【中国映画】ジョーズ・リベンジ(鲨口逃生ESCAPE OF SHARK)66分

投稿者: | 2022年6月24日

おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

中国製作のサメパニックというより、ディザスター要素の濃い(missデンジャラス)のシュー・トントン出演作品!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、中国作品の人気ジャンルの一つアニマルパニックものの、サメパニック作品です。

それでは、まずはあらすじから、

そのリゾート地ではホテル主催のビーチパーティが開催されていた。

楽しく踊る若者たち、しかし、地震の発生によって巨大津波が発生し、浜辺で楽しむ人々を一気に飲み込んでしまうのだった。

なんとか建物内で生き延びた男女8人は、救助を求めて脱出を計るが、そこに凶暴で巨大な人食いサメが突然襲い掛かる!?

missデンジャラス)やドニー・イェン主演の(追龍)(詳しくはこちら)、武侠作品(スティールシャドー)(詳しくはこちら)等、

セクシーな魅力で人気のあるシュー・トントン出演のサメパニック作品です。

ライニング中のシュー・トントン
シュー・トントン

ただ、一応シュー・トントンが一番最初にクレジットされていますが、実際は主演というわけではなく、

主演は男性キャストの(タイガーマウンテン)等に出演している、ユー・ボーリンの方が担っています。

過去のトラウマで多少潜水が苦手な主人公ユー・ボーリン
ユー・ボーリン

とは言いつつも、本作一応ユー・ボーリンが主役っぽくはありますが、地震を起源とした津波が原因で壊滅状態になってしまう浜辺の宿泊施設が舞台の群像劇ですので、

主役にしてはちょっと印象の薄いキャラクターとなっています。

メインはディザスターものです。サメは乗り越えるべき困難の一つ、という感じでしょうか。

それというのも、本作はまさかの上映時間66分(販売メーカーの詳細には67分と記載されていますが、実際デッキに入れてみると66分台でした)という、

映画の固定概念を覆すような短い分数ですので、複数の登場人物が活躍するようなディザスターものでは、到底その人となりを説明できるはずもなく、

さらに、上映時間に見合っていないぐらいに多くのキャラクターが登場しますので、全てのキャラクターを十分に説明する余裕もなく、

結果的にその目立つ特徴ばかりを必要以上にアピールする、というキャラクターが渋滞気味の作品となっています。

結果的に、嫌みなキャラクターは最初から最後まで、外道の限りを尽くし、姑息なキャラクターは姑息ぶりをしきりにアピール、

外道御曹司は外道を極めます
嫌味キャラは嫌み道を突き進みます

過去のトラウマで挫折を味わっている主人公っぽいキャラクターも必要以上に酒に溺れています(後半は一挙にヒーローになりますが)、

分かりやすく酒に溺れる後のヒーロー
ヒーローは覚醒すると酒や潜水ができないトラウマは消えてなくなります。66分なので。

建築家の娘は、父親譲りの建築知識で、建物のもろい部分を把握し、ヒロインっぽいキャラクターは健気にヒーローを支えます。

建築家とその娘は建物に詳しい
ヒロインは明るく健気

で、シュー・トントンはと言えば、セクシー担当で、お色気を振りまきますが、そんな妻を他の男性から引き離そうと、夫役のキャラクターは、やたらと思いを巡らします。

妻シュー・トントンが気がかりでしょうがない夫(最初から最後まで、ずっとです)

御曹司の体格の良いボディガードも実は、優しいという感じで登場しますが、いつも間にか、退場しています。

結構、思わせぶりなので、ドラマを生みそうですが、退場するシーンさえ描かれません。66分なので。

このバラエティに富んだキャラクターが、たったの66分の間にパーティで浮かれ気分で調子に乗る前半から、

ディザスター展開に突入する後半にかけて生きる、死ぬのサバイバルを体験していく事になります。

あまりの速い展開に、長い上映時間の大作の総集編を観ているような感覚にさえ陥ります。

さらに、そこにディザスターだけではなく、本来のお目当てでもあるサメパニック展開が絡んできて、次々とサメの餌食になっていきます。

サメシーンは派手です

ですので、意外とサメがメインというわけでもなく、中盤ぐらいまでは閉じ込められた建物から、外に脱出するまでのディザスターアドベンチャー展開となっていますので、

ハリウッド作品の(ポセイドンアドベンチャー)のように出口までの通り道を塞ぐ障害をクリアしていったり、などの脱出アドベンチャー要素の濃い作品となっています。

分かりやすく危険な配電盤から電気が漏れているのでジャンプ!!
分かりやすく危険な電気を回避するために高い所に上れ!

で、後半になっていよいよサメ自体が、最大の障害となって道を阻んでくる、というクライマックスとなっていきます。

ディザスターものとサメパニックものを融合させるという設定は、これまでにも、トルネードとサメパニックを融合させた(シャークネード)シリーズや、

洪水に見舞われたスーパーマーケットでサメに襲われる(パニックマーケット)、

ハリケーンに襲われた日に、ワニが逃げ出してしまう(クロール凶暴領域)(詳しくはこちら)等、

非情に相性が良く、人気の設定となっています。

本作でも、津波とサメパニックとの融合と、なかなか分かりやすい設定で良いのですが、やはりどう考えても66分という上映時間の短さのために、

なんとなく、ごちゃごちゃやっている間にあっという間に終わってしまった、という感じで、印象に残るのは、

とにかく絶叫しながら外道の限りを尽くす御曹司役と、嫌みなことしか言わない主人公の上司役の陰湿ぶり、ばかりが後味悪く残る作品となっています。

悪党1位
悪党2位

人気者シュー・トントンも特に活躍することなく、一出演者という扱いでしたので、色んな意味で消化不良感の残る作品となっています。

というより、66分の作品で消化不良感の残らない作品、てあるのでしょうか。

いくら中国映画界が配信専用作品が多くなっているとは言え、流石に66分のサクッとした作品を映画作品ととらえて良いのか?という疑問も沸き上がります。

作品内容的にも少し豪華なテレビドラマ、ぐらいの印象なので、正直こういう作品がメインになってきてしまうと、

本当に製作されるべき映画館で上映するような、手間をかけたちゃんとした映画作品が、製作しにくい状況になっていくのではないでしょうか。

とは言いつつ、映画館での上映を目的とした作品も警察や政府のイメージを少しでも下げるような内容の作品には製作許可が下りない、

という状況は続いているようですので、本作のようなテレビドラマとほとんど変わらないような内容の作品に活路を見出すのは、もしかするとしょうがない事なのかもしれませんね。

という事で、66分という流石に、という短さの作品となっていますので、絶対に物足りない内容ではありますが、

ちょっとした隙間時間に鑑賞できる作品ではありますので、サメパニック好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

サメに乗りかかってグーパンチ攻撃を加えるシュー・トントンの夫
サメは潜らない

作品情報

2021年製作 中国製作 サメパニック

監督・脚本 ジュ・ジャン

出演 シュー・トントン、ユー・ボーリン、チョウ・シンエン、リュー・チェンユー、チョウ・ズーウェン

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