ミッドナイトマン (THE MIDNIGHT MAN)103分

投稿者: | 2021年6月30日

お薦め度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

痛みを感じない事で無敵を誇る伝説の殺し屋が、薬の影響で任務中に蘇った痛みの感覚を、周りに隠しながら戦いを繰り広げる、アイデア賞的な、殺し屋アクション!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、痛みを感じない殺し屋の活躍を描いたアクション作品です。

それでは、まずはらすじから、

先天性無痛無汗症(CIPA)のヒットマンであるグレイディは、その特異な体質を活かして、依頼を遂行していた。

そんなある日、依頼遂行中に突然、異痛みの感覚が蘇ってしまった事で、普段のやり方が通用しなくなる。

しかし、依頼のタイムリミットは24時間しかなかった。

突然、普通の男に戻ったグレイディは、救命士の助けを得て、任務を遂行するために、次のターゲットの元へと向かうが、、、!?

グレイディは無痛のため、拷問などにも動ずることなく、任務をこなしていった。

先天性無痛無汗症(CIPA)の腕利きの殺し屋が、24時間以内に組織の裏切り者4人を抹殺する任務を受け、その任務遂行中にうたれた薬の影響で、

突然痛みの感覚が蘇ってきて、それまでの無敵が通用しなくなる、という設定がアイデアものの、アクションサスペンス作品です。

先天性無痛無汗症(CIPA)とは、本作では、まるで特殊能力のように扱われていますが、実際にある先天性の難病で、

痛覚(痛みを感じる感覚)と温度覚(熱さ、冷たさを感じる感覚)が無く、発汗も極めて少ないために、体温の調節が上手くできずに、

しばしば高体温になってしまい、日常生活に支障を及ぼすようなこともあり、いろいろな合併症も併発する恐れがあるそうです。

また、痛みの感覚がないために骨折や脱臼などになる事も多いようで、本作では、脱臼するシーンも一部、物語に取り入れられていましたので、

一応、娯楽作品として誇張はされていますが、根本的には、そういった知識の元に考えられた脚本にはなっているのではないでしょうか。

あくまで、エンターテイメントとして、ですが。

途中で出会った救命士に命を救われる

ただ、本作の場合、そのアイデア自体は良かったのですが、それを物語に上手く昇華しきれていない、というか、もっと丁寧に掘り下げていけば、もっと良い作品になっていたと思われますので、

少し残念な部分もある作品となっています。

先天性ですので、生まれてから今まで、痛みや温度の感覚が無かったヒットマン、薬の一時的な効果であるとはいえ、生まれて初めて味わった事の無いような感覚を、成人した今初めて体感している

というような状況は、そういう状況にあった人でしか経験しない事ですので、恐らく、それまでの人生観がかわってしまうぐらいの出来事だと思われますが、

本作の場合は、蘇った痛覚によって痛みを感じている事を、敵にいかに悟られずに、殺しの任務をこなすか?という単なるピンチの材料としてしか扱われていません。

そこは、ピンチではあるけれども、同時にそれ以上の喜びでもある、という悪い面と良い面をどのように乗り越えていくのか?

という、いくらでもサスペンスを盛り上げていけそうな要素が多々ありますが、その状況が十分活かされていないのが、とても勿体ないですね。

あと、殺し屋の戦いを描いた物語にしては、予想以上にアクションシーンが少ないのも、しっかりとテンポ良く物語が進んでいくわりに

消化不良感を残してしまう原因になっていると思われますので、こちらも勿体ないですね。

そんな少し残念なヒットマンを演じるのは、(ヴァンヘリシング)などのイケメン俳優ウィル・ケンプで、雰囲気としてはコメディ寄りの愛嬌のあるアクションヒーローっぽい感じで演じています。

愛嬌あるのに、結構殺しを重ねていきますので、なかなか感情移入できそうで、できない、といった微妙な状況で後半までいってしまいますので、

こちらももう少し、やむをえず殺している、とか、何か他の理由があれば、もっと主人公の境遇に感情移入できたと思われますので、もったいないです。

共演人もウィリアム・フォーサイスや、ヴィニー・ジョーンズブレント・スパイナーなど、大御所バイプレイヤーが豪華に出演していますので、

なかなかB級作品ファンを楽しませてくれるキャスティングとなっています。

そんな本作の製作・脚本を担当しているのはヒロインでもあるプリナ・ケリー自身です。

正直、主人公との釣り合いがあまりとれていないように感じますが、そこは製作・脚本という立場なので、自身がヒロインを演じる事は初めからの決定事項だったのではないかと思われます。

ヒロイン自身が製作と脚本も担当している作品なんて、あまり見た事ないので、結構珍しいでのはないでしょうか。

という事で、設定が非常に面白いので、それを活かし切れていないのが非常に残念な本作ですが、B級サスペンスアクションとしては、

普通に楽しめる作品となっていますので、アクション好きの方など、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

わりと、サクサク見れてしまいますので、気分転換にはもってこいですよ。

やがて、事件の黒幕との決戦を迎える

作品情報

2016年製作 アメリカ製作 アクション

監督・製作・脚本 D・C・ハミルトン 制作・脚本 プリナ・ケリー

出演 ウィル・ケンプ、プリナ・ケリー、ウィリアム・フォーサイス、ヴィニー・ジョーンズ、ブレント・スパイナー、ダグ・ジョーンズ

突然蘇った感覚に戸惑うグレイディ

その他のヒットマンが活躍する作品

休業中の殺し屋が守るべき者のために再び戻ってくる(メッセージマン)はこちら

↓ランキングに参加しています。宜しければ下記をクリックお願い致します↓

人気ブログランキング

にほんブログ村

コメントを残す