カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
（少林寺への道）のジョセフ・クオ監督作品ながらも、全体的にほんわかしたムードのレディドラゴン、ロンジェンエールの旦那さん探し物語！！意外に豪華キャストです！！
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、ジョセフ・クオ監督によるレディースカンフーアクションです。
それでは、まずはあらすじから、
中国のある地方、祖父のウーは、孫娘のピンの旦那さん探しのためにある街へとやって来た。
そこで、カンフー自慢のピンと試合をして勝った者に、ピンを嫁にする権利を得られるというルールで、候補者を募集するが、挑戦して来る男性は皆ピンを負かす事は出来なかった。
しかし、最後に現れたチーは、ピンの事を簡単に打ち負かしてしまうが、チーは急ぎの用事のために姿を消してしまう。
思わぬ候補者の登場に、ウーとピンはチーの後をつけ始める。
監督・製作は名作（少林寺への道）や（ザ・セブングランドマスター）（詳しくはこちら）等の台湾製カンフー映画の巨匠ジョセフ・クオ監督で、
本作では、珍しくかなりコメディチックな表現も登場する明るい物語を演出しています。
主演は、（少林寺木人拳）や（少林寺への道4）（詳しくはこちら）等、カンフー映画のヒロインとしてお馴染みのロン・ジェンエール（ドリス・ロン）で、
本作でも可憐さとドラゴン要素を併せ持つ主人公を好演しています。
で、そのロン・ジェンエールの相手役となる、男性主人公の作品に置き換えるとヒロイン的な役柄で登場するのは、
トン・ワイ、ディーン・セキ主演の（十八羅漢拳）や、本作のロー・リエと共演している（鶴形伏虎鬥蚊龍）等のシー・マールンで、
ロン・ジェンエールにモテモテぶりの美味しい役どころを演じています。
で、シー・マールンの相棒役で、（少林寺カンフーマスター）（詳しくはこちら）や（妖怪奇兵）（詳しくはこちら）等のツェン・チャオが登場し、コメディ要素を盛り上げています。
で、ロン・ジェンエールのおじいちゃん役で、（少林寺炎上）（詳しくはこちら）や（精霊兄弟キョンシーブラザーズ）（詳しくはこちら）等
ジョセフ・クオ作品の常連で、他の作品では悪役を演じる事が多イー・ユアンが、優しいお爺ちゃん役を好演しています。
で、前半はほとんど登場しないながらも、後半ラスボスとして登場する役柄で、（ガッツフィスト魔宮拳）（詳しくはこちら）等のロー・リエが登場し、主人公チームと激闘を繰り広げます。
で、その主要メンバーにゲスト出演的な登場ですが、反政府派のメンバー役で、（ドラゴン覇王拳2）等のナンシー・イェンや、
（カンフーコップ）（詳しくはこちら）等のトン・リー、
（空飛ぶ十字剣）（詳しくはこちら）等のタン・ウェイ、等豪華メンバーが後半に掛けて大挙して登場する豪華なキャスティングとなっています。
そんな豪華スタッフ・キャストで製作された本作の物語は、ある山道を歩くウーお爺ちゃんと孫娘のピンのシーンから始まります。
お爺ちゃんはピンちゃんも良い年ごろなので、良い旦那さんを見つけてやりたい想いが強いようで、
お爺ちゃん『今日は良い天気じゃ、こりゃ良い旦那さんに出会えるぞ。』
ピンちゃん『もう、おじちゃんたら！！』
開幕早々ですが、本作、この最初のお爺ちゃんとピンちゃんの会話の雰囲気が、まさかの後半ギリギリまで続く、
という他のジョセフ・クオ作品では考えられないようなほんわかムードなコメディカンフーアクションとなっています。
物語の目的は、まさかのピンちゃんの旦那さん探し！！
いきなりの雰囲気に面食らってしまいますが、これが意外に悪い雰囲気ではなく、物語が進めば進むほどにコメディ色が強くなりますが、
決して笑う事はないものの、その不慣れながらもドタバタとやっているほんわかムードが意外に心地良かったりします。
普段シリアスな作品で活躍しているスターが、ほんわかムードに包まれますが、これがクライマックス近辺になると激変してしまうのが、やはりジョセフ・クオ作品という感じで、
ラスボス登場辺りからいつものシリアスムードが立ち込めます。
で、旦那さんを探しているピンちゃんは、お爺ちゃんに連れられて、人々が行き交う街の広場で、カンフー自慢のピンちゃんを負かしたら嫁にあげる、
というカンフー映画に度々登場するシチュエーションで、腕自慢の旦那さんを募集します。
で、例によって個性的なメンバーが集まり、その中には勿論（至尊威龍）（詳しくはこちら）等のチェン・フーホン等の太めキャラも登場して、
次々と挑戦してピンちゃんに撃退される、というトライアンドエラーを、割と何度も繰り返します。
結構な時間ですので、この辺りで、本作がいつ本題に入るのか？という期待から、いや、既に本題に入っているんだ、という受け入れ態勢を整えているぐらいで、
本作のヒロイン的な立場である旦那さん候補のチー兄貴役、シー・マールンに出会います。
で、成り行きで挑戦する事になったシー・マールンに明るく負けてしまったロン・ジェンエールは、お爺ちゃんに甘えながら、
シー・マールンに言い寄ろうとしますが、シー・マールンには急ぎの用事があるので、相棒のツェン・チャオと共に逃げてしまいます。
散々多くの男子に言い寄られても、打ち負かしてきたピンちゃんが、ついに見つけた理想の旦那さん候補にトンズラされる、というまさかの事態に、
焦ったお爺ちゃんとピンちゃんは、２人を執拗に追いかけます。
で、シー・マールン達は、実は革命派に属しているメンバーで、重要な名簿を持って、仲間達が待つ場所へと向かっている、
という、本来はそちらの方が本筋となるような用事を抱えていて、目的地を急ぎつつ、追いかけてくる祖父と孫娘のコンビからも逃げまくる、というある意味危機的な状況に陥ります。
という流れで、本作の本当の本筋は、この二組の追いつ追われつなドタバタ展開こそがメインで、色々な方法を使って逃げる二人と、
どんな方法を使ってでも追いかけてくる二人のやり取りが面白可笑しく描かれていきます。
人物関係的にはアニメ・漫画の（うる星やつら）のドタバタに近い感じでしょうか。
で、いよいよ後半、革命派のメンバーと合流して、にっくきロー・リエを撃破する、というシリアスな展開に突入していく事になりますが、
このクライマックスが、かなりのシリアス気味で、ついさっきまで、お爺ちゃん相手に孫娘がぶりっ子ぶりを発揮していたほんわかムードと、
同じ作品とは思えないぐらいに、あっけなくスターが散っていきます。
勿論、お爺ちゃんとピンちゃんも、戦いを素通りするはずもなく、旦那さん候補のチー兄貴の危機的な状況を救うため革命派の戦士たちと共に激闘に参加します。
チーのピンチを救うため、ピンとチーが協力して戦う、という感じでしょうか、、、。
で、このラストバトルが、なかなかの迫力で、ロー・リエが喜怒哀楽拳というどこかで聞いたことがあるような技を繰り出し、
ほとんど無敵状態に陥ったところに、かつて師匠から打開策を教え込まれていたお爺ちゃんが指示しながら、シー・マールンとロン・ジェンエール、そしてナンシー・イェンと
合同の技を繰り出す、というまさかの4対1での激闘で決着をつける、というカンフー映画史の中でも結構な強敵ぶりで、終幕となります。
という事で、後半に掛けてかなりシリアスににりますが、最終的にはコメディ展開でエンディングとなり、
全体通してほんわかムードが残るジョセフ・クオ作品の中でも珍しい内容となっていますので、カンフー映画好きの方や、香港映画好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
因みに本作邦題も原題のまま（鬼馬大侠）と味気ない邦題になっていて、鬼馬というイメージから凄く凶悪そうな戦士が登場する作品に思いがちですが、
鬼馬の意味は、ズル賢いとか、やり手、みたいな意味合いですので、（ミスターブーギャンブル大将の原題は鬼馬雙星なので、２人のやり手インチキ詐欺師のような感じです）
恐らく逃げても逃げても、追いかけてくるお爺ちゃんの事を指しているのではないかと思われます。
そのまま原題に付けてしまうと、ちょっと内容を勘違いしそうなタイトルですね。
勝手に邦題を付けてしまうとするなら、
（ぶりっ子カンフー 婚活拳！）
なんてどうでしょうか、、、。
作品情報
1978年製作 台湾製作 カンフーアクション
監督・製作 ジョセフ・クオ
出演 ロン・イェンエール（ドリス・ロン）、シー・マールン、イー・ユアン、ロー・リエ、タン・ウェイ、チェン・フーホン、ルン・フェイ、ナンシー・イェン、トン・リー、
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