【レア作品!香港映画】キョンシー・チャイルド精霊夢童子(小祖宗LITTLE MASTER小子)

投稿者: | 2022年7月30日

おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

蘇った子供キョンシーを大人から守るため、近所の子供たちが奮闘する、武術アクション要素のほとんどないキョンシーアクション作品!!

作品紹介

日本未公開作品

テレビ放映題 リトルマスター/キョンシーキッドの冒険

今回ご紹介するのは、子供キョンシーと友達になったわんぱくが大活躍するキョンシー作品です。

それでは、まずはあらすじから、

ある遺跡から愛新覚羅王朝時代の棺が発見された。

しかし、その棺には子供キョンシーが埋葬されていたため、災いを防ぐために、再び棺を埋めようとするが、隙を見て子供キョンシーが逃げ出してしまう。

逃げ込んだのは近所に住む心優しい少年、小宝の家だった。

奇妙な共同生活を重ねるうちに小宝と子供キョンシーは友情で結ばれていく。

しかし、そんな二人に道士達の捜索の手が延びるのだった!?

霊幻道士)の大ヒットを受けて台湾で製作された(幽幻道士)がさらに大ヒットし、にわかに巻き起こったキョンシーブームにのって製作された、

台湾製のキョンシーキッズムービーです。

キョンシー作品は、ぴゅんぴょんと飛び跳ねるキョンシーのユニークさと、近くにいる時は、息を止めなければいけない等の大体の共通ルールと、

大人キョンシーには怖さを、子供キョンシー等が登場する場合は、その可愛さを感じることができ、そこに香港・台湾等のアジア圏以外では真似できないような超絶アクションが加わって、

独特の作品世界の魅力となっています。

そこで、本作ですが、本作はその武術アクションの側面をほとんど取り払ってしまって、大人キョンシーも登場しない、

という大胆な選択をする事で、より子供たちと子供キョンシーの友情物語が浮き彫りになるような構成になっています。

ですので、作品の全体的なイメージとしてはキョンシーアクションや、キョンシードラマ、というよりも、

ちょっと変わった新しいお友達を、悪い大人たち(子供目線では)から守るために奮闘するわんぱくキッズたちの友情物語、という感じになっています。

意外ですが、こういうちょっとしたシーンも後に伏線として回収されます。

で、さらに本作は、どういうわけか、物凄くご近所感、というか、町内会で撮影したような肌触りがある作品ですので、

より子供たちによる子供サイズのアドベンチャー感を感じられる作品となっています。

キッズアドベンチャー

この手作り感は、なかなか普通の映画作品では出せない雰囲気ですので、そういう意味でも非常に作品世界とマッチした貴重な作品と言えるかと思われます。

キッズスプロイテーションムービーといった感じでしょうか。

そんなご近所感覚の作品ですが、キャストに関しては、まさかの実力派が出演しています。

まず主役の小宝を演じているのが、後にチョウ・ユンファ主演の(ゴールデンガイ)や(過ゆく時の中で)等で、

天才子役として絶大な人気を獲得するウォン・コンユンです。

その芸達者ぶりは、本作でも既に発揮されていて、ほとんど出ずっぱりで、物語をけん引しています。

ウォン・コンユン

そして、もう一人、道士役で、(残酷ドラゴン 決闘!竜門の宿)や、(山中伝奇)等のキン・フー作品で大活躍していたシー・チュンが登場し、作品世界を盛り上げています。

正直、そこまで名の通ったレジェンドが出演していること自体が奇跡のようなキャスティングとなっています。

そんな意外に魅力的なキャスティングが実現しているご近所キョンシー作品の物語展開は、オーソドックスではありますが、意外にしっかりしています。

棺から復活したてのころは、意外に狂暴で、結構血と肉を求めるような行動と表情で登場するのですが、

子供達と友情を深めるうちに、人間性(というのも変ですが)を取り戻し、笑顔もだんだんと見せるようになっていく、という過程が、意外に詳細に描かれていきます。

で、本作の一番の見どころであるクライマックスでは、人間とキョンシーという相容れない世界でお互いに共存するのは不可能、

という事で、ある悲しい決断を迫られる事になります。

な、、、泣ける、、。

このラストシーンは、それまでのご近所感が一挙に吹き飛ぶぐらいの涙腺の緩む展開で、それまでのちょっとした要因も伏線として回収し、

クライマックスを盛り上げるようになっています。

意外に伏線が効いています

見方によっては、可哀そうすぎるラストで、子供向けの作品で、その展開はどうか、とも言えそうですが、

大人が鑑賞して、胸にグッと来るぐらいですので、そこまで描かれてきた物語の積み重ねが上手く作用したしっかりとしたラストシーン、と言えるのではないでしょうか。

でも、やっぱり、ちょっと悲しすぎるとは思いますが、、、。

という事で、キョンシー作品というより、子供達の友情ドラマとなっていますので、香港映画好きの方や、台湾映画好きの方などご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

それにしても道士自体は、キョンシー作品中でも上位に入るぐらいに沢山登場するので、もう少しアクション要素が欲しかったですね。

作品情報

1987年製作 台湾製作 キョンシーアクション

監督 ヤン・リークォ

出演 シー・チュン、コー・イーチン、ウォン・コンユン、イェン・ニン

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