おすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆
死刑囚から授かった謎の呪文によって、液体人間オイルマンとなった青年が、夜な夜な悪党に襲い掛かる着ぐるみ感満載の特撮モンスターアクション!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、ダニー・リー主演、ホウ・メンホア監督による特撮モンスターアクション作品です。
それではまずはあらすじから、
フー弁護士が経営する法律事務所に勤めるシェンは、揉め事が原因で殺人を犯してしまった父親代わりのリンから、呪術師の間で伝わる秘密の呪文を伝授される。
呪文に懐疑的なシェンだったが、ガールフレンドが黒社会組織に狙われていると知り、犯行を止めるために、自らの身体を使って呪文を試す。
そして、その呪文によってオイルのモンスターと化したシェンは、黒社会組織に戦いを挑むのだった!?
監督は、(北京原人の逆襲)(詳しくはこちら)や(空とぶギロチン)等のホウ・メンホアで、娯楽性の強いダークヒーローの物語を演出しています。
主人公の青年役で、(中国超人インフラマン)や(狼/男たちの挽歌 最終章)等のダニー・リーが登場し、悪を憎むあまりにモンスターと化してしまう悲劇のヒーローを好演しています。
で、主人公のガールフレンド役で、(流星胡蝶剣)や(千門八將)等のチェン・ピンが登場し、可憐でセクシーな魅力を放っていきます。
で、死刑囚となる、その父親役で、(シティー・オブ・フューリー)(詳しくはこちら)や(五毒拳)(詳しくはこちら)等の
クー・フェンが登場し、主人公に呪文を授けます。
で、主人公を慕う同僚役で、(ツーフィンガー鷹)(詳しくはこちら)や(少林寺破戒大師伝説)(詳しくはこちら)等の
リリー・リーが登場し、今回はアクション無しで主人公をサポートしていきます。
で、事件のきっかけを作る男役で、(少林寺三十六房)(詳しくはこちら)や(ブラッディ・ナイト)(詳しくはこちら)等の
ホア・ルンが登場し、前半と後半で捻りのある役柄を演じています。
そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、法律事務所に勤める主人公のシェン(ダニー・リー)が、
雇い主のフー弁護士に付き添い、依頼人であるやし油工場のフーシン(ホア・ルン)と黒社会組織のヤン兄弟たちのトラブルの仲裁に向かうシーンから始まります。
しかし、話はこじれにこじれ、ヤン兄弟は暴れ出し、それを止めようとした工場の従業員で、シェンの父親の友人だったリン(クー・フェン)が、
勢い余って刃物で組織員を刺してしまい、逮捕され、ついには死刑が確定してしまいます。
で、親代わりだったリンの刑の執行前に面会に訪れたシェンは、そこで呪術師だった自身の父親から、リンが授かっていた秘密の呪文を伝授されます。
それは、正義に使う事を目的とした呪文で、もし、悪に使うと自らが滅びるというもので、シェンが想いを寄せるリンの娘チュンユエ(チェン・ピン)を、
悪党ヤン兄弟が狙っている事を知ったシェンは、子供の頃の病気が原因で不自由になってしまった自身の身体を嘆き、自暴自棄になったきっかけで、恐る恐る呪術を試すと、、、、、、
、、、、、みるみるうちにオイルモンスターと化し、ヤン兄弟に襲われているチェンユエを救出、兄弟の弟は取り逃がすものの、
報道によって街ではオイルモンスターの話題で持ち切りとなります。
しかし、この出来事によって、シェンは怒りの制御ができなくなり始め、フー弁護士と共謀して強姦事件をでっちあげている悪女や、
無責任な手術によって、女性の幸せを奪ってしまう闇医者等に対する怒りの炎が燃え盛ると、オイルを被ってオイルマンに変身し、その命を奪ってしまう、という犯行を繰り返し始めます。
しかし、その闇医者襲撃中に、チンピラに犯行を目撃されてしまい、自転車で後を付けられて、正体が速攻でバレ、
そのチンピラ組織と激闘を繰り広げる等しているうちに、同僚のリリー・リーにも、なんとなく正体がバレてしまいます。
そうこうしている内に、発端となった事件のある真実を知る事になったダニーは、全ての決着をつけるために、
再びヤン兄弟の弟、そして事件を影で操っていた人物に、決死の戦いを挑む、、、、というのが、大体の大筋となっています。
本作が製作された1976年頃は、日本の(仮面ライダー)や(ウルトラマン)等の特撮番組の影響で、香港でも特撮ブームが起こっており、
本作を製作したショウブラザーズ社でも、(中国超人インフラマン)や(北京原人の逆襲)等、特撮を見所とした作品が製作されていましたが、
本作もそんな流れの中で、他の二作の主演俳優ダニー・リーを主演に製作された作品で、ホラーっぽいテイストがありながらも、
悪人ばかりに襲い掛かるダークヒーロー的な要素も含んだ着ぐるみ特撮作品となっています。
ですので、ホラー的なおどろおどろしさに、過剰なお色気シーン(この時代はサモ・ハンカンフー作品でもお色気シーンが登場するので、お色気は、大作映画の一つのお約束的な意味合いもあったようです)の連続、
という18禁映画のような大人向け要素に溢れた内容となっています
しかし、一方で、登場するオイルマン自体の造形は、不快感の全く無い、どちらかとういうと、愛嬌を感じさせるような造形で、
悪人への襲い方も、グロいスラッシャー的な襲い方ではなく、
投げ飛ばしたり、グーパンチをかましたり、軽い蹴りを喰らわしたり、というファミリー向けの特撮番組のような着ぐるみプロレスにしか見えない、
という、大人向け要素と子供向け要素が、絶妙に混在した対象年齢不詳な内容となっています。
クライマックバトルは、武術指導がユエン・チュンヤンだけあって、武術アクションではない喧嘩系アクションであっても、
それなりにしっかりとした盛り上がりと見せる大乱闘シーンとなっています。
ただ、対象年齢不詳な要素が混在しているがために、やはりツッコミ所は多く、初変身の時は、自宅に穴を掘って、
その穴に入って呪文を唱えるとオイルが沸いてきて(儲かりそう、、)、そのオイルに全身を浸かって初めてオイルマンに変身していたのに、
二回目以降は、閉店後のガソリンスタンドの軽油を上半身裸になって浴びたり、その辺の工事現場のオイル入りドラム缶にスポッとハマる、という、おてがる変身方法に変更になったり、
犯行後の人間へ戻る時には、自宅に帰って、床でうつ伏せ(仰向けは駄目みたいです)で、バタンキューすると、人間の姿に戻ったり、
冒頭で、【呪文を悪事に使用してはいけない】という前振りのような条件を教えられるのに、悪事は特に行わなかったり(悪人の命への制裁は微妙ですが)、
無敵と思われたオイルマンの弱点が、誰がどう考えても即思いつきそうなアレだったり、
という感じで、大人向けとファミリー向けが混在しているために、様々なツッコミ要素も混在する作品となっています。
ただ、今現在鑑賞し直してみると、そういうゴチャっとした穴だらけな部分こそが、この時代にしか存在しない現代ではもう再現できない要素ではありますので、本作独特の魅力となっています。
という事で、セクシーシーンの多さに『もういいぜ。』と感じる方もいるかと思われますが、当時の魅力がつまった貴重な作品ではありますので、
香港映画好き、特撮作品好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1976年製作 香港製作 特撮ホラーアクション
監督 ホウ・メンホア 武術指導 ユエン・チュンヤン
出演 ダニー・リー、チェン・ピン、クー・フェン、リリー・リー、ホア・ルン、ユエン・チュンヤン、ユエン・ウーピン、コーリー・ユエン
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