【中国映画】暗殺(唐门:美人江湖THE TANGS` CREED)89分

投稿者: | 2023年4月9日

おすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆

悪人の悪事を予知する機械に従って、悪人を抹殺する組織のリーダーが、逆に自身が抹殺される側になって組織と激突する(マイノリティリポート)武侠女性版的なレディースアクション!!

作品紹介

2023年2月3日公開

今回ご紹介する作品は、暗殺者組織同士の戦いを描いた女性主人公の武侠アクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

唐代の中国、暗殺組織(唐門)は、一族の秘宝(陰陽眼)によって、予知された未来の悪人を事前に殺害する事で、世の平和を守っていた。

そんなある日、組織を束ねる立場の唐無煙が、抹殺されるべき標的として予知されてしまい、逆に組織を相手に孤独な戦いを強いられる事になるのだった!?

女性主人公達が彼に舞い、激突する武侠アクション作品です。

原題の(唐門:美人江湖)が示すように美人が大挙して登場し、男性陣は、基本的に女性よりも武術が劣る、という世界観の物語となっています。

ジャンルは少し違いますが、(女帝軍団アマゾネスウォリアーズ)(詳しくはこちら)に世界観的には少し近いかもしれません。

そちらの原題も(美人国)と似たイメージのタイトルとなっています。

で、そんな女性がカッコ良く描かれている本作のタイトル通りに容姿端麗なキャスト陣は、わがまま放題に育った暗殺組織のリーダーから、一転して命を狙われる側になってしまう主人公役で、

男たちの挽歌)のティ・ロンも出演している(大魚)に出演しているワン・ジアリーが天真爛漫な状態から色々経験し、

成長を遂げていく女性剣士を魅力いっぱいに演じています。

ワン・ジアリー
ワン・ジアリー

冒頭では主人公の部下的な立場ながらも、やがて主人公を追い回す側になる後の暗殺組織のリーダー役を、

香港から(フェイタルレイド)(詳しくはこちら)やドニー・イェン主演の(レイジングファイア)(詳しくはこちら)等のアクション作品で活躍しているジーナ・ホーが参加し、

野望の果てに暴走するラスボスを演じています。

レジーナ・ホー
ジーナ・ホー

さらに、主人公の師匠で、立場が変わってしまってからは刺客として戦う事になってしまう役柄で、おそらく知名度的には本作一番のセールスポイントとなっている

唐人街探偵東京MISSION)(詳しくはこちら)や(ハンターエンジェルズ)(詳しくはこちら)等で大人気のクララ・リーが登場し、

出番は少な目ながらも、見せ場を完全に攫っていきます。

クララ・リー

ハンターエンジェルズ)もそうでしたが、本編中では大して活躍しないのに、まるで主演のように宣伝ポスターやDVDジャケットに採用されるほど、

作品のセールスに関わる人気ぶりなのだと思われます。

そうなってくると、ちゃんとした主演作品が観たいところですが、、、。

クララ・リー

さらに、後半ジーナ・ホーと激突しラストバトルに向けて重要な存在となってい行く組織の幹部役を、(王朝の陰謀)シリーズの最新作(狄仁杰之通天赤狐)にも出演している

ジン・ヨウメイが演じ、クライマックスを盛り上げていきます。

ジン・ヨウメイ
ジン・ヨウメイ

そして、暗殺者組織の幹部で、登場シーンは少な目ですが、主人公を追い回す側の役柄で、チョウ・ユンファ主演の(ラストシャンハイ)や(ゴッドギャンブラーレジェンド)シリーズの全3作、

そしてイーキン・チェンの出世作(欲望の街)シリーズの続編(古惑仔:江湖新秩序)に出演しているトン・フェイが、

不安感を煽るような味付けを加えています。

トン・フェイ
トン・フェイ

という豪華、女性キャストに、主人公のサポート兼ラブロマンス要素担当(男性主人公作品のヒロイン的な役割)で、

アクション作品(幽灵毒枭)等のイヴァン・ワンが登場し、アクションも見せつつ、主人公の相手役を演じています。 

イヴァン・ワン
イヴァン・ワン

という非常に魅力的なキャストが揃った、日本でも劇場公開された武侠作品である本作の物語は、例によって誰も知らない独特の世界観を、

ナレーション一発で済ませつつ、早速メインの舞台である美人江湖の世界観が描かれていきます。

主人公達が所属する暗殺組織【唐門】の活躍がメインとなってくるのですが、この組織の活動の中心に、

「陰陽眼」という謎の秘術とからくり装置によって起動する【予知装置】のような存在があって、その「陰陽眼」が予知した未来の犯罪者を事前に察知して、

『カシャカシャカシャ』
『ウィィィィン』
『チーーン!徐河図を殺れ!』

先回りして先に抹殺してしまう、というトム・クルーズ主演、スピルバーグ監督の(マイノリティリポート)をもっと極端にしたような世界観で、

その暗躍を女性メインで武侠アクションシーンたっぷりに描く、というのが本作の見所となっています。

さらに、裁く側の主人公が、突然自身が未来の犯罪者という予知によって、一転して追われる側になる、という基本的な物語展開も本家そっくりな作品となっています。

ただ、近未来が舞台で男性が主人公だったオリジナルに対して、SFでしか表現できないような物語を女性が活躍する武侠世界に置き換えた事で、

SF的な雰囲気は一切感じない、意外にちゃんとした武侠作品となっています。

さらに、本作はキャラクターを女性に設定した上に、ワン・ジアリー演じる主人公が、冒頭では非常に傲慢で、他人の事をなんとも思わないようなわがまま娘兼組織のボス、

という、とても感情移入はできないようなキャラクターとして登場します。

わがまま過ぎる主人公

組織の他のメンバー(部下)は、立場上従っているけれども、あまりの自分勝手ぶりに実は影では嫌っている、

という所から始まり、自身が抹殺対象に選ばれた事で、逆に嫌われていた者たちに命を狙われ、どん底に落とされてしまう、

という大きな挫折を味わったうえで、逃亡中に出会った男性キャラクター、イヴァン・ワンと出会い、

ツンデレぶりを発揮しつつ、自身がいかに他人の事を顧みずに自分勝手に生きてきたかを、身をもって知ることになります。

元々、性根が腐っている悪人としてのわがままな性格ではなく、幼少期より党首に祭り上げられて、他人を気遣ったり、相手を思いやったり、

という必要な経験や教育を受けてこなかっただけで、今、初めて色々と経験していっている、という感じです。

初登場時は到底感情移入出来ないようなキャラクターだった主人公(最初は主人公とも思えないぐらいです)も、

少しずつ成長するにしたがって、非常に魅力的に見えていきます。

主人公の大好物として何度となく登場するお菓子が、実は過去の出来事の重要な要素になっていたり、他人に気遣いのできないわがまま放題の少女が、

何故先代から大人数を束ねる暗殺組織の党首に選ばれたのか?等、ドラマチックな要素が上手く散りばめられ、それぞれが、物語を盛り上げる要素になっていきます。

イヴァン・ワンの方も、泥棒という立場ながらも、しっかりと主人公をサポートし、後半になると自身が泥棒ミッションをこなしている本当の目的も明らかになっていき、

ただのお飾りヒロイン的な役割だけではなく、一人の魅力的なキャラクターとして存在感を発揮していきます。

さらに一緒に行動していた頼りなさそうなイヴァン・ワンの師匠も、ここぞという時には、実は物凄い実力者だというちょっとした意外な展開で、

コメディリリーフからお助けマン要員へと昇格し、物語を盛り上げていきます。

クライマックスも他の武侠作品にありがちな、お涙頂戴悲劇のラブロマンス展開だけでは終わらせず、暗殺組織の内紛、という暗いイメージの作品ながらも、

明るめに終わるラストシーンも含めて、他の多くの同様の武侠作品とは、一味違った物語やキャラクターに感情移入できる娯楽武侠作品となっています。

ただ、物凄く重要人物っぽく扱われている主人公の師匠であるクララ・リーが、実際はそれほど活躍しなかったり、

後半かなり重要人物になるジン・ヨウメイも、後半になるまでほとんど登場しなかったり、という感じで、

女性キャストの活躍がそれぞれパートタイムっぽい登場の仕方が残念でありますが、それぞれの登場キャラクターがしっかりと活躍する娯楽要素溢れる物語となっています。

ただ、アクションに関しては、女性メインですので、武術系のキャストが存在せず、

結果的に武術アクションにCG等で味付けしていくような香港系の武侠アクションではなく、派手なCGをメインで描いて、

人物はそこに手を添える、か、ワイヤーでくるくる回っている、という感じのアクションが中心なので、

武術アクションを観ているという感覚が薄いのが少々残念ですが、

魅力的なキャラクターと容姿端麗な豪華キャスト、そして娯楽要素に溢れるストーリー展開で武侠アクションとして十分楽しめる作品となっていますので、

香港映画好きの方や、武侠作品好きの方など、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

それにしても、オリジナル過ぎる武侠作品は、登場人物や、キーになるアイテム等の重要な要素に、やたらと日本に存在しない漢字が登場して、

世界観を把握するのに、毎回時間がかかりますね、、、。

作品情報

2022年製作 中国製作 武侠アクション

監督 ルオ・リー

出演 ワン・ジアリー、クララ・リー、ジーナ・ホー、イヴァン・ワン、ジン・ヨウメイ、トン・フェイ

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