FALL/フォール(FALL)106分

投稿者: | 2023年6月11日

おすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆

SNS動画撮影のため地上600Mの鉄塔に上った二人の女性の想像を絶するサバイバルを描いた高所恐怖症の人は見ない方が良いぐらいに緊迫感満載のシチュエーションサスペンス!!

作品紹介 

2023年2月3日公開

今回ご紹介する作品は、地上600Mの鉄塔から降りれなくなった二人の女性の決死のサバイバルを描いたシチュエーションサスペンス作品です。

それでは、まずはあらすじから、

フリークライミングでの登山中に夫を亡くしたベッキーは、その後1年経っても悲しみは癒えず、人生に絶望していた。

そんなある日、親友のハンターは、ベッキーをなんとか元気づけようと、地上600メートルの高さまでそびえるテレビ塔に一緒に登ろうと提案する。

一度は断るベッキーだったが、なんとか自身を奮い立たせて鉄塔制覇を目指す事にしたが、その鉄塔は老朽化が進み、非常に不安定な状態の鉄塔なのだった!?

地上600Mの鉄塔で繰り広げられるサバイバルを描いたシチュエーションサスペンス作品です。

監督はロバート・デ・ニーロ出演の(タイム・トウ・ラン)や、デイブ・バウティスタ主演の(ファイナル・スコア)等の

スコット・マンで、低予算系の作品ながらも緊迫感満載のサスペンス描写で、秀作を製作しています。

製作者の一人が、(海底47M)のマーク・レーンという事で、宣伝文句的には、同じようなサバイバル、とうのが一つの売りのようですが、

実際マーク・レーンは5人いる製作者の中の一人、という感じですので、そこまで強権があるようには思えませんが、

それでも、内容的には(海底47M)と結構同じような展開になるサスペンス作品となっています。

主演は(シャザム!)シリーズや、(アナベル 死霊人形の誕生)等のグレイス・キャロライン・カリーで、

精神的に追い込まれながらも、なんとか自分自身を奮い立たせようとする主人公を好演しています。

グレイス・キャロライン・カリー
グレイス・キャロライン・カリー

で、その主人公の親友役で、(プロジェクトアルマナック)や、(ハロウィン)(詳しくはこちら)等のヴァージニア・ガードナーが、

親友を旅に誘う重要な役割で登場します。

ヴァージニア・ガードナー
ヴァージニア・ガードナー

で、出番は少な目ですが、主人公の父親役を、(ウォッチメン)や(アンホーリー忌まわしき聖地)(詳しくはこちら)等のジェフリー・ディーン・モーガンが演じ、

娘をいつも優しく見守る父親を好演しています。

ジェフリー・ディーン・モーガン
ジェフリー・ディーン・モーガン

そんなスタッフ・キャストで描く本作の物語は、まずはいきなりの登山シーンから始まります。

で、その冒頭のシーンで、割といきなりですが、主人公であるグレイス・キャロライン・カリーの夫が滑落してしまい、

その後、その夫の死を受け入れられないグレイスが、酒と薬に溺れる毎日を過ごす事になり、そこから1年が経過したところから本題に入っていきます。

酒浸りの毎日で生きる気力も失ってしまったグレイスをなんとかしようと、一緒に登山に上っていた親友のヴァージニア・ガードナーが1年間の旅から戻り、

少しでも前進するために砂漠地帯にある600メートルの高さのテレビ等に、SNSの動画配信用の撮影のために一緒に登ろうと誘い出します。

で、一度は断ったものの、なんとか思い直して二人で、鉄塔制覇を目指す事にします。

現地に着いてみると、立ち入り禁止の柵で覆われて入れなくなっていますが、SNSの動画を撮影したくてしょうがないヴァージニアと、

夫の遺灰を頂上から撒く、と決めたグレイスは、柵を乗り越えて鉄塔に辿り着き、いよいよ上り始める、、

という感じで、その鉄塔へ上るための前置きのドラマをしっかりと描きつつ、見せ場となる鉄塔シーンへと移っていきます。

そかし、この鉄塔が、誰がどう見ても、上ってはいけない、というか、登れないような、老朽化した鉄塔で、

錆でボロボロ、梯子を止めているネジなんかも、かなりグラグラで、上る度にギシギシと音を立てるような危険すぎる梯子で、

そこを、2人の女子は、かなりの軽装で、上り始めます。

登山道具なんかもほとんどなく、靴なんかはブカブカっぽい感じのコンバースのスニーカーで、衣服も本気のララ・クロフトぐらいにペラペラのタンクトップにペラいシャツを一枚羽織っただけ、

という、近所に買い物にいくような恰好で、地上600Mのボロボロ鉄塔に挑んでしまいます。

誰が見ても不安感満載ですが、やっぱり頂上到達と同時に、上って来ていた梯子がバキンと取れて落ちてしまい、

頂上に取り残されて、そこから本当の本題であるシチュエーションサバイバルサスペンス展開へと突入していきます。

ここまでで、40分程で、そこからその狭いスペースでのサバイバル描写だけで、1時間以上ドラマが展開される、

という事で、そんなに色々出来事が起こるのか?と心配にもなりますが、ここからが本作のスコット・マン監督による演出力の良さで、

それまで散りばめていた無数の不安な伏線等が、上手く作用し、それが次々と困難となって二人に襲い掛かります。

その困難に対する対処法も、すでに前半で伏線として説明されているので、前半と後半でしっかりとしたドラマが描かれていきます。

さらに、主演二人の緊迫感溢れる名演や、見事な合成撮影も伴って、後半は非常に手に汗握る展開となっていきます。

ただ、こういうサバイバルパニック作品を多く鑑賞している方ですと、似たタイプの作品で、後半の二人の間で展開されるドラマティックな展開や、

クライマックスに繋がる展開等、どこかの作品で見たような流れになりますので、少々予測がついてしまうかもしれませんが、

それを差し引いても、緊迫感満載のサバイバルパニック演出は、十分堪能できますのでパニック作品好きの方や、

サバイバル作品好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

ただ、高所恐怖症の方は、鑑賞しない方が良いかもしれません。

私も、高所恐怖症気味ですが、観ていてへとへとになってしまいました、、、

それだけ、緊迫感がある、という事だと思いますが、、、。

作品情報

2022年製作 イギリス・アメリカ製作 サスペンス

監督・製作・脚本 スコット・マン 製作 マーク・レーン

出演 グレイス・キャロライン・カリー、ヴァージニア・ガードナー、メイソン・グッディング、ジェフリー・ディーン・モーガン

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