【推薦!】マッシブタレント(THE UNBEARABLE WEIGHT OF MASSIVE TALENT)107分

投稿者: | 2023年8月13日

おすすめ度 ★★★★★★★★☆☆

ニコラス・ケイジがほぼ自分自身と同じ境遇のハリウッドスターを演じ、(コンエアー)等の映像も挿入されながら、成り行きで、潜入捜査を試みた組織のボスとの友情と任務に板挟みになる、コメディ調の友情ドラマ!!近年のニコラス作品最高傑作!!

作品紹介

2023年3月24日公開

今回ご紹介する作品は、ニコラス・ケイジが、ほぼ自身と同じ境遇のハリウッドスター役を演じたアクションコメディ作品です。

それでは、まずはあらすじから、

(コンエアー)(ザ・ロック)(ナショナルトレジャー)(フェイスオフ)等のハリウッド大作で人気を誇ったハリウッドスター、ニック・ケイジも、

今は低予算作品ばかりに連続で出演する日々を送っていた。

そんなある日、稼ぎの良さから、スペインの富豪の誕生パーティ出席の依頼を受けたニックは、パーティに参加するが、その人物が実は自身の大ファンであり、

しかも、議員の娘誘拐を企てた犯罪組織のボスの容疑を懸けられている事を知り、さらにCIA局員から組織をスパイするように依頼されるのだった!?

ニコラス・ケイジが、ほぼニコラス・ケイジ本人を演じたアクションコメディ作品です。

ただ、ジャン・クロードヴァンダムが、出演作品が激減した時期に起死回生で主演したフランス映画(その男ヴァン・ダム)のような、

企画があって主演するはずだったのに、企画ごとセガールに持っていかれた!

と、涙ながらにメソメソ愚痴る(結構楽しめる作品でしたが)作品ではなく、

これまでのニコラス作品にオマージュを捧げる(本人主演なのに変な表現ですが)ような内容でありながらも、

ニコラス作品の大ファンである組織のボス(の容疑を受けている男性)との友情物語に、悪党とのアクション、

そして、ハリウッドスターとしての立ち位置に悩み、家族との接し方に悩むドラマ(この部分はほぼ創作だと思われますが)等を盛り込んで、

基本としては男同士の友情ものとしての熱い(優しい)展開で進めていく、という奇抜な設定ながらも非常に映画作品としてバランスの良い、完成度の高い作品となっています。

勿論、ニコラス・ケイジという存在が無ければ全く成立しない物語で、ニコラスのこれまでのハリウッド大作に連続で主演していた時期から、

B級作品を連続で仕事としてこなしていく結構長い時期を経て、今現在の立ち位置にいる、という経歴は他のハリウッドスターでは代用できない境遇ですので、

その存在があってこそ、初めて成立する役柄となっています。

さらに、年齢を重ねても、本作のような作品で、バリバリに存在感を発揮できる表現力を今現在も持ち、

そこに、本作のような物語を考え出し、脚本にし、ニコラスに出演交渉を挑むも、何度も断われながらも諦めずに製作決定まで持ち込んだ監督の努力があってこそ実現した作品ですので、

色んな意味で、今後はもう登場しないような貴重な作品となっています。

で、そんな物語を創作した監督は、ザック・エフロン主演の(恋人まで1%)のトム・ゴーミカン監督で、

まだまだ監督2作目という事で、今後の活躍が期待できそうです。

トム・ゴーミカン

で、主演は勿論、一時は日本では劇場公開もされないようなB級作品に出演していながらも、近年は(ピッグ)(詳しくはこちら)や、

新作の(レンフィールド)等、復活の兆しを見せている大スターのニコラス・ケイジで、本作では久々に、

活き活きとした姿で、ニック・ケイジ役を好演しています。

ニコラス・ケイジ

で、本作を良作にしているさらに重要なキャスティングである富豪でありニック・ケイジの大ファンでもある役柄で、

キングスマン ゴールデンサークル)(イコライザー2)(ワンダーウーマン1984)等のペドロ・パスカルが登場し、

ニコラス・ケイジと友情を深めていきます。

このペドロ・パスカルの優しい雰囲気も、本作のかなりの魅力で、舞台となる陽気で牧歌的な土地柄も手伝って、

非常に作品の雰囲気を良くしています。

ペドロ・パスカル

この主演二人と監督のトリオの実力と魅力が重なった事で、本作が唯一無二の存在となっています。

物語は、自宅で(コンエアー)を観ながらニック・ケイジのカッコ良さに、改めて惚れ惚れしている女子が、

突然の武装集団の襲来で誘拐されるシーンから始まります。

で、その女子はある議員の娘で、誘拐事件が発生した事はメディアでも報道され、世界的なニュースになります。

が、そんな事とは一切関係ない(コンエアー)等のハリウッド大作に数多く出演しながらも、近年は低予算の作品ばかりに、

事務的に仕事として出演し続けていた当のニック・ケイジは、監督や脚本家に必死に売り込みするものの、

上手くいかずに、家族とも一方的な自分の態度のせいで上手くいかずに、袋小路に陥り、引退も考え始め、借金もかさんで追い込まれている、という状況に陥っています。

という事で、しょうがないので、エージェントから依頼があった、スペインの富豪、ハビの誕生パーティに出席する、という依頼を受けることになります。

で、現地に到着してみると、べドロ・パスカル演じる、ハビは、ニック・ケイジの大ファンで、自宅の離れにニック・ケイジ部屋を設置する程のニックおたくで、

そこには、(ザ・ロック)で登場した蛍光グリーンの毒ガス兵器や、(フェイスオフ)の二丁拳銃とその銃を構えた等身大のニック人形、

コンエアー)のぬいぐるみ等、グッとくるような名コレクションばかりで、ニコラス・ケイジファンや映画ファンであれば、

絶対にテンションがマックスまであがりそうな凄い部屋となっています。

しかも、本作はそんなおたくぎみのペドロ・パスカルのキャラクターを、

ネクラな協調性のない男としてギャグ的に描くのではなく、本当にニコラス(ニック)・ケイジを愛する一人の誠実な男、として描いていきます。

恐らく、本作の雰囲気の良さは、このキャラクターの、ハリウッドスター・ニコラスへのひた向きなファンとしての愛の描かれ方が非常に大きいと思われます。

ドラマとしての誇張はあっても、決してバカにしたりすることはありません。

で、ニコラスは、この純粋に自分を指示してくれている男と数日同じ時間を過ごしているうちに、友情を深め、

その、ファンとしてのまっすぐな自分に向けられる想いを受け、自分自身の内側の役者としての可能性を再び感じるようになっていき始めます。

で、そんな時に、議員の娘誘拐事件を捜査しているCIA局員がニコラスの前に現れます。

理由は、あのハビが、実は裏社会の麻薬組織を取り仕切る男で、議員の娘誘拐を指示した最有力容疑者で、

ニコラスのおかれている状況を利用して、ハビから娘の監禁場所を探って欲しい、という危険な任務を依頼されます。

一度は断ったものの、同じ年ごろの娘のいるニコラスは、渋々了承する、という感じで、2人の友情物語に、ちょっとした潜入捜査展開が加わっていきます。

しかし、友情を深めていくにつれ、どうしても、あの純粋な男が悪の犯罪者のボスには思えないニコラスは、

友情と任務との間で板挟みなっていき、、、、、、、、

というのが、中盤以降の大筋となっていきます。

監督の素晴らしいアイデアに、ニコラスの素晴らしい表現力、そし悪役等の多かったペドロ・パスカルが演じる共感を呼ぶハートウォーミングなキャラクター、

と、とても良いバランスで、物語は盛り上がっていき、後半は家族も巻き込み、しっかりと悪党組織と戦うガンアクションや、カーアクション展開もあり、

クライマックスでは、豪華ゲストの登場もあったり、というテンポの良い展開の後に、

非常に後味の良い、心にジーンと染み入るエンディングで終幕となります。

という事で、他のニコラス主演のB級作品を鑑賞して、その期待と実際の内容との温度差にがっかりしてここ最近は、ニコラス作品を卒業されてしまった方でも、

本作はしっかりと楽しめる作品となっていますので、機会がありましたら是非ご鑑賞してみて下さい。

個人的には(不機嫌な赤いバラ)や(マンディ地獄のロードウォリアー)等の話題に上りにくそうな作品にもスポットが当たるオタクぶりにグッと来てしまいました。

作品情報

2022年製作 アメリカ製作 アクションコメディ

監督・脚本 トム・ゴーミカン 製作 ニコラス・ケイジ

出演 ニコラス・ケイジ、ペドロ・パスカル、シャロン・ホーガン、ティファニー・ハディッシュ、アイク・バリンホルツ、アレッサンドラ・マストロナルディ、リリー・シーン

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