【推薦!カンフー映画】ブレード/刀(刀THE BLADE)105分

投稿者: | 2020年11月5日

カンフー映画としてのお薦め度 ★★★★★★★★☆☆

片腕を失った男の復讐の必殺剣が唸る!!ツイ・ハーク監督のワイルドを極めた傑作リベンジブレードアクション!!

主役のテンゴン役、チウ・マンチク
親友役、チャン・ホー
そして、宿敵役シャン・シンシン

作品紹介

1998年1月24日公開

今回ご紹介するのは、ツイハーク・監督・製作・脚本・編集を手掛けた入魂のカンフーアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

刀鍛冶屋で働くテンゴン(チウ・マンチク)は、町で僧侶が漁師たちに襲われている現場を目撃する。

助けに入ったが既に遅く、僧侶は惨殺されてしまう。

この事件の報復にテンゴンの仕事仲間であるチュタオ(チャン・ホー)は仲間を引き連れて出かけようとするが、

漁師たちの策略にあい、刀鍛冶の師匠の一人娘リンがさらわれてしまう。

リンを助けるため、一人で漁師たちの元に向かったテンゴンだったが、激しい戦いの末に右腕を失い、谷底へと落下する。

九死に一生を得たテンゴンは、復讐のために片腕だけの特訓を開始する!!

刀をメインにした物語

ジミー・ウォング主演の(片腕必殺剣)の実質的リメイク作品です。

本作製作当時、ジェット・リーで人気の復活したウォン・フェイホンシリーズが大ヒットし、その後シリーズを離脱したジェット・リーに変わり本作主演のチウ・マンチクにバトンタッチ、

交代後のシリーズも好調で、ひと段落ついたところで、満を持しての本作製作、といったところでツイ・ハーク監督入魂の作品となっています。

とにかく、本作の作品全体を包む迫力というか、熱気が迸っています。

物語としては、幼き日に孤児となった主人公が、刀鍛冶の師匠に拾われ、やがて争いに巻き込まれて片腕を失いながらも、残った片腕を鍛えて、自身の復讐のため、親の復讐のために戦いに挑む、

という王道の復讐アクションですが、本作は他の作品と違い、

その世界観が独特となっています。

主人公テンゴンの暮らす刀鍛冶屋
独特の映像感覚

基本的にとにかくワイルドで、男臭く、犯罪や略奪が横行している地域(時代?)が舞台となっていて、人の命が簡単に奪われる世界観です。

そこに住む人々も、気性が荒く、主人公たちが街で見かけた僧侶(他人)が、襲われている現場を目撃しても、まるで自分の家族が襲われたかのように刀で復讐のために襲い掛かります。

僧侶を助けてあげる事は善行ですが、助けるために刀で簡単に切りかかる、という荒々しさです。

街で襲われる僧侶。僧侶も荒々しいです。

本来正義であるはずの立場の人物でさえ、この調子ですので、町、というかこの世界に登場する人物全てが、そんな感じの荒々しさです。

そんな世界の中で主人公は片腕を失い、絶望しながらも復讐のために片腕必殺剣を習得しますが、

この必殺剣がとにかくカッコ良く表現されています。

失った側の腕を軸にクルクルっと回転して持っている刀で切りかかります

クルクルっスパッ!

このアクションが、チウ・マンチクの超絶体術で表現されていて、まるで漫画みたいなアクションを、本当に実在する必殺剣のように違和感なく表現されています。

それまで、片腕となってしまった主人公は、他人から嫌がらせを受けたり、虐げられたりして辛い思いをしますが、この必殺剣を訓練し、習得する事で人間性を取り戻していきます。

そして、自分の両親の仇であるシャン・シンシンと対決することになりますが、このラストのバトルがカンフー映画史に残るような名勝負となっています。

名勝負の始まり!!
逃げ場のない通路での一騎討ち!!

それまでにも夜間の雨が降る中でのアクションや、多勢対一人の集団アクションも見せ場としてありますが、

このラストの名勝負は、それだけで映画作品1本分の価値があるぐらいの名勝負となっています。

シャン・シンシンの方は、円月刀のような反り返った剣の二刀流で、チウ・マンチクの方は父親の形見の折れた刀に長い鎖をつけて、その鎖を腕に巻き付けて、刀を投げたり、クルクルっと回転させたりします。

シャン・シンシンの武器の構え(実際は前方に敵がいるので隙だらけの気がしますが、、)
テンゴンの武器は刀に鎖をつけてクルクル回します(空飛ぶギロチン風)

この武器を使ったアクションの対決を、(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ)シリーズでも息の合うところを見せているアクションスキルの高い二人が演じていますので、かつてない見せ場となっています。

超絶アクション!!
途中、おそらく本人とスタントダブルがワンカットで時間差フレームインというカットも有り

映像的にアップが多かったり、カット割りが激しかったりと今観返すと多少見にくい面もありますが、

それを吹き飛ばすぐらいの勢いと迫力があり、なんだかんだと胸が熱くなる、男泣き名勝負となっています。

早すぎて、ぼーっとしてると何をやっているのか分からなくなります
このラストの名勝負は瞬き厳禁です!

ただ、一つだけどうなのか、と思うのは、狂言回し的に登場する師匠の娘が、物語上あまり必要とは思えず、

娘視点のナレーションが所々入りながら物語が進み、ラストも娘の切ないシーンで終幕となりますので、

最終的にあまり登場しない娘の物語としてまとまってしまっています。

そのために、あれほど熱い男たちの戦いが描かれているのに、若干ですが、感情移入しにくい流れとなってしまっているのが少し残念です。

もっと、主人公二人と、敵役の物語に絞って展開していけば、分かり易くなったような気がしますが、どうなのでしょうか。

というか、この娘のキャラクター自体が容易に感情移入できるようなヒロイン像とかけ離れていますので、荒んだ世界観を描くにしてもヒロインはもっとまともでも良かったと思います。

というように、本作は非常に男臭い作品ではありますが、全体を包む映像は独特で他に類を見ないワイルドなカンフーアクションとなっています。

それほど有名な作品ではありませんが、アクション好き、カンフー映画好き、香港映画好きの方でしたら、十分楽しめる作品となっていますので、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

主人公は去っていきます、、、。

作品情報

1995年製作 香港製作 カンフーアクション

監督・製作・脚本・編集 ツイ・ハーク 製作総指揮 レイモンド・チョウ

出演 チュウ・マンチク、シャン・シンシン、チャン・ホー、ソニー・スー

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