【B級監督列伝!】ゲーム原作の失敗作にこの人あり!ラジー賞王者ウーヴェ・ボル監督

投稿者: | 2020年10月12日

皆さん、こんにちは、まぁくです。

先日、(青くて痛くて脆い)を鑑賞しに映画館に行ってきました。

同じ原作者の(君の膵臓を食べたい)が凄く良かったので、そういう感じではない、と知りつつも期待半分で鑑賞しました。

結果、確かに、甘っちょろいラブストーリーではなく、思っていた以上のカウンターパンチを喰らったような作品内容でした。

途中までは、まるで(オーシャンズ11)シリーズや(ミッションインポッシブル)シリーズのように潜入サスペンスっぽい展開で、

後半になって、ある重要な展開が起こると、もう、タイトル通りに痛々しい感じが、観ていて気まずくなるぐらいでした。

それでも、ラストでは、ぞれなりに前向きな終わり方となっていますので、後味は決して悪くはなかったです。

人によっては、結構共感できる物語ではないかと思います。

なかなか、楽しめる作品でした。

これは、原作も読んだ方が良さそうですね。

さて、今回の【B級監督列伝!】ですが、

B級というよりC級、E級、下手したらZ級ぐらいのラジー賞常連監督ウーヴェ・ボル監督について年代別に少し振り返ってみたいと思います。

ウーヴェ・ボル監督

出身国であるドイツで監督デビューしていて、数本の監督作品はありますが、いずれも日本では未公開ですので、2003年の劇場公開作としてのハリウッドデビュー以降に絞って、振り返ってみたいと思います。

〇2003年 ハウス・オブ・ザ・デッド ゲーム原作  ゲームの原作、というよりB級のゾンビ映画。(Uボート)の名優ユルゲン・プロポノフなんかも出演している。後にテレビ映画として続編も製作されたが、そちらは別監督作品。

〇2005年 アローン・イン・ザ・ダーク ゲーム原作 こちらもフランス産の人気アドベンチャーゲームの映画化。キャストはクリスチャン・スレーター、タラ・リード、スティーヴン・ドーフという豪華キャスト。こちらも別監督で続編が製作された。続編にはナターシャ・マルテや、マイケル・パレという後のボル作品を支えるキャストが出演している。

〇2005年 ブラッドレイン ゲーム原作 こちらもゲーム原作のヴァンパイアアクション。しかし、設定だけゲームに忠実で物語はほぼオリジナル。ドイツ側の潤沢な予算のおかげでペンシルバニアで本物のお城にて撮影された。キャストは(ターミネーター3)のクリスタナ・ローケンを筆頭に、ミッシェル・ロドリゲス、ベン・キングズレー、マイケル・マドセン、マシュー・デイビス、ウド・キアー、ビリー・ゼイン、マイケル・パレとかなりオールスターキャスト。ただ、ラジー賞主要部門で多数ノミネート。

〇2006年 デス・リベンジ ゲーム原作 こちらもゲーム(ダンジョンシージ)の映画化作品。アクション監督は香港映画界のエース(チャイニーズゴーストストーリー)のチン・シュウトン。キャストはこちらも豪華で主演にジェイソン・ステイサム、共演にリリー・ソビエスキー、レイ・リオッタ、ロン・パールマン、ジョン・リス・デイビス、クレア・フォラーニ、クリスタナ・ローケン、マシュー・リラード、バート・レイノルズというオールスターキャスト。でも、やっぱりラジー賞の主要部門のほとんどでノミネート。その内監督賞は受賞。

〇2007年 SHOCKER ショッカー この時期では、珍しいオリジナルのホラー作品。マイケル・パレ主演で死刑囚が、死刑執行でも死なずに捜査官に復讐する、という物語。ちょっとレニー・ハーリン監督の(プリズン)や、ウェスクレイブン監督の(ショッカー)に影響を受けているような作品。

〇2007年 POSTAL ゲーム原作 日本未公開のゲーム原作コメディ。911事件を茶化したしとような不謹慎なシーンがあり、大不評を買ったが、ボル作品の中では割とヒットした。ボル本人も本人役で登場。

〇2007年 ブラッドレイン2 ゲーム原作 よほど気にいったシリーズなのか、自ら続編製作。しかし、主人公はクリスタナ・ローケンから、(DOAデッドオアアライブ)のナターシャ・マルテに変更。共演に常連マイケル・パレ。

〇2008年 T-フォース ベトコン地下要塞制圧部隊 珍しく、ゲーム原作でもなく、豪華キャストでもない真面目な戦争映画。ベトナムでベトコンが掘ったトンネルを捜索する部隊の物語でバイオレンス描写も多く、この作品ぐらいから戦争ものなどが増えだす。 

〇2008年 G.Iフォース ゲーム原作 邦題は酷いが人気ゲーム(FARCRY)の映画化作品。主演はドイツ出身でハリウッドでも活躍するティル・シュヴァイガー。共演に常連マイケル・パレ。

〇2009年 STOIC 日本未公開、ソフトも未発売作品。主演はエドワード・ファーロングで実話の映画化のようです。

〇2009年 ザ・テロリスト ボル監督が珍しくまともな評価を受けた後にシリーズとなる第一弾。マイケル・ダグラスの(フォーリングダウン)の過激な若者版といった感じで、主人公の無茶苦茶ぶりが後のシリーズでも加速する。

〇2009年 ダルフールウォー 熱砂の虐殺 ダルフール紛争をリアルに描いた戦争映画。エドワード・ファーロングとクリスタナ・ローケンの(ターミネーター)俳優が出演しているが、あくまでリアルで凄惨な面を強調している作品。

〇2010年 FINAL STORM 日本未公開で未ソフト化作品。(乱気流タービュランス)のローレン・ホリーとテレビシリーズ(ビバリーヒルズ青春白書)のルーク・ペリーが出演しているようです。

〇2010年 ザ・ファイト 拳に込めたプライド ドイツの伝説的ボクシング世界ヘビー級チャンピオン、マックス・シュメリングの半生を、実際の元ヘビー級チャンプ、ヘンリ・マスケが演じたスポーツドラマ。ボル監督作では珍しいゲーム原作でも戦争ものでもない真面目な実話。

〇2011年 ブラッドレイン 血塗られた第三帝国 ゲーム原作 前作に引き続きナターシャ・マルテが主演を務めたホラーアクション。共演に引き続きマイケル・パレと常連のブレンダン・フレッチャー。ボル作品としては久々の日本劇場公開作品。

〇2011年 BLUBBERELLA 日本劇場未公開で未ソフト化作品。ジャケットのパンチ力が凄い。またも常連マイケル・パレとウーヴェ・ボル自身がクレジットに、、。なんか、興味はそそられますね、、。

〇2011年 アウシュビッツ ホロコーストガス室の戦慄 インタビューと再現映像で構成されたホロコーストの真実に迫ったドキュメンタリー。ゲーム原作作品の真逆作品。

〇2011年 デス・リベンジ2 ゲーム原作 前作のジェイソン・ステイサムからドルフ・ラングレンにバトンタッチしたスケールダウン作品。でも、前作との繋がりは特になし。共演に既に常連となっている(ブラッドレイン)シリーズのナターシャ・マルテ。

〇2013年 ウォールストリート・ダウン (プリズンブレイク)のドミニク・パーセル主演のアクション作品。リーマンショックによる株の暴落で財産を失った主人公がウォール街に復讐しに行く、というリベンジアクション。共演にもはや、レギュラー、マイケル・パレとエリック・ロバーツ。

〇2013年 ザ・シューター 大統領暗殺 (3人の狙撃者)のリメイク作品。主演は連続登板のドミニク・パーセル。共演はレイ・リオッタ、マイケル・パレとちょっと豪華。でも、後半盛り上がりにかけて、なんとなく終わってしまう作品。

〇2013年 デス・リベンジ ラストミッション ゲーム原作 シリーズ最終作。主演はドルフ・ラングレンからさらにドミニク・パーセルにスケールダウン。日本では特集上映的に劇場公開も奇蹟的にされた。でもアメリカではDVDスルー作品。

〇2014年 ザ・テロリスト 合衆国陥落 ブレンダン・フレッチャー主演の(ザ・テロリスト)シリーズ第2弾。相変わらずの一人テロリストぶりで止める事ができなくなっている続編。

〇2016年 ボーダーランド 邦題が変更されているが、(ザ・テロリスト)シリーズの最終作にして、ウーヴェ・ボル監督としての最終作。もう、エスカレートするしかないので、閉店セール的にやりたい放題の最終作。

というような流れで、キャリア前半のほとんどが、ゲームの映画化作品となっています。

まるで、好評なので続投しているようですが、批評的にも、興行的にもほとんどが惨敗で、内容の酷さから、原作ゲームファンからも不評を買っています。

初期のころは、ゲームの原作の連続+なぜかキャストが豪華という特徴があり、大金持ちの富豪説や、謎の権力者説などがありましたが、

結局、不評の連続で、ゲーム原作作品も減少し、キャストの豪華さも全くなくなりましたので、なるべくして、そうなった、といった感じではないでしょうか。

度重なる悪評で、毎年ラジー賞にノミネート

さらに、世界的に有名なオンラインゲーム(ウォークラフト)の映画化の企画が持ち上がったときに、真っ先にボル監督が手を上げたが、

ゲーム製作会社側から、「我々は、特にあなたにだけは絶対に権利を売らないだろう。その理由は、これだけ大成功したオンラインゲームなので、悪い映画になったらわが社の継続的な収益を損なうからだ。」と辛辣な断りをいれられています。

まぁ、それは、その通りですね。

因みに(ウォークラフト)は後ほどダンカン・ジョーンズ監督によって映画化され、ヒットしたので、断って大正解でした。

そんなボル監督もついに映画製作にいやけがさしたのか、2016年の(ザ・テロリスト)シリーズの3作目である(ボーダーランド)を最後に引退宣言をしており、

今後はカナダのバンクーバーで経営しているレストランの経営と映画の流通業に専念する、という事のようです。

もうあのがっかり感を味わうこともなくなると思うと何故かちょっと寂しくなりますが、

実際監督作品を映画館で鑑賞料金を払って鑑賞する(個人的に最初のハウス・オブ・ザ・デッド、アローン・イン・ザ・ダーク、ブラッドレインは映画館で鑑賞しましたので)と恐らくまた、腹が立ちますし、

同じように思っている人が世界中にいると思いますので、これで良かったのかと思います。

というように、ウーヴェ・ボル監督の新作はもう鑑賞できませんが、

それほど世界中の映画ファン、ゲームファンをがっかりさせた迷監督の残した作品をまとめて観返してみるのも、贅沢な時間の使い方として、たまには良いのではないでしょうか。

セガールの沈黙シリーズ(初期作品ではなく、動かなくなって以降の)の連続鑑賞に匹敵するぐらいに体力と気力の鍛錬になると思います。

という事で、本日はお立ち寄り頂きありがとうございました。

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