【カンフー映画】ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 南北英雄(黄飛鴻之南北英雄THE UNITY OF HEROES)108分

投稿者: | 2023年5月17日

カンフー映画としてのおすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

チウ・マンチェクが久々にウォン・フェイフォン役を演じた娯楽派監督、リン・ツェンザオ監督による娯楽ドラマしっかりめ、ワイヤーアクション多めの新シリーズ開幕作!!

作品紹介

2019年2月8日公開

今回ご紹介する作品は、(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ)シリーズ4作目と5作目に主演したチウ・マンチェクが再びウォン・フェイフォンを演じた新シリーズです。

それでは、まずはあらすじから、

少林拳の達人であり高名な医師でもあるウォン・フェイフォンの経営する医院に火傷を負って狂暴化した男が逃げ込んできた。

謎の毒に犯されているその男を医院で匿い、治療を施そうとするが、毒の成分が分からないため処置できずにいた。

そんな時、街では次々と市民が失踪する事件が多発する。

フェイフォン一派は、街に新しく開業した外国人が経営する医院が怪しいと睨むが、そんな時新しく道場を開いた北派カンフー道場の師匠の挑戦を受けることになり、

事態は思わぬ方向に進んでいく事になるのだった!?

中国映画界でもひと際目立つリメイク版の(チャイニーズゴーストストーリー)(詳しくはこちら)や、(メガパイソン人間捕獲)(詳しくはこちら)(リスタートアース)(詳しくはこちら)(ジュラシックアース新たなる覇者)(詳しくはこちら)等、

娯楽映画を多く製作しているリン・ツェンザオ監督による(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ)亜流シリーズの新章スタート作品です。

本作と同年に別監督による続編(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ英雄復活)(詳しくはこちら)も製作されています。

主演は1992年製作のジェット・リー主演作(レジェンド・オブ・フラッシュファイター格闘飛龍)の敵役でデビュー後、

1993年にはジョイ・ウォン、マギー・チャン共演の(青蛇転生)(詳しくはこちら)等を経て、(ワンチャイ)シリーズ4作目と5作目に主演、

その後も(ブレード刀)(詳しくはこちら)等のツイ・ハーク作品や、ユエン・ウーピン監督の(醉拳レジェンド・オブ・カンフー)等のカンフー作品で活躍しているチウ・マンチェクで、

ツイ・ハークが映画版に続いて製作した1996年製作のテレビシリーズ以来22年ぶりのウォン・フェイフォン役にカムバックしています。

チウ・マンチェク
チウ・マンチェク

で、その弟子役で、武侠作品(摸金祖师)や、本作の続編(英雄復活)にも続投しているリー・ルービンが登場し、一番弟子のリャン・フー役を演じています。

非アクション系のキャストですので、ツイ・ハーク版で例えると第一作目のユン・ピョウが演じたカンフー自慢系よりも、

二作目以降を演じたモク・シュウチョンが演じた雰囲気重視のズッコケ系の一番弟子、というイメージのキャラクターとなっています。

リー・ルービン
リー・ルービン

で、弟子の中で一番目立っているツイ・ハーク版でホン・ヤンヤンが演じていた鬼脚七役を演じているのが、

ジェット・リー主演の(ドラゴンゲート空飛ぶ剣と幻の秘宝)や、ドニー・イェンも出演していた大ヒット作(画皮)の続編である(妖魔伝)、

そしてオールスターカンフーテレビシリーズ(少林寺伝奇)にも出演しているリー・ビンユアンで、

ホン・ヤンヤン版のイメージそのままに、動けるキャストとして、電光石火の足技を披露しています。

リー・ビンユアン
リー・ビンユアン

で、本作のラスボス役であり、南少林のウォン・フェイフォンに敵意むき出しで勝負を挑んでくる北派の師匠役で、

イップマン九龍)(詳しくはこちら)や、お助けマンと思いきや主演作の(スパイSPY デンジャラス&ビューティー)(詳しくはこちら)(スナイパーSNIPER キング&クィーン)等、

近年の中国作品で出演作の多いマイケル・トンがアクションを披露しています。

香港時代にはアーロン・クォック主演の(野獣の瞳)や、カレン・モク、ロレッタ・リー主演の(セクシー&デンジャラス 欲望の街 純愛篇 紅い疾風)等に出演しています。

偶然ですが(〇〇&△△)という邦題作品が多いですね、、、。

マイケル・トン
マイケル・トン

因みに、マイケル・トン、(イップマン九龍)の時の宣伝文句で、長年詠春拳を習っている実力派という触れ込みでしたが、

本作でも、その面影は全く確認できず、運動神経の良い渋めの小柄なおじさん、以上のイメージは残りません。

チウ・マンチェクも年齢を重ねたとはいえ、マイケル・トンが強敵に見える程には年齢を感じませんので、

正直、ラスボスがマイケル・トンという事で、もう少しプラスアルファが欲しかったところです。

ラスボスです。詠春拳を習っています。

で、そのプラスアルファに成りえたはずの役柄で、悪の異国人軍団の手先として登場するのは、トニー・レオン主演のイップマン映画(グランドマスター)や、

主演作(永生之戦)等、動けるレディドラゴンとして活躍しているウェイ・シャオファンで、

過去の因縁で、外国人の手先となってウォン一派の前に立ちはだかるものの、良心に目覚め後半ではウォン・フェイフォンの弟子として迎え入れられる重要な役柄を演じています。

ウェイ・シャオファン
ウェイ・シャオファン

個人的には、あまり凄さを感じない漂う マイケル・トンではなく、このウェイ・シャオファンウォン・フェイフォンとのバトルでラストを締めくくって欲しかったところですが、

強敵として登場しながら途中で仲間になる、というツイ・ハーク版の鬼脚七の役目も担っているようですので、

物語的にはその流れで良かったとは思うのですが、やはり、マイケル・とんが、、、。

で、ウォン・フェイフォンの許嫁(なのか本シリーズでの設定が良く分かりませんが、、)イー役で、

ブレイド・オブ・ウィンド斬風剣)(詳しくはこちら)等で、剣士に見えない剣士役をこなしていくウェイ・ニーが登場し、可憐な魅力を、振りまいています。

ウェイ・ニー
ウェイ・ニー

そこに、出番は少な目ですが物語を動かす重要な役柄であるマイケル・とんの弟子役で、(セブンソード黄泉がえりの七情花)(詳しくはこちら)等のシュー・ツェングオが登場し、

その確かなアクションスキルで、中盤では鬼脚七役のリー・ビンユアンと足技対決を繰り広げます。

シュー・ツェングオ
シュー・ツェングオ

という豪華なスタッフ・キャストが揃った本作の物語は、少林拳の達人であり高名な医師でもあるウォン・フェイフォンの経営する医院、宝芝林に、

大火傷を負い、狂暴化した男が逃げ込んでくるところから始まります。

男は何かの毒に犯されているようですが、原因がはっきりしない、という事で、暫く宝芝林で面倒を見ることになります。

一方西洋帰りのフェイフォンの恋人イーは、街に新規開業した東インド会社が経営する病院に働き口を見つけ、

そこに勤務する傍ら、火傷の男の血液を採取し、謎の毒を勤め先で調べ始め、その謎の毒が、アヘン以上に身体を蝕む薬の効果だという事を突き止めます。

一方、街には中国北部から新しい武術道場を開くために北派カンフーの達人ウー・ジェンナンとその弟子たちがやってきます。

到着早々に既に高名なウォン・フェイフォンに敵意むき出しですが、悪人というわけではないようで、しっかりと武道家としての作法はわきまえています。

そんな状況で、街では、次々と失踪者が続出していきます。

で、兵士の武術顧問でもあるウォン・フェイフォンは、将軍に街の不穏な空気を伝えますが。将軍は取り合ってくれません。

で、ある日、黒装束の男たちが、市民を誘拐しようとしている現場に遭遇し、それを阻止しようとした際に、

その黒装束が、何やら怪しげな液体を飲む事で、狂暴化し、強靭な体になった事で、本格的に事件に関わっていく事になります。

病院で毒を調べるイーも、自身が務める病院の様子がどうもおかしい、という事で、東インド会社が陰で行っている非人道的な実験が明らかになっていき、

その被験者であり、実験中に逃げ出した火傷の男を匿っている宝芝林にも危険が迫る、というのが、本筋となっていきます。

大筋としては、ツイ・ハーク版にあった薄れゆく伝統的な東洋文化が、新しく便利な西洋文化にとってかわられる時期の、

希望に満ちた未来と、それまでの古き良き時代が失われてしまう事への不安が入り混じる激動の時代の雰囲気が、

ほんのりではありますが、漂っていて、英語や、舶来品に関するお馴染みのギャグ等も挿入されますので、

ツイ・ハーク版のシリーズの延長上にある番外編として十分成り立つような世界観となっています。

ただ、続編では、この雰囲気は、【中国の領土を守ろう!】という完全に異文化排除へと変貌してしまいますので、

いろんな意味で、監督のリン・ツェンザオの多くの人が鑑賞できる娯楽性が出ている作品だと言えそうです。

物語的には、ウォン・フェイフォン作品のお約束展開をベースに、近年のヒーロー映画等でも見かけるような、狂暴化する変身薬を飲んだ強敵とバトルを繰り広げるという

ちょっとしたSFアクションのような流行りも取り入れ、さらに娯楽要素を高めています。

弟子たちの微笑ましいお笑いパートや、イーのおのろけエピソード等も、続編よりも物語に上手く活きていて、作品としても見所の多い作品となっています。

ただ、アクションに関しては、続編で、ムチミヤ、澤田拳也、等の強敵が登場し、ラストバトルではスタントを極力排した、ちゃんとしたアクションが楽しめる(英雄復活)に対して、

本作では、かなりのアクションでワイヤーワークを多用しているため、リアルな武術アクションとしての面白みはほとんど無く、

ワイヤーに吊られ放題に吊られているファンタジー系の武侠映画のようなアクション

になっているのが、カンフー映画であるはずのウォン・フェイフォンものとしては非常に残念な部分となっています。

アクションは、空中戦率高め

全然強敵に見えないマイケル・とん、実力派なのに見せ場を作る前に味方になってしまうウェイ・シャオファンと、

盛り上がりに欠け、唯一鬼脚七役のリー・ビンユアンマイケル・とんの弟子役シュー・ツェングオの動ける者同士の足技バトルだけが本気の名勝負が見れる状況ではありますが、

中国作品特有の激しいカット割と、手のアップや、打撃を受けているパーツのアップ等の多様で、

誰でもできるわけではないアクションを、誰にでも表現できるような表現にダウンコンバートされてしまっていますので、

そんなには盛り上がることの無い、ちょっとしたアクションで終わってしまっているのが、また残念です。

さらに、このリー・ビンユアン、スケジュールの関係か、何故か鬼脚七ごと続編の方には登場せず、代わりに本作に登場しなかったウォン・フェイフォンの医師方面の弟子であるソーが登場し、

動けない弟子達と共に、騒がしいだけで、微笑ましさも失われていくのが、残念です。

これだけ活躍しているのに何故か説明なく続編には登場しない鬼脚七

という事で、アクション的には残念としか言いようがないですが、物語的にはしっかりとウォン・フェイフォン映画としての雰囲気を味わえますので、

ワンチャイ)シリーズ好きの方や、香港映画好き、カンフー映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

2018年製作 中国製作 カンフーアクション

監督 リン・ツェンザオ 製作 チウ・マンチェク

出演 チウ・マンチェク、マイケル・トン、ウェイ・ニー、リー・ビンユアン、リー・ルービン、シュー・ツェングオ

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