おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
マイケル・J・ホワイトとミッキー・ロークが製作総指揮も担当して出演した、温めのホームインベイジョンサスペンスアクション!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、早すぎた本格派マイケル・J・ホワイトとミッキー・ロークが共演したアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
任務中に自身の放った銃弾によって人質親子が亡くなる事件によってPTSDを患った麻薬取締局の捜査官ジェームスは、
気分転換のために娘二人を残して夫婦で旅行に出発するが、
その留守時に、自宅の以前の住人である犯罪者兄弟が、床下に隠していた大金を回収するために襲撃にやって来るのだった!?
(スポーン)の頃が懐かしい、早すぎた本格派マイケル・J・ホワイトと、猫パンチミッキー・ロークが製作総指揮も担当し、
主演の二人を演じたサスペンスアクション作品です。
ただ、予想通りではありますが、基本はほぼマイケル・J・ホワイト主演の物語に、ミッキー・ロークも登場する、程度の共演で、
この主演二人が一緒に映るシーンは最後の一瞬だけで、クライマックスでわざわざ銃を置いて、素手での激突展開に入るにも関わらず、
ミッキー・ロークの方が、なよっとした猫パンチ以下の攻撃を仕掛けたところ、あっさり現役のマイケルに軽くあしらわれて、
吹っ飛んでクローゼットの扉をぶち破る、という見掛け倒しにもほどがあるラストバトルが繰り広げられます。
という事で、ミッキー・ロークは良い所無し、という感じが残念な作品となっています。
物語の大筋としては、麻薬取締局の戦闘員マイケルが、悪漢と戦う任務中に、銃撃で敵を惨殺しまくった挙句に、
勢い余って、人質となっていた親子も撃ち殺してしまう、というとんでもない事件(一応事故となっているようですが)によってPTSDを患ってしまい、
そのまま休暇をとってみたところ、多感な時期の二人の娘の粋な計らいで、夫婦水入らずで旅行に出かける、という所から始まります。
で、ミッキーの方は、服役を終えて出所したての元囚人で、どうも服役前に大金をせしめていたようで、
その大金をどこか秘密の場所に隠している、という事で、出所後に早速ゲットしに行く事になりますが、
これが何故か自身では行かずに、3人の弟たちに完全に任せる、という事になります。
不自然ですが、要するにミッキーは本筋からはなんとなく離脱して、大金の回収に奮闘する弟たちの物語に移っていく、
というミッキーの出演シーンをできるだけ少なくする、というセガール作品や、近年のブルース・ウィリス作品のような省エネ展開へと突入していきます。
で、その大金の隠し場所というのが、まさかの今現在マイケル一家が住んでいる一軒家で、床板を軽く外せば、無造作に大金が転がっている、という安易な隠し場所となっています。
で、マイケル夫婦が旅行に出かけた隙に、ミッキーに大金回収を頼まれた弟たちが襲ってくる、というホームインベイジョン展開へと突入していきます。
多少の不自然はあっても、大筋では分かりやすいサスペンス展開で、面白くなるかどうかは製作者の腕次第、という内容なのですが、
節々に漂う温い設定のために、終始緊迫感が高まりそうで、全然高まらない、という展開が多くなっていってしまいます。
ツッコミどころが満載、とも言えそうですが、まずはマイケル、
冒頭の勢い余って人質惨殺事件によって患ったPTSD、物語中で何度も撃たれた後の親子のシーンが繰り返し、繰り返し流れ、
しまいには、絶命しているはずの親子が、パチリと目を開いてマイケルをにらむ、というホラー映画のようなシーンに切り替わっていきます。
さらに病状は進行し、物凄いレベルの幻覚を見まくってしまうので、精神科の医師のカウンセリングも受け、
自分の手を見ながら『これは、現実だ。これは、現実か?』と声に出して自問自答しなければならいぐらいに、
白昼堂々と普通に幻覚を見てしまうレベルまでの症状が出ている、という危うい状況にまでなってしまいます。
完全に入院レベルだとは思われますが、この繰り返し流れるPTSD描写に反して、マイケルの強靭な戦士にしか見えない佇まいと表情(常に眉間に皺がよっている感じです)が、
どうしても精神的に悩みを抱えている人物には見えない上に、結局そのPTSD設定は、物語展開にはそんなに影響しない、
という、長い時間かけて描かれる描写の分数には見合わない設定の薄さに、やはり温さを感じる作品となっています。
後半の逆襲に転じる展開や、ラストバトル等で、もう少し、このPTSDを理由にピンチに陥る、等があればもっと盛り上がったとは思われますが、
ちょっと目がくらむ程度で、娘奪還の時にも、あっさりと悪漢を倒していき、あっという間にミッキーさえもクローゼットの扉まで吹っ飛ばしてしまいます。
という事で、クライマックスの見せ場も短めの分数で、さっさと決着、という感じですので、振り返ってみると本作のメインは、
大金を回収するために、何度もマイケル宅への侵入作戦を、決行する、しないのもどかしい展開が本筋となっていて、
本題に入ると早めに終わってしまう、というホームインベイジョンものとしても温さを感じる作品となっています。
一番の見所は、3兄弟で、深夜にマイケル宅に忍び込もうとした時に、
PTSDで夢遊病の症状がでているマイケルが、寝ながら銃を片手に歩きだし、忍び込もうとしている3兄弟に向けて偶然発砲する、
という奇跡のトンデモ展開(でも本人含めてマイケル家族は奇跡の偶然で侵入者を撃退できている事には誰も気づいていないので、ドラマ的にはあまり意味がない)が、
本作の見せ場のピークではないでしょうか。
という事で、なかなか温めの作品ですが、二大スターの一応共演シーンもあり、一応(バーチャルウォーズ)のジェフ・フェイヒーなんかも登場しますので、
アクション好き、サスペンス好きの方などご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
それにしてもミッキー・ローク、肥えた上に、特殊メイクのような顔面が、ナチュラル(シンシティ)、という感じになってきましたね、、、。
作品情報
2022年製作 アメリカ製作 アクション
監督・製作・原案 アシフ・アクバー 製作総指揮 マイケル・J・ホワイト、ミッキー・ローク
出演 マイケル・J・ホワイト、ミッキー・ローク、ジェフ・フェイヒー
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