バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー (SUPER- HEROS MALGRE LUI)83分

投稿者: | 2022年11月23日

おすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆

(シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション)のフィリップ・ラショー監督・製作・脚本・主演によるアメコミ映画のパロディ満載の捧腹絶倒アクションコメディ!!

作品紹介

2022年7月15日公開

今回ご紹介するのは、フィリップ・ラショーが監督・製作・脚本・主演とマルチにこなしたコメディアクション作品です。

それでは、まずは、あらすじから、

役者としての夢を捨てきれないセドリックが、父親の反対も押し切って新作ヒーロー映画(バッドマン)の主役オーディションを受けた結果、ついにチャンスを掴む事に成功する。

しかし、その撮影中に、父親が病院に搬送された、という知らせを受けたセドリックは、撮影用のヒーロースーツを着たまま、

病院へと急ぐが、その途中、自身が事故を起こして意識を失い、目覚めた時には、記憶を失ってしまっていたのだった。

ヒーロースーツに身を包んだ自身が何者か分からないまま、事故を起こした現場が偶然銀行だったこともあり、

一旦その場を離れるセドリックだったが、それがその後の大騒動の始まりとなるのだった!?

シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション)の才人、フィリップ・ラショーがいつもの仲間と製作したアメコミをリスペクトしたアクションコメディです。

世界の果てまでヒャッハー)シリーズや、(アリバイドットコム)、(シティコップ)と毎回フィリップ・ラショータレク・ブタリが、

交代で監督と主演を担当していて、脇を固めるメンバーもエロディ・フォンタンジュリアン・アルッティと同じメンバーが出演しています。

ここまで同じメンバーで製作し、しかも毎回笑いの質の高いコメディ作品を連発し続ける、というちょっと他では考えられないような製作チームとなっています。

今回このチームが笑いを生み出すのは、(アベンジャーズ)や(バットマン)等のアメコミ作品のパロディではありますが、

裸の銃を持つ男)や(最終絶叫計画)等のハリウッド製作品の本家をバカにしたような下品な笑いではなく、

あくまでオリジナルをリスペクトしたような、愛の溢れる内容となっています。

主人公は、良い歳しながらも、俳優として有名になるべく未だに夢を追い続けている男性セドリックで、警察署長をしている父親からは、

早く俳優の夢は諦めて、落ち着いた職に就いて欲しいと言われ続けています。

で、そんな父親に主人公は引け目を感じながら、ヒーロー映画のオーディションを受けて、ついにチャンスを掴みます。

妹や気心の知れた友人にはオーディション合格の件は話していますが、父親にはサプライズのために作品が完成するまで内緒にしています。

で、そこから役作りのために体を鍛えて努力を重ね、いよいよ撮影に挑みます。

アクションは、結構カッコ良いです

撮影は快調に進み、カッコ良い衣装を着て、カッコ良いアクションシーンも撮影していきます。

で、そんな時に妹から連絡があり、父親が急病によって病院に運ばれた、という知らせを受けます。

こらは急を要するので、急ぎヒーロースーツを着たまま上に上着を羽織って、撮影で使用しているバットモービルもどきに乗って病院に急ぎます。

で、その道中ふとした不注意で、自分自身が事故を起こしてしまい、意識を失ってしまいます。

で、しばらく後に目が覚めた主人公は、救急車を呼ぼうとスマホを手に取り、自身の名前を告げ、、、

、、、、ようとしても名前が分からない!!

という事で、事故のショックで記憶を失ってしまいます。

自分が何者か分からない。

そんな状態で、意識朦朧とする中、助手席を見ると大金の入ったカバンに色んな道具(全部映画の小道具)、

そして、自分はバットモービルに乗っていて、ヒーロースーツを下に着用している、というまさかの状況で、

事故で車が突っ込んだ建物は、銀行だったという、まずい偶然も重なり、とにかく一旦鞄を持ってその場から立ち去ります。

で、撮影の小道具として腕に着用してた腕時計のようなスマートウォッチのような器具を作動させると映像が流れ、

ジョーカーのような怪人が現れ、盗んだ金を指定の場所に持ってこなければ、お前の妻と息子を殺す、とこちらに向かって話している映像が流れます。

で、自分が所有しているペンダントを開いて見ると、その奥さんとされている女生と一緒に映っている写真が入っている、

という感じで、事故によって記憶を失った、ヒーロー役を演じている売れない役者が、おかれている状況や所持している映画の小道具よって、

自分自身を本物ののヒーローと勘違いしてしまい、妻と息子を助けるために悪党の待つ城を目指す、というドタバタの勘違いコメディが展開されていきます。

ジョーカーぽい怪人役のジャン・ユーグアングラード

ただ、フィリップ・ラショーが凄いのは、ドタバタをメインとしながらも、落ち目の人間が奮起し、悪党退治に奮闘した結果、人間的にも成長していく、という一人の男性の成長を描いた物語にもしっかりなっている点で、

ただのギャグの寄せ集め、アメコミのパロディの寄せ集めでは無い所に、才人ぶりを感じさせてくれる作品となっています。

その物語展開の秀逸さもさることながら、それぞれのギャグは、見ている側の予想のはるか上を行くような笑いばかりで、

思いの外、『プッ』と声を出してしまうような笑いが多く、さらに物語の節々に登場するアメコミ要素の意外性もともなって、

フィリップ・ラショーの卓越したセンスが連続で炸裂しています。

二転三転するストーリーも飽きることなく続きますので、83分という短い上映時間が残念なぐらいに良くできた作品となっています。

笑いがメインの作品ですので、人によって好き、嫌いが分かれるジャンルかもしれませんが、笑いのセンス的には日本人のセンスに近いのではないでしょうか。

という事で、ハリウッドコメディ作品にどうもなじめない、という方も、フィリップ・ラショー作品の笑いはハマる方も多いと思われますので、

コメデイ作品好きの方や、楽しい作品が観たい、といった方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

2021年製作 ブランス・ベルギー アクションコメディ

監督・製作・脚本 フィリップ・ラショー

出演 フィリップ・ラショー、ジュリアン・アルッティ、エロディ・フォンタン、タレク・ブダリ、ジャンユーグ・アングラード

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