【修行映画!】AIMEE エイミー マリーン・フォース(AIMEE/THE VIGILANTE)101分

投稿者: | 2023年11月16日

修行度 🔥🔥●●●●●●●●

妹が人身売買組織に誘拐・監禁された凄腕海兵隊員の女性主人公が、闇組織を相手に激闘を繰り広げる痛快アクション、、、、、と思いきや、誘拐された側の妹と他の被害者のドラマが繰り返し挿入され話の腰を折り続ける、スローテンポサスペンスアクション!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、人身売買組織に立ち向かう女性海兵隊員を描いたレディースアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

アフガニスタンでの任務を終え帰国した海兵隊員ジェシカは、13歳の妹が人身売買組織に誘拐されてしまった知らせを受ける。

一向に進まない警察の捜査に、自らの力での救出を決意したジェシカは、隊員仲間のダンと共に監禁場所と思われる住宅街の建物を急襲するのだった!?

女性主人公が活躍するサスペンスアクション作品です。

監督・脚本は、(X-menアポカリプス)、(キャプテンマーベル)等にスタントマンとして参加しているアクション派のリー・ウィティカーで、

本作で初の長編映画監督デビューを飾っています。

リー・ウィティカー

主演は、(THE TRAIL)や(DARKEST ROADS)等のジェット・ジャンドローで、意志の強いレディソルジャー役を演じています。

ジェット・ジャンドロー
ジェット・ジャンドロー

で、タイトルロールである誘拐される妹を演じているのは、(GOOD REIEF)等のジェイミー・M・ティモンズで、

主人公に迫る勢いで画面に登場します。

ジェイミー・M・ティモンズ

で、主人公が戦う時のサポート役は、(EMMANUEL AND ME)等のエリック・ピアースで、ハッカー的な技術から、戦闘技術まで、

実は物凄い才能を持つ人物役を好演しています。

エリック・ピアース
エリック・ピアース

という、日本では馴染みの少ないスタッフ・キャストで製作された本作の物語が、映像作品となるのは実は本作が初めてではなく、

2017年に11分の同名短編作品として、本作と同じリー・ウィティカー監督で、誘拐される妹役も同じジェイミー・M・ティモンズで映像化されています。

その他のキャストも一部共通していて、基本的な内容も共通し、全く同じようなシーンも多々登場しますので、

かなりイメージの重なる短編の拡大版としての長編作品となっています。

短編版

で、再映画化となる本作の物語は、アフガニスタンで従軍中の主人公ジェシカが、ある地域での任務中に、

自軍に近づこうとする現地市民の幼い子供が、実は爆弾を身体に巻き付けていて、やむを得ず発砲してしまうシーンから始まります。

この衝撃的な出来事は、爆弾を巻き付けて向かってきた子供と同年代の妹エイミーを持つジェシカにとって、心に深い傷を残す結果となってしまいます。

で、その後心に傷を抱えたまま帰国したジェシカを待っていたのは、楽しみにしていたエイミーとの再会ではなく、

地元で問題となっている幼い少女を人身売買目的で誘拐している闇組織によって、エイミーが誘拐されてしまった、という知らせだった、という所からメイン展開に突入していきます。

地元警察の一向に進まない捜査に苛立ちを感じたジェシカは、相棒のダンと共に、独自で捜査を開始し、

その閑静な住宅地域に点在する人身売買組織の少女監禁場所を、ローラー作戦で虱潰しに壊滅させていき、妹の監禁場所を探す、というのが本作のメイン展開となっていきます。

で、ストーリー展開的には、女性主人公が、闇組織をテンポ良く壊滅させていく痛快アクションをイメージしますが、

実際はそういう軽妙さや、テンポの良さは、アクションシーンのみで、ストーリー展開的には物語が前に進みそうで、進まないという状態が持続してしまう作品となっています。

この物語が全然前に進まない感覚の大きな理由の一つに、短編にも出演していてタイトルロールにもなっているジェイミー・M・ティモンズ演じるエイミーの描かれ方があります。

タイトルロールではありますが、実際に物語を動かしていく主役は、あくまでジェシカの方ですので、ジェシカがエイミーを捜索する姿が、勿論メインで描かれていきますが、

その合間に、誘拐されたエイミーの描写が、ことある毎に挿入され、下手するとジェシカ6割、エイミー4割ぐらいの比率で描写されて行きますので、

とにかく主人公の捜索から戦闘へと繋がるシーンがちょっと進んでは、エイミー、ちょっと進んではエイミー、という感じで、話の腰を折り続けます。

しかもエイミーの方がキャラクター的には人間味のある人物として描かれていて、する事と言えば既に誘拐監禁されていた少女たちと友情を交わしながら、

現実逃避のためにダンスをくるくると踊ってみたり、他の少女たちにくるくるダンスを教えて見たり、

さらに監禁されている中でも上下関係があって、年長の少女といがみ合ったり、

そんな少女たちを見て監視役のリーダーが暴力を振るったり、という女囚刑務所の少女版のようなやり取りが描かれていきます。

短編からの続投で、ジェイミー・M・ティモンズを推していきたい、という意図は凄く伝わりますが、とにかくこの監禁部屋内でのエピソードが、停滞感を煽ります。

これが、監禁されている少女たちも、脱出しようと少しづつ計画を進めている、とか、諦めている他の少女をよそに、

新入りであるエイミーが諦めない心で、脱出計画を練って、周りの少女も再び闘志を燃やし始める、といった(大脱走)の縮小版のような展開(普通はそうなると思いますが)になれば、

少しづつでも目的に向かって緊迫感のあるドラマが持続するのですが、この物語に登場する少女たちは、

全員状況を受け入れてしまって、どう見ても逃げる隙がありまくるのに、絶対に逃げようとしません。

その逃げない事が決まっているドラマ、言い換える本筋とは関係ないドラマが、連続で挿入されるために、本編である捜索シーンが一向に進まない、という負の連鎖が発生しています。

で、さらに本筋の捜索パートも、相棒が物凄い技術をサラっと使って、目撃証言や色んな情報網を調べて、少女たちを監禁している監禁場所(組織の本拠地)を見つけ出すのですが、

これが、閑静な住宅地のわりに、監禁場所が4か所(うち1か所はジェシカの捜索とは無関係で発覚)もあって、

急襲しているのに、ことごとく空振りする、という感じで、悪党組織の監禁場所へのかちこみが、3回繰り返されます。

ちょっと車に乗って移動できる同じ地区の住宅街に、少女を何人も監禁している場所が4か所もあるというトンデモない閑静な住宅街ですが、

最終的に当たりを引いたので4か所となっていますが、本当はもっとあるかもしれない、という非現実的な無法地帯として描かれています。

さらに、冒頭で主人公が子供を銃撃してしまう事で心の傷を負ったその銃撃シーンが、ことある毎にフラッシュバックとなって普段の生活や、戦闘中等、きっかけ無しに襲ってきますので、

その度に画面が揺れてピントがぼやけ、子供を銃撃する場所に移動(という画像処理)し、回復するまで暫く時間がかかりますので、

その度に、またしても話の腰を折る事になります。

勿論、こちらも何度も何度も、、。

このエイミーパートの繰り返しの挿入と、行き当たりバッタリ作戦の連続ハズレ引き、そして心の病のフラッシュバックでのアフガニスタンへのテレポートが、

物語のテンポを何度も何度も崩していきますので、

100分の作品が、観ても、観ても、全く前に進まない、

という負のスパイラルへと落ち込んでいく事になってしまいます。

アクションに関しては、流石にスタントマン兼監督という事で、スピード感があって良いのですが、こちらも臨場感を出すためなのか、

やたらとブレにブレれる撮影法で、さらにキャストにかなり寄った位置で撮影されていますので、テンポは良いながらも、

ずっと、何をやっているのか分かりません。

クライマックスでは、女性二人の取っ組み合いの格闘が、まさかの周りの物をガンガン壊しまくり、ついでにまさかの部屋の壁(発泡スチロールのような感じです)を何枚も破壊して、

完全に往来できるぐらいに徹底的に破壊しながら戦う、という(ターミネーター3)のような激闘を繰り広げます。

監禁されていた建物の壁ですが、、、。

という事で、個人的には、これはずっと進まない物語を、時計を見ずにどれだけ鑑賞できるのか?を試す修行映画だと思いますので、

B級作品好きの方や、変わった映画好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

と言いつつ、映画レビューサイトなどを覗いてみると、結構楽しまれている方も多いようですので、自分自身の修行の足りなさを痛感する次第です、、。

作品情報

2022年製作 アメリカ製作 レディースアクション

監督・脚本 リー・ウィティカー

出演 ジェット・ジャンドロー、ジェイミー・M・ティモンズ、エリック・ピアーズ、ポール・ボンド

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