【香港映画】戦神ムーン・ウォリアーズ (戦神傳説THE MOON WARRIOR)87分

投稿者: | 2021年7月14日

お薦め度 ★★★★★☆☆☆☆☆

サモ・ハンキンポー監督、アンディ・ラウ、マギー・チャン、アニタ・ムイ、ケニー・ビー出演という物凄い顔ぶれで描く武侠ロマン!!アンディがシャチに乗ってアクションします!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、アンディ・ラウが自身の製作会社で豪華スタッフ・キャストと共に製作した武侠アクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

美しい漁村に住む青年フェイ(アンディ・ラウ)は、ある日追っ手に襲われているイン十三皇(ケニー・ビー)を助ける。

フェイとインは身分を越えた友情で結ばれ、その信頼の証に、隣国の婚約者月姫(アニタ・ムイ)の護衛を依頼する。

急ぎ、隣国へ向かったフェイとインの腹心の部下シンイー(マギー・チャン)は、現地に赴くが、月姫は、その奔放な性格により、何度も衝突を繰り返すのだった。

しかし、そんな気の強く奔放な月姫と粗野で男気のあるフェイの間には、いつの日か淡い恋心が芽生えていくのだった、、。

アンディ・ラウ、アニタ・ムイ、ケニー・ビー、マギー・チャンと物凄い顔ぶれ
二度と実現しなさそうな豪華キャスト

アンディ・ラウが自身の製作会社チームワークプロダクションで製作した武侠アクション大作です。

このころの武侠作品といえば、原作ものの映画化作品が多かった中で、本作は完全に脚本を担当したアレックス・ローのオリジナルストーリーとなっています。

アレックス・ローは名作中の名作(七小福)を監督した才人で、脚本家としてはチョウ・ユンファ、チェリー・チャン共演、メイベル・チャン監督の(誰かがあなたを愛してる)や、同じくメイベル・チャン監督の(宗家の三姉妹)など名作の脚本を多く担当しています。

そんなドラマ作品で有名な脚本家が創造したオリジナルストーリーが本作の物語となっているので、鑑賞前から身構えてしまいますが、

本作は、意外にシンプルで分かり易い大筋となっていて、身分の低いヒーローが、一国の主と友情を交え、許されぬ恋を経験しつつ、宿敵を倒すために戦いに身を投じていく、

という王道のストーリーとなっています。

正直、あまりに分かりやす過ぎて、本当にアレックス・ローが参加しているのか?と疑ってしまいそうになるぐらいです。

本作のアクションシーンは全て名シーンです

そんな王道な本作を監督したのは、こちらもまさかの御大、サモ・ハンキンポーです。

アンディ・ラウ、ジャッキー・チェンと共演した(炎の大捜査線)が本作の前年に製作されている時期で、以前ほどの露出は減ったものの、

まだまだ規模の小さめの沢山の作品に出演していた時期で、そんな多忙な時期の合間をぬってわざわざ本作の監督を担当していますので、

それほど、アンディ自身の製作会社で製作していた本作が、当時の映画製作者の技術の粋を集めた作品だったことの証明になるかとお思われます。

そんなサモ・ハン監督作のアクション監督には(デッド・オア・アライブ)などのハリウッド作品でも活躍するコーリー・ユンと、(チャイニーズゴーストストーリー)で有名なチン・シウトンが担当しています。

この3人が揃った香港映画が面白くならないはずもなく、そのアクションシーンは、どのシーンを切り取っても、素晴らしく、

躍動感がありながらも、常に美しく見えるそれまでのアクションの集大成ともいえるようなアクションの連続となっています。

出演者たちも、経験豊富なスターたちばかりなので、自身でこなしていないアクションも、スタントマンへのつながりが上手くなるように、極力自身で動いていますので、総合してキャラクターの強さの伝わるアクションとなっています。

そんな本作を盛り上げるスターですが、主役のアンディはいつものようにアクションも演技も魅力的で、学は無いけれども、男気があって、人一倍優しく、

頼れるちょっとやんちゃな兄貴分、という当時の自身のイメージをさらに推し進めたような役柄を好演しています。

本作で若き日のアンディの魅力再発見です。

そして、そのアンディと身分を越えて友情を育むのは、ミュージシャンでもあるケニー・ビー

ツイ・ハーク監督の日本合作映画(スパイゲーム)や、サモ・ハン監督主演の(上海エクスプレス)など80年代と90年代にはなくてはならない伝説のスターでした。

いつもはコメディ寄りの役柄を演じる事が多いですが、本作でのアンディの兄貴分的な存在として友情を育みつつ、人民への大義を果たそうとするその気高いキャラクターが、

実は凄くケニー・ビーのイメージにも合っていて、後半の月姫とアンデイとの中に少し気づきながらも、引いたところで見守っている姿にちょっと涙腺が緩みます。

今回は、コメディ的な役柄ではなく、頼れる王的な気品のある役柄のケニー・ビー
ケニー・ビーの一歩引いた眼差しも切ない、、。

そのケニー・ビーの婚約者として登場するアニタ・ムイは、2003年に惜しくも亡くなってしまいましたが、本作が製作された1993年は、チン・シウトン監督の(ワンダーガールズ東方三侠)シリーズや、

チャウ・シンチー主演の(マッドモンク魔界ドラゴンファイター)など活発な女性代表のような役柄を多く演じている時期で、

本作のような役柄はまさに、そのイメージ通りの役柄となっています。

香港一の歌姫アニタ・ムイの元気な姿にグッときますね、、。

そして、個人的には、一番魅力的に映ったのは、ケニー・ビーの腹心の部下で、実は訳あり、という役どころのマギー・チャンです。

散々目立っているのに本作では謎の(友情出演)とクレジットされていますが、1988年、ウォン・カーワイ監督の(いますぐ抱きしめたい)での演技開眼以降の陰のある女性演技の集大成的なイメージで、

マギー・チャンの存在が、本作を切ないロマンス映画路線での魅力を寄り掘り下げていると言えるのではないでしょうか。

作品中で、はっきりとは語られませんが、ケニー・ビーに対する深い恋心を台詞を使用する事なく、表情で表現しています。

アンディ・ラウアニタ・ムイとの恋心も切ないですが、どちらかというとその表情の表現力だけで、台詞などを一切使わずに表現してしまっているマギー・チャンの魅力が、

もしかすると本作一番の魅力かもしれません。

それにしても、友情出演なんですね、、。

まさに美しさ絶頂期な、マギー・チャンの魅力全開。影のある切ない役柄が似合います。
このマギー・チャンの表情が切なすぎる、、。

で、そんな奇跡のようなビッグスター4人がしっかりと共演が実現した、アンディの製作会社の実力を証明した本作ですが、

アクションも見せ場満載ですが、本作は、物語上に特にどうしても必要ではなかったような設定をあえて取り入れています。

当時話題になりましたアンディの、シャチと友達設定です。

イルカにシャチに乗った少年アンディ。

一応、後半にこのシャチが助けてくれる、というシーンがありますので、結果的に大活躍する事になりますが、特に登場しなくても物語上は問題なかったような設定でもありますので、

おそらく、香港のオーシャンパークで当時シャチのショーがとても人気があったか、何かで、アンディの中で、シャチと戯れるシーンは当初からマストで必要だったのではないかと思われます。

そこから逆算して物語に取り入れてもらったのではないでしょうか。

勝手な推測ですが、、。

スターはなんでもやりますね、、。

という事で、二度と実現できないようなスタッフ・キャストで製作した当時の香港映画の勢いを感じるには最適な作品となっていますので、

香港映画好きで、本作をまだ未鑑賞という方は、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

その勢いに圧倒される90分ですよ。

アンディの身体能力も相当高いです。スターはなんでもできますね。
やっぱりマギー・チャンの表情が切なすぎる、、。

作品情報

1993年製作 香港製作 武侠アクション

監督 サモ・ハンキンポー 脚本 アレックス・ロー 武術指導 チン・シウトン、コーリー・ユン

出演 アンディ・ラウ、アニタ・ムイ、マギー・チャン、ケニー・ビー

ド迫力のラストバトル
しっかりアクションも自ら演じています

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