スプートニク (SPUTNIK)114分

投稿者: | 2021年8月8日

お薦め度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

1980年代社会主義化のソ連、任務から戻った宇宙飛行士の体内には、未知の生物が宿っていた!!ワケアリの女性医師が閉鎖された軍施設で、宇宙生物の実態解明に挑むSFサスペンス!!

作品紹介

2021年3月26日公開

今回ご紹介するのは、宇宙飛行士の体内に生息する宇宙生物の生態解明に挑む医師たちを描いたSFサスペンス作品です。

それでは、まずはあらすじから、

学会から疎まれていた女性医師タチアナは、ある日、軍関係者にある事件に立ち会うように要請される。

密閉された軍施設を訪れたタチアナは、そこで任務中にある事故が原因で監禁状態にある宇宙飛行士コンスタンチンと面談するように指示される。

一見普通の男性のように見えたコンスタンチンだったが、夜間になると昏倒し、体内から未知の生物を吐き出したのだった!?

防護服着用でエイリアンに挑む医師

1980年代のソビエトで、宇宙での任務から帰還した宇宙飛行士の体内にはエイリアンが宿っていた、というSFサスペンス作品です。

DVDジャケットからは、(エイリアン)や(スカイライン逆襲)(詳しくはこちら)などのような、SFバトルアクションを想像しがちですが、

本作はそういった意味での娯楽作品のような展開にはならずに、重厚なSFサスペンスドラマとして物語が進んでいきます。

テーマとしては、宇宙飛行士とその体に寄生している宇宙生物をなんとか分離し、完全な管理下に置けるのかどうか、というところが物語の核となっています。

ですので、どちらかというとサスペンス仕立てのドラマ的な要素が高いので、DVDジャケットのように宇宙空間で未来兵器のような銃でエイリアンとバトルを繰り広げるシーンなどは一瞬もありません。

なかなか大胆な売り出し方ですね、、。

しかも、B級作品にありがちな、アクション要素の薄い作品を、完成後に売り出しに困って無理矢理あまり関係のないモデルを使ってジャケットだけフェイクで製作している、というわでもなく、

実際の出演者たちが、ノリノリでしっかりと映っているジャケットとなっています。

映画作品としての完成度が決して低い作品ではありませんので、何故、このようなフェイクっぽいジャケットにしたのかは、本作の大きな謎です。

そんな売り出し方をしなくても、しっかりとしたSFサスペンスとして十分魅力のある作品となっていますので、なんだかもったいないですね。

で、実際の内容ですが、社会主義化のソ連で、比較的自由があまり許されていない状況で、なんとか真実を突き止め、

倫理観を損なう事実には命がけで抗おうとする主人公の奮闘が細かく描かれています。

やがて明らかになる事実や、宇宙飛行士との間で育まれる友情(愛情?)など、人間ドラマとしても十分見どころのある作品となっています。

ですので、思っていた内容とは大きく違うけれども、予想外に楽しめる作品となっています。

体内から飛び出してきたエイリアン

本作で登場するエイリアンは、基本的には地球を侵略する目的で攻めてきている存在というわけではなく、ただ単に宇宙飛行士が任務中に遭遇した宇宙生物で、

その存在がないと宇宙飛行士も命を失っていた可能性の高い、ある意味命を助けてくれた存在でもあるわけです。

一応、人間と直接接すれば攻撃はしてくる習性はあるようですが、その習性も、宿主である宇宙飛行士側で、なんとか制御できないこともない、といった感じですので、

完全な害悪として描かれていないのが、特徴となっています。

ここが、本作の重要なテーマの一つである寄生か?共存か?というところになっていきます。

ただ、こういったタイプの作品で捕らえられたエイリアンと軍組織が登場すると、だいたいは軍事利用、という展開になってきますが、

本作も例にもれず、後半は軍事利用を目論むソ連軍VSエイリアンに寄生された宇宙飛行士と女医という構図になってきます。

それでも、本作はバトル展開に重きを置いた作品ではありませんので、割とあっさり目に物語は終息へと向かって行きます。

個人的には、最後ぐらいはバトル展開でも良かったような気もしますが、そうなってしまうと今までの重厚なドラマも無駄になってしまうので、

最後までしっかりとドラマが作りこまれています。

そこが、娯楽一辺倒のハリウッド作品とは違うロシア製作作品としての魅力の部分であり、さらに本作は時代設定と舞台を、

まだ社会主義下だった時代のソ連軍施設にする事で、ハリウッド作品では再現できない独特の世界観を再現しています。

というように、何故か実際の内容と違うジェットイメージで売り出されている本作ですが、

しっかりとした完成度の高いSFサスペンスドラマ作品になっていますので、

SF映画好き、サスペンス好きの方など戯鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

ギレルモ・デル・トロ監督の(シェイプ・オブ・ザ・ウォーター)の世界観にも少し似ていますので、そちらが楽しめた方でしたら、本作も楽しめると思いますよ。

始めは普通の宇宙飛行士と思っていたら、、。

作品情報

2020年製作 ロシア製作 SFサスペンス

監督 エゴール・アブラメンコ

出演 オクサナ・アキンシナ、ピョートル・フョードルフ、フョードル・ボンダルチュク

日光には比較的弱い、という習性もあります

その他のエイリアンが登場する作品

ニコラス・ケイジ、フランク・グリロ共演のエイリアンとの格闘バトルアクション(アースフォールJIU JITSU)はこちら

スコット・アドキンスとアンディ・オンがエイリアンと格闘アクションを繰り広げる(デンジャラスチェイス)はこちら

↓ランキングに参加しています。宜しければ下記をクリックお願い致します↓

人気ブログランキング

にほんブログ村

コメントを残す