【香港映画】リセット 決死のカウントダウン(RESET)105分

投稿者: | 2021年7月16日

お薦め度 ★★★★☆☆☆☆☆☆

息子の命を守るため、科学者である母親は何度も、何度も過去に戻る!!ジャッキー・チェン製作による並行世界のタイムスリップを描いたサスペンスアクション!!

作品紹介

2018年2月14日公開

今回ご紹介するのはジャッキー・チェン製作した、タイムスリップサスペンス作品です。

それでは、まずはあらすじから、

物理研究所の責任者シアティエン(ヤン・ミー)は、過去に戻るタイムリープの研究に尽力していたが、ある日、ついに110分間だけ過去に戻る装置の開発に成功する。

しかし、ある日、この装置開発成功のニュースが流れた事で、一人息子のドゥドゥが誘拐されてしまう。

誘拐犯の目的は、全ての研究のデータで、タイムリミットは1時間。

シアティエンは、急ぎ研究所に向かうが、その事件の裏には、ある大きな陰謀が隠されていたのだった!?

息子を救うために研究所に侵入するヤン・ミー

ジャッキー・チェン製作によるタイムスリップアクション作品です。

タイムスリップといっても、過去限定で、110分だけ戻れる、という設定になっています。

ただ、まだ研究途中なので、過去には戻れるが、基本的には一方通行で、現在の時間には戻って来れない、という設定になっています。

ここが、本作の物語のポイントとなっています。

主人公の物理学者ヤン・ミーは、息子を救うために過去に戻りますが、帰ってくることはできません。

それでも、母親は迷わず過去に戻ります。

それだけ、自分の事を顧みずに、どうしても過去に戻らなければならないような出来事が起こります。

しかも、過去に戻れるのは、110分前まで、という制限付きであるために、タイムリミットも決まっています。

過去に戻りたい時間から110分を過ぎてしまうと、その時点で、過去に戻っても、もう手遅れとなってしまいます。

過去への一方通行なタイムスリップな上に、110分というタイムリミットもあり、しかも誘拐犯に1時間以内にデータを持て来い、

と指示されているので、まずは早急に行動を起こさないといけない、というありそうで無かった、緊迫感のある設定になっています。

ただ、本作はその設定をフルに活かしつつ、さらにその設定を掘り下げていきます。

※ここからは、物語展開に触れていますので、ご注意ください※

息子を救うために、過去に戻って、捨て身で頑張って、死の物狂いで戦ったけれど、偶発的な出来事で、息子がまた事件に巻き込まれてしまうんですね。

で、主人公は迷わず、もう一度過去に戻ります。

ここからが、本作のメインの見せ所となります。

過去に2回戻った、という事は、その戻った時間内にはヤン・ミーは3人存在する事になります。

しかも、その内の二人は未来から来ているけれども、もう自分が生きていた時間軸には戻れません。

それでも、とにかく息子を助けたい一心でタイムスリップしてきましたが、じゃあ、無事息子を助ける事ができれば、その後の生活はどうなるんだ?という疑問が出てきます。

本作はそこも上手く解消しています。

時間移動した後の対象は、移動後数時間で物質としての安定感がなくなり、生物の場合やがて死に至ってしまう、という設定になっています。

この安定感の悪さが、原因で、まだ研究途中で、人体実験までには至っていなかったのですが、その状態で事件が起きてしまったので、

我が身を顧みず、過去に戻った、という子を想う母の思いの強さが、際立つ上手い設定となっています。

ですので、結局はその時間にいた一人だけが生き残る、という事になります。

では、時間移動した後のヤン・ミーの世界と今現在進行形のヤン・ミーの世界で違う出来事が起こって、繋がらないような気がしてきますが、

そこは並行世界のタイムスリップ、という設定になっていますので、割となんでもあり、になっています。

で、後半3人のヤン・ミーが、協力して誘拐犯を追い詰める、という熱い展開になっていきます。

この変則的な一人3役(実際は同じ役柄ですが)という設定が非常に面白く、そこへ至る背景の悲壮感も相まって、なかなか緊迫した展開のサスペンスフルなラストとなっています。

ただ、ウォレス・フォが演じる誘拐犯の散々引っ張った誘拐の理由や、事件の背後にいる黒幕の存在など、ちょっと拍子抜けするような展開もありますので、

基本設定が良くできているだけに、非常に勿体ない面もある作品となっています。

あと、(愛さずにいられない)などでロザムンド・クァンと共演していたイケメン俳優ウォレス・フォが、冷酷な誘拐犯を演じていますが、

個人的には、本人のイメージと役柄のギャップを感じてしまいましたので、もうちょっと年配のキャストが演じていた方が、より作品世界に入り込めたような気がするのですが、どうでしょうか。

ウォレス・フォが悪役ですが、、、ちょっと役に合っていないような、、

ウォレス・フォと戦う事になる主演のヤン・ミーは、(見えない目撃者)や、(妖魔伝レザレクション)などで見せた名演技を本作でも魅力いっぱいに披露していますので、

本作の一番の魅力となっています。

ヤン・ミー A (髪を下ろしたスタンダードバージョン)

同じ人物を同時に3人分演じ分ける、という恐らく、他の作品ではまずありえないような役柄ですので、それぞれを微妙に演じ分けていました。

ヤン・ミー B (髪を結んだちょっとアクティブバージョン)

ただ、設定上110分間だけ前後で存在している同じ人物を、表現上で見分けがつくように演じ分ける、というかなりの難題ですので、

3番目に登場する主人公が、何故か(ターミネーター)の1作目と2作目のサラ・コナーばりに別人物のようなキャラクターになって登場するのは、

そこはご愛敬といった感じでしょうか。

それでも、別人物のようにはちゃんと見えましたので、演技の幅を感じる物語展開となっていました。

ヤン・ミー C (いったいい何があったのか?別人のようなワイルドバージョン)

という事で、タイムスリップものにハズレは、あまりない、と個人的には思っていますので、本作も、その設定の面白さとテンポの良い演出で、

グイグイと引き込まれるアクション作品となっていますので、アクション好き、SF好き、香港映画好きの方など、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

ヤン・ミーはお人形さんのようなヒロインより、本作のようなアクティブな作品の方が魅力が全開になって良いですね。

息子の命を救うために、母は何度も過去に戻る

作品情報

2017年製作 中国製作 SFアクション

監督 チャン 制作 ジャッキー・チェン

出演 ヤン・ミー、ウォレス・フォ、チン・シーチェ、リュウ・チャン、ハマー・チャン

データを盗んで、こんな場所に逃げ込みます。
大きな研究施設のここは、多分ゴミ処理施設っぽいところです。ゴミを置くと下に滑って落ちていく感じですね。

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