【香港映画】レジェンド・オブ・フォックス妖狐伝説 (赤狐書生SOUL SNATCHER)125分

投稿者: | 2021年12月4日

おすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆

妖力を持った狐が人間界に現れ、やがて盟友となる青年との間に友情が芽生えていく、という(モンスターハント)のラ・マンホイ製作による切ない系の秀作武侠ファンタジー!!

作品紹介

2021年10月22日公開

今回ご紹介するのは、(モンスターハント)のラ・マンホイ監督が製作を担当した香港・中国合作の武侠ファンタジー作品です。

それでは、まずはあらすじから、

狐の妖怪、十三(リー・シエン)は、仙狐となるために必要な丹を人間から奪うために、強力な丹を持つとされる青年、子進(チェン・リーノン)に近づき旅を共にする。

やがて芽生える友情、しかし丹を奪うと子進の命も尽きてしまうため、どうしても十三は丹を奪えずにいた。

そんな時、謀略を巡らせる何者かの影が迫り、子進の丹を奪おうとしていた、、、!?

本作の主人公、狐の妖怪、十三
友情を通わせる人間の子進

傑作武侠シリーズ(モンスターハント)シリーズ(詳しくはこちら)や、(シュレック3)でお馴染みラ・マンホイが製作を務める武侠ファンタジー作品です。

武侠のジャンルの作品ではありますが、本作は武術的なアクションではなく、VFXを使用したファンタジーアクション的な色合いの濃い作品となっています。

ですので、アクションは満載で、道士なども出てきますが、カンフー的な動きはほとんどありません。

だからと言って面白くないわけではなく、流石に(モンスターハント)のラ・マンホイらしく、しっかり魅せるポイントを押さえた物語展開と

ファンタジックなVFXで2時間以上の上映時間を飽きることなく鑑賞する事ができます。

また、本作には原作がありますので、物語の設定や展開もしっかりしています。

主人公の十三は狐の妖怪で、狐界では落ちこぼれ、しかし、なんとか狐界の仙人、仙狐になりたいと願っています。

その条件は人間より丹を奪う事。

丹とはおそらく人間それぞれが持っている魂のようなもののようで、それを奪うと勿論命は無くなります。

で、この丹は直接人間を殺して手に入れられるものではなく、人間側から自ら差し出させる必要があるようです。

ですので、十三は強力な丹を内に秘めているとされる子進に丹目当てで、近づきます。

で、子進は旅をしている途中なので、成り行きで一緒に旅をすることになります。

で、旅を続けるうちに二人の間で友情が芽生えて、仙狐になるという使命感と友情の間で苦悩する、という展開になっていきます。

この二人の友情物語

男女の恋愛の号泣展開が本流の中国武侠映画界にあって、男女の切ない恋愛を描きつつも、男同士の友情(しかもなんとなくちょっとイケメン二人だけにBL風味が、、)をメインに描く

という流石ハリウッドでも活躍したラ・マンホイが関わっている作品らしく、ヘンな流れに乗らない独自の世界観を構築しています。

紅一点登場
切ない恋もしっかり描かれます
飛翔シーンも見事なVFXとの融合です

しかも、(モンスターハント)でもお得意の愛嬌にあるモンスター達も登場しますので、武術アクションがなくても十分すぎるほどにエンタメアクションを堪能できる作品となっています。

登場するキャストも非常にスター性というかオーラがあり、主演二人はもとより、中盤で登場する切なさ爆発の妖女、なんだかんだと助けてくれるガマ妖怪

そして厭な感じはあるけれども、それなりに愛嬌のある師匠等、登場するキャラクターが魅力的で、それを演じるキャストも皆魅力的に演じています。

ガマ妖怪。なかなか良い味出してます
ガマ妖怪人間の姿と嫌みな師匠とたんこぶができた主人公

気のない中国作品を鑑賞した後に本作を観るとその違いが歴然としていて驚きますが、ラ・マンホイや垢ぬけたキャスト、そして日本から音楽担当で参加している宮崎駿作品でお馴染みの久石譲

アクション監督は(唐人街探偵)(詳しくはこちら)シリーズのウー・ガン

という国際色豊かなプロのクリエイターたちが製作している娯楽作品ですので、安心して鑑賞できる作品となっています。

ただ、一つだけ難点を挙げると、冒頭の少年と子狐の出会いのシーンが本編中何度となくフラッシュバックしますが、

一見、主人公たちの子供時代のようで、実際はその間500年が経過していますので、前世か、すっと遡った先祖の出来事なので、

何度も登場するシーンの割にはなかなか主人公たちに繋がりにくいのが、少し違和感がありました。

この辺は、もしかすると原作の方ではしっかりと描かれている部分なのかもしれません。

この幼少期っぽいシーンは実は500年前、、

という事で、武侠作品でありながらもそれほど武術アクションのない作品ではありますが、しっかりとした原作の物語があり、

その物語をプロの娯楽映画の製作者が製作している多くの人が楽しめる作品となっていますので、最近の中国武侠作品に飽きてしまっている方も、本作はお楽しみただけるのではないでしょうか。

こういう良くできた作品でしたら、同じスタッフ・キャストでまた続編が観てみたいですね。

因みに後半から終幕にかけて切なさが凄いです。

ラストバトルは狐マン対決!!
絶大な力を得た主人公がブラック狐マンを追い詰めます!!

作品情報

2020年製作 香港・中国製作 武侠ファンタジー

監督 ソー・ハオリン、イー・リーチー 製作 ラ・マンホイ 音楽 久石譲

出演 リー・シエン、チェン・リーノン、ハニ・ケジー、ベイ・クイシャン、ジャン・チャオ

後半は結構な切ない系の物語になっていきます

その他の香港製作の武侠ファンタジー作品

チャウ・シンチー主演、ジョニー・トー監督による天界から追放された男の物語(マッドモンク魔界ドラゴンファイター)はこちら

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