【中国映画】パイレーツ・ウォーズ デッドエンドの航海(乘风破浪THE WORLD OF THE SEA)90分

投稿者: | 2023年2月12日

おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

近年の中国作品では珍しい海賊たちの激闘を描いた(パイレーツ・オブ・カリビアン)の影響が大きい海洋アドベンチャー!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、最近の中国作品では珍しい海賊アクション作品です。

それでは、あずはあらすじから、

現在の地球とは違うパラレルワールドの地球、そこでは大地のほとんどが海に覆われていた、

そんな地球の秩序を守る海上警察であるルオリーは、ある戦いがきっかけで、何でもあるとされる【新大陸】が記された地図を手に入れる。

その時から、多くの海賊たちによる、地図の争奪戦が開始されるのだった!?

近年の同じような内容の武侠ファンタジーやモンスターパニック、ディザスターパニックが連続で製作されている中国映画界の中では珍しく、

海賊の激闘を描いた海洋アドベンチャー作品、というほとんど見かけないジャンル作品です。

日本に紹介されるのは珍しい海賊アクションを製作した監督は(ムーラン最後の戦い)(詳しくはこちら)のホー・ジャナン

という事で、別々な立場のキャラクターが共通の目的を達成するために、命を懸けて協力し合う、という熱い展開のある作品となっています。

で、そんな海賊物語である本作は、(ムーラン最後の戦い)とは違い、実際に語り継がれている民話の、実在していたかもしれないヒーロー物語ではなく、

ほとんどが海に覆われた地球、という、今現在の地球とは違う並行世界(パラレルワールド)的な地球が舞台、となっています。

要するにファンタジーです。

中国の昔話ではなく、異世界の地球、、、と聞くと急にリアル感が無くなりますね、、。

ですので、同じように見えても他の海賊ものとは設定が違い、一応ラスボス的に存在する強敵も、どう見ても人間には見えませんが、

それについての説明はなく、人間以外の種族が共存しているのかどうかも説明されません。

説明して欲しい、、、

パラレルワールドの地球という設定にしたのは、恐らく他の惑星設定にしてしまうと、その惑星の文化や日常等も描かないといけなくなり、手間と予算がかかりますので、

そういう説明を省くためのパラレルワールドの地球設定だと思われます。

さらに、本作は(プロジェクトA)に登場したような中国版の、言葉悪いですが、泥臭い見栄えの海賊ストーリーを描きたいのではなく、

あくまでディズニー製作の(パイレーツ・オブ・カリビアン)のような洗練されたおしゃれでカッコ良い海賊の活躍映画に憧れていますので、

主人公達がまとっている衣装が舞台演劇に登場しそうなほどの見栄えで、清潔感とデザイナーの頑張り感が見えるような衣裳に身を包んでいますので、

中国人が(パイレーツ・オブ・カリビアン)っぽい衣装を着せてもらって舞台劇を演じているように、しっかり見えてしまいます。

要するに東洋感はゼロに近く、西洋感が100に近い、という感じです。

その雰囲気を背景合成とセットだけでほとんど乗り切っていますので、大海洋冒険アドベンチャー作品ですが、

全体を覆う閉塞感と圧迫感、箱庭感はやはり拭えません。

主なストーリーとしては、伝説と言われている新大陸(この世界で言う所の)の発見を目指して色んなキャラクターがしのぎをけずる、という感じですが、

この新大陸発見を目指す、というのが、また結構あいまいなので、財宝があるのか?ただ単に(ウォーターワールド)の様に土に覆われた陸地というだけで貴重なのか?

そういう大事な設定に関してはそれほど詳しく説明されません。

いつもの中国作品のように出だしで、いきなり作品タイトルとスタッフ表記が流れながら、

雰囲気たっぷりのナレーション一発で説明しきって(した事にして)物語をいきなり進めてしまいますので、

それぞれのキャラクターの背景もそんなには描かれず、結果的に海賊と海上警察の描き分けもほとんど(衣装含めて)ありませんので、

主人公が警察で、一緒に戦う事になる美女が海賊という、本来善と悪の立場のキャラクターが共闘している物語なのに、

ふわっとした状態のまま、一目で悪と分かる(容姿に関しては説明不足の)海賊と戦う事になります。

右の二人は警察で左の美女は海賊
右が警察で左は海賊。
海賊と戦う警察
でも、雑多な部下ははっきり警察と分かる衣装を着ています。

さらに、本作は(唐人街探偵)(詳しくはこちら)と(こちら)シリーズのように海賊界の中で自身にかけられた懸賞金の額によって決まる

海賊ランキングという制度がある世界観となっていますので、いろんな海賊が登場する度に、そのランキングも紹介される、

という少年漫画のような設定が採用されています。

で、仲間の一人が悪海賊に捕らえられ、救出しに行くぞ、となったときに、このランキング上位の海賊達が参加する世界海賊大会のようなイベント(良く分かりません、、、)が催され、

その会場に主人公一行が、それぞれの海賊チームの部下に紛れて仲間の救出作品を実行する、という、ちょっとワクワクしそうな展開にはなり、

ランキン上位の
色んな海賊が

大活劇を予感させるのですが、、、、

一堂に会します。

結局は、、、

主人公も潜入

しびれ薬でその場の全員をしびれさせているうちに救出できてしまいます。

乾杯!!
ぐったり、、、
チャーンス!!

因みに、それ以降海賊ランキングのラの字も登場しなくなりますので、結局ランキングシステムが物語自体に直接影響する事はなくなってしまいます。

で、さらに主人公は、後半、その驚愕の出生の秘密が明らかになったり、実験によって水棲人のような容姿になりかけている女性の登場など、

どう考えてもラストバトルなどに活かされそうな要素が期待をどんどん煽りますが、

その設定をも、その後の展開には全く活かされずに、普通にちょっとした見栄え重視の武侠アクションでサクッと終わらせてしまうのが、

色々と勿体ない作品となっています。

左の女性はモンスター化直前までいっていましたが、、、治りました。

そんな見栄えの良いカッコ良い衣装を着た海賊、、、、ではなく警察(割と早い目にどっちでも良くなります)主人公を演じるのは、

歌手としても活躍し、舞台やテレビドラマで大注目中のイーヴィン・チェンで、常に前髪を気にしそうな草食系イケメン主人公を好演しています。

イーヴィン・チェン
イーヴィン・チェン

で、その海賊、、ではなく警察の主人公と行動を共にする女警察、、ではなく女海賊を、

ミラ・ジョボビッチも出演していた中国映画(ザ・ルーキーズ)(詳しくはこちら)や、テレビドラマ(蒼穹の剣)等で人気沸騰中のリウ・メイトンが演じ、

作品のほとんど主役のような活躍で、華麗な魅力を放っています。

リウ・メイトン
リウ・メイトン

という事で、設定がふわっとしているために、色々と違和感のある作品ではありますが、旬のスターの共演と、

何より新しい娯楽要素満載のジャンル作品の登場、という事だけでででも、他の似た様な内容の作品とは一線を画する存在の作品とはなっていますので、

中国映画好きの方や、冒険映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

あまり、色々考えずに鑑賞すれば、結構楽しめますよ。

作品情報

2021年製作 中国製作 海洋アクション

監督 ホー・ジャナン

出演 イーヴィン・チェン、リウ・メイトン、シュエ・イールン、シャオ・シュアイ

↓ランキングに参加しています。宜しければ下記をクリックお願い致します↓

映画レビューランキング
映画レビューランキング

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

PVアクセスランキング にほんブログ村

コメントを残す