クロール 凶暴領域(CRAWL)88分

投稿者: | 2020年3月10日

お薦め度 ★★★★★☆☆☆☆☆

ハリケーンで浸水した街に蠢くワニ!取り残された父を助けるため娘は命をかけて救出に向かう!!

2019年製作 モンスターホラー

監督・製作 アレクサンドル・アジャ 製作 サム・ライミ

出演 カヤ・スコデラリオ、バリー・ペッパー

浸水する街

監督・製作はハイテンション、ミラーズなどのアレクサンドル・アジャ。共同製作に死霊のはらわたシリーズ、スパイダーマンシリーズのサム・ライミ。出演は主人公ヘイリーにメイズランナーシリーズのカヤ・スコデラリオ、共演に父親役でプライベート・ライアン、メイズランナーシリーズのバリー・ペッパーが演じています。

行く手には巨大ワニが、、

あらすじ

大学の競泳選手ヘイリー(カヤ・スコデラリオ)は姉からの連絡で巨大ハリケーンに襲われた故郷フロリダの町にいる父デイブ(バリー・ペッパー)と連絡がとれなくなっている事を知る。父は離婚後娘たちと疎遠になっていたため、最近はお互いにどのような生活をしているかも知らないような状態だった。そんな中で豪雨の故郷の実家に着いたヘイリーは地下室で動けなくなっている父を見つける。負傷している父を運び出すそうとした瞬間、なんと巨大なワニが襲ってきたのだ。動けない父、迫る浸水、近隣住民はほとんど避難していて人気のない町で、現在スランプ中の競泳選手は命がけの行動にでる、、。

渋みを増したバリー・ペッパー

アレクサンドル・アジャ監督のモンスターパニックアクション作品です。

アレクサンドル・アジャ監督の前作(ルイの9番目の人生)は、どちらかというとドラマ性の濃いファンタジー作品で、

かつての(ヒルズ・ハブ・アイズ)シリーズや(ピラニア3D)シリーズなどのようなエッジの効いたホラー作品はもう卒業してしまったのかと思っていましたが、

本作は残酷なシーンは少な目なものの、れっきとしたモンスターホラー作品ですので原点に戻ったような作品となっています。

やっぱりアジャ監督は、こういうジャンル作品でこそ、その魅力を最大限に発揮できるのではないでしょうか。

内容としては、ハリケーンの迫る中、避難するタイミングを逃してしまった父を助けるために、挫折した水泳選手である娘が、命がけで嵐の中助けに向かうが、

同時に嵐によって逃げ出してしまった巨大ワニによって逃げ道を塞がれる、、、

というディザスターパニック+モンスターパニックなB級魂溢れる作品となっています。

まず、主人公は挫折中のアスリートで、父は自身のコーチであり、父親はあまりに過程を顧みずにコーチに没頭するあまりに、

いつのまにか、妻との間に溝が生まれ、それを修復する事なく、その離婚、しかも娘も水泳選手として挫折してしまう、

という気まずい関係の中で、その後疎遠になってしまって、しばらくぶりにこのハリケーンが起こって、父親と連絡が取れなくなったので、

しかたなく、ハリケーンの中、しかたなく実家に帰ってくる、という燃える設定になっています。

ここにハリケーンとワニ、という乗り越えるべき壁が立ちはだかるわけです。

本題に突入してからは、ほどんど親子2人VSワニ軍団のバトル展開になっていきますが、そこに行き着くまでの燃える設定が既に出来上がっていますので、

戦いの中で、再び蘇る親子の絆も含めて、ドラマ部分が非常に盛り上がる作品となっています。

主演のカヤ・スコデラリオは(メイズランナー)シリーズのイメージが強いですが、本作のような少し影があるが困難を克服するために立ち向かい壁を乗り越えて行く、

という意志の強いヒロイン像にはピッタリですので、本作のような路線で今後大活躍を見せてくれそうです。

それよりも目を引いたのは父親役のバリー・ペッパーでした。

若いころはその風貌からどちらかというとヒール役が多かったように思いますが、年齢とキャリアを重ねて非常に渋いちょいワルおやじになっています。

本作では、過去に熱くなりすぎて人間関係で挫折を味わった父親像を見事に演じていました。

バリー・ペッパーもこの渋いチョイ悪オヤジ路線で大活躍してくれそうです。

という事で、本作はワニ映画という事で、B級感が凄く高いですが、しっかりとドラマ部分も作りこまれている完成度の高いB旧作品となっていますので、

パニックもの好きの方などご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

少人数が登場するディザスターパニックとモンスターパニックに必要な要素は全て揃っていると言っても良い作品です。

迫る巨大ワニ。ヤバいですね。

コメントを残す