑者(未成年者と個室にいるので、そういう関係のなんらかの罪の容疑者)を追い詰めた際に、

無抵抗の容疑者をそのまま射殺してしまう、というセガールセガールは腕をへし折る程度)でもなかなか踏み込まない領域に入っているダーティ刑事として登場します。

で、勿論、容疑者が銃を手に取ろうとしていた(本当はしていませんが)、という嘘の証言で、主人公独自の制裁を加え、上司に怒られる程度で、そのまま日常勤務に戻っていきます。

ただ、娘が亡くなっている事で、精神的な不安定さを周りに心配されている状況は続いているようで、上司であるピーター・ストーメアからは精神科を受診するように指示されます。

で、勿論ダーティ刑事が医師に相談するはずもなく、容疑者を射殺するという結構な出来事ですが、それは置いておいて、そのまま本題である連続殺人事件へと突入していきます。

で、その事件は被害者の遺体が一部持ち去られている、という猟奇的な事件で、その部位は被害者ごとに違う、

という奇妙さで、さらに現場付近には、何かの儀式をしたような形跡があり、そちらの方面で捜査を進めていく事になります。

で、その頃、ある大学では講師であるモーガン・フリーマンが、アフリカや未開の地での文化の違いや、その土地で信じられている呪術や薬など、

アメリカの文化と照らし合わせて考察する、という面白そうな授業を行っています。

で、その講義を受けている生徒の中に、ちょっと反抗的な秀才学生が意味ありげに交じっていたります。

で、そんな中、コール刑事が、捜査の現場に残されていた、ある葉っぱのような物をネットで調べると、モーガン・フリーマン教授が、その権威としてヒットする事で、

コール刑事とモーガン教授の物語が重なり、捜査に協力する、という形で異色のバディ展開へと突入していく事になります。

※↓ここからは物語展開に触れていますのでご注意ください↓※

モーガン教授は、アフリカ出身で、呪術文化に詳しいので、その現場で発見された物質が、アフリカの儀式【ムーティ】で使用されるお茶のような葉っぱで、

アフリカの一部の地域では、その呪術によって富や成功、強大な力が得られる、と信じられている事が分かります。

そして、その儀式の内容は、未来を予見し、先見の明を得たいものは、他人の眼を取り込み、

何事にも動じない心が得たいものは他人の心臓を取り込む、という他人の部位を使って呪術の恩恵を受ける、

というトンデモ儀式で、連続猟奇殺人事件の特徴と、儀式の特徴が一致している事が分かります。

本作の見所としては、この呪術を使うために猟奇殺人を重ねていく犯人側と、悲劇的な過去を持つダーティ刑事と呪術に詳しい教授のバディの呪術捜査線が、メインとなっていきます。

で、ダーティ刑事の過去の悲劇部分も、少しづつ小出しにしていく事で、本当は何が行ったのか?を詳細に描いていきつつ、

犯行は、現在進行形でどんどん続いていますので、次の犠牲者が連れ去られた所を、実際の儀式までに止める事ができるのか?という部分にスポットが当たっていきます。

で、いよいよ捜査も進み、犯人のアジトも判明し、犯人自体はそこにはいませんでしたが、そこから、何者かの名刺を発見します。

で、その名刺の人物に電話してみます。

コール・ハウザー『もしもし、こちらはボイド刑事と申しますが、そちらはどちら様ですか?』

名刺の人物『こちらは、ローマ警察のマリオ刑事です。』

二つの物語が繋がった!!

コール刑事『こちらで発生している子供を狙う連続殺人事件の容疑者宅を調べたら、あなたの名刺が発見されたので、お電話させて頂きました。』 

マリオ刑事『こちらでは若い女性が狙われました。』 

コール刑事『容疑者について何か手掛かりはありませんか?』

マリオ刑事『逮捕寸前までいきましたが、取り逃がしてしまいました。』

マリオ刑事『手掛かりはありませんが、雇い主なら分かりますよ。ファーマーという資産家です。』

コール刑事『ありがとう!』

マリオ刑事『頑張って下さい。』

 ガチャ、、、、、、

、、、、、、、、、、

、、、、、、、、、、

接点、これだけっ!?

マリオの捜査線から物語が始まって、途中何度となくローマ編も挿入されたのにっ!!

雇い主の名前と『頑張って下さい』で、終わりっ!!

マリオ刑事、出番終了

という事で、一応、2人の刑事の物語も繋がり、あとはクライマックスに向けて犯人とラストバトルを繰り広げて大団円を迎えることになります。

が、、、、

本作、一応犯人も逮捕され事件は解決しますが、その後にちょっとした展開と、その展開の後にもう一つ、

どのように捕らえたら良いのか判断しにくいラストシーンで終幕となります。

鑑賞する人のそれぞれの取り方によって、色んな解釈ができそうなラストで、意味ありげですが、

結局コール刑事の娘の悲劇と奥さんとの出来事は、最終的に明らかになってみると、

その後の容疑者を躊躇なく射殺してしまうようなダーティ刑事になってしまった原因と、実は、そんなには関係していなかったり、

散々煽っていたマリオ刑事の捜査線と本編であるアメリカ編との関わり方も含めて、

それぞれの面白そうな設定が、それぞれに関係して行きそうで、実はそうでもない、という全体の流れから判断すると、

少々ショッキングなラストシーンも、特に深い意味はなく、奇をてらっただけではないでしょうか。

それもこれも、根本的にセガールのような荒くれ刑事コール・ハウザーがトラウマを抱えて精神的に追い詰められているようには全く見えない、という事が、全ての違和感の元凶かもしれませんが、、、。

という事で、色んな要素が入っていて、全体的に薄味な物語ではありますが、博識のモーガン・フリーマンが猟奇殺人犯を追う、

という(スパイダー)シリーズのアレックス・クロスを少し感じさせてくれるような内容ではありますので、サスペンス映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

2022年製作 アメリカ製作 サスペンスアクション

監督 ジョージ・ギャロ

出演 コール・ハウザー、モーガン・フリーマン、ピーター・ストーメア、ミュリエル・ヒラリー、バーノン・デイビス

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