【レア作品!香港映画】ジョイ・ウォンの時空伝説(天地玄門AN ETERNAL COMBAT)96分

投稿者: | 2022年6月25日

おすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆

ジョイ・ウォン演ずる女幽霊が、いつものように悪党との戦いに身を投じる物語と思いきや、中盤以降現代にタイムスリップして生まれ変わりの女医を演じる一粒で二度美味しい武侠ロマン!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、ジョイ・ウォンが明の時代と現代の幸薄系ヒロインを演じたアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

中国、明の時代、ある村の近辺では突如出没し始めた日本の武士幽霊に悩まされていた。

両親を殺された村娘シシも、やがて支配される運命にあったが、そこに幽霊退治を依頼された高名な道士ツオとその弟子たちが現れ、

武士幽霊に戦いを挑むのだった。

しかし、その戦いの最中、時空の扉が開いてしまい、道士達一行は時空の裂け目に飲み込まれてしまう。

そして、辿り着いた先は、1990年代の香港だった!?

チャイニーズゴーストストーリー)でブレイクしたジョイ・ウォン主演の武侠アクション作品です。

ただ、どちらかというと主演は(霊幻道士)でも道士役を演じていたラム・チェンインの方で、ジョイ・ウォンが支配される日本の武士の霊を倒すためにバトルを繰り広げる、

妖怪退治物語となっています。

出演者はメインの二人に加えて、ズッコケ気味の一番弟子役に近年でも(妖魔大戦争シークレットマジック)(詳しくはこちら)で渋いおじさん役をこなしていたウォン・ヤッサン

本作ではいじわるな弱虫、という役柄なウォン・ヤッサン

力自慢の二番弟子役で、いつもは悪役が多いものの、本作では荒くれ者ではあるけれども心は優しい役柄を好演しているシン・フイオン

ゴツいですが心根は優しいシン・フイオン

そしてジョイ・ウォンをストーカーしまくって最終的に日本の武士の霊に乗っ取られてしまう外道役に、この時期まだ悪役専門だったアンソニー・ウォン

鬼畜ぶりがあっぱれなアンソニー・ウォン

それとゲストではありますが、(燃えよデブゴン9)(詳しくはこちら)等の多くのサモ・ハン作品を始めとする傑作カンフー映画で見事なアクションを披露しているフィリップ・コー

今回はゲスト出演のフィリップ・コー

後年、(暗戦デッドエンド)等のジョニー・トー作品でブレイクする事になるホイ・シューホン、と豪華なキャストが集結した作品となっています。

ふさふさなホイ・シューホン

物語は、邪悪な日本の武士の霊(妖怪?)に支配されているジョイ・ウォンが、なんとか自由になろうと争いになっている時に、

武士妖怪打倒のために戦いを挑んできた高名な道士と、その二人の弟子とともに、嵐(稲妻?)に飲み込まれてしまい、

まさかの現代(1991年当時)にタイムスリップしてしまうというファンタジックな物語となっています。

中盤以降は、そのままカルチャーギャップコメディを見せつつ、同じくタイムスリップした武士妖怪と現代で激突する、

というSF要素溢れる現代を舞台にした武侠作品となっています。

ラム・チェンインの道士役はハマり役
時空の扉が開く!

はっきり言ってしまうと、本作の2年前に公開されたユン・ピョウ主演、マギー・チャン共演の武侠アクション(タイムソルジャーズ愛は時空を越えて)と、

内容的にはかなり重なる部分もありますので、影響は大きいと思われます。

因みにドニー・イェン主演の(アイスマン)シリーズは(タイムソルジャーズ)のリメイクになります。

ただ、本作の場合、人気作の美味しい部分だけを頂いている印象ですので、設定が少しゆるく、道士達一行と、武士幽霊がタイムスリップで現代に飛ばされてしまっているのに、

肝心のジョイ・ウォンは据え置きで、登場したと思ったら生まれ変わりだった、という少々強引な展開となっています。

女幽霊シシ
女医チチ

ですので、肝心の物語上の重要人物であるチチが不在なので、悪党の活躍する場がなく、代わりに全く無関係のアンソニー・ウォンが登場し、

現代のジョイ・ウォン(精神科の医師役)にやたらとストーキングをしまくり、外道の限りをつくす、

というその後の(八仙飯店之人肉饅頭)に繋がるような鬼畜系の役柄をねちっこく演じて悪役をこなしていきます。

ストーカー被害に悩むジョイ・ウォン

散々悪逆の限りを尽くしたあとに、後半になってタイムスリップしてきた武士幽霊に偶然、体を乗っ取られる、という完全に嫌われるためだけに登場したような役柄となっています。

薄気味悪い武士幽霊復活

という感じで現代パートの大筋が、本来の物語とはズレてしまっているので、善と悪の対決までなかなかたどり着けずに、

それぞれ、バラバラにタイムスリップしてしまった師匠と弟子たちのカルチャーギャップコメディがしばらく続きます。

このコメディパートも、この時期の香港映画によくある精神科の病院を舞台にしたお笑いで、コメディ担当のキャストがフルスロットルで、現在では微妙な笑いを振りまいていきます。

何故、そこなのか?という疑問が湧きますが、おそらく、笑いにしやすい、という今の感覚とは違う当時の判断があったのではないでしょうか。

さらに、弟子の二人も辿り着いた場所が教会でしたので、教会の内部でのお笑いという、これまた特殊な環境が舞台となっています。

流石に、カルチャーギャップのお笑いを見せる舞台としては、特殊過ぎて笑いの要素が薄まるのでは?とも思えますが、

そこが面白いと浮かんだものは、なんでも詰め込んでしまう、当時の香港映画のバイタリティを感じられる部分かと思われます。

しかも、たまたまその精神科の担当医が現代に生きるジョイ・ウォン(多分生まれ変わり?)という奇跡の偶然!

で、そのままストーカー騒動の末に武士幽霊との対決、という流れになってきます。

女医はジョイ・ウォン

どう考えても物語展開は行き当たりバッタリな感じですが、(チャイニーズゴーストストーリー)以降のジョイ・ウォンは、

ほとんどが武侠作品の女幽霊役ばかりとなってしまっていましたので、後半の現代パートの医師役は、逆に新鮮で、

1本の作品で、武侠と現代、別々の役柄を演じている姿を鑑賞できる、という一粒で二度美味しい貴重な作品となっています。

アクションに関してはラム・チェンインが主演しているものの、いまいちパッとせず、現代パートなどは、自動車や大型トラック間のジャンプ等、

現代ならではのアクションが多く、武術アクション、という感じでもないのが少し残念でした。

という事で、人気のジョイ・ウォンの武侠作品と現代作品の異なる魅力が詰まった作品となっていますので、

香港映画好きの方や、ジョイ・ウォンファンの方などご鑑賞されてみては、いかがでしょうか。

しかし、つくづく思いますが、ジョイ・ウォンは綺麗ですね。

作品情報

1991年製作 香港製作 武侠アクション

監督 イップ・シンホン

出演 ジョイ・ウォン、ラム・チェンイン、アンソニー・ウォン、ウォン・ヤッサン、シン・フイオン、フィリップ・コー

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