おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
またしても設定をマイナーチェンジしつつも、ここにきてオリジナルのラム・チェンイン道士が回想シーンで登場し、弟子であるチン・シュウホウが師匠の仇とバトルを繰り広げるというまさに、正統な続編登場!!これはオリジナルのファン必見です!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、チン・シュウホウが主演する(霊幻道士)正統続編シリーズの最新作です。
それでは、まずはあらすじから、
キョンシーや妖怪退治をするハオ道士と弟子のチュウサムとモンチョイ。
ある日、埋葬した死体が蟲毒(こどく)という妖術を使って操られる、という事件が発生する。
事件を調べるうちに、その妖術はハオ道士の師匠の仇である邪教集団が絡んでいる、という事実に辿り着くが、
街の住民からは事件が起こっているのはハオ道士たちのせいではないか、との嫌疑をかけられ、追われる身となってしまうのだった!?
チン・シュウホウ主演による(霊幻道士)正統続編シリーズの第3弾です。
役柄的には今回もオリジナルでチン・シュウホウが演じていたチュウサム役ではなく、ハオ道士という別人物を演じ、
チュウサムは他の若手キャストが演じて本作でも弟子の一人として登場します。
もう一人の弟子、モン・チョイも登場しますので、続編というよりは、同じ設定で新たに作り直したシリーズ作、という感じになっています。
で、この新シリーズもオリジナルから数えて9作目(詳しくはこちら)、10作目(詳しくはこちら)と続いて、本作11作目でとうとう日本での劇場公開もなくなってしまいました。
確かに、この新シリーズ、オリジナルにゆかりのあるチン・シュウホウ主演で、9作目はオリジナルのメイン監督であるリッキー・リュウが監督した事もあって、
結構話題になったと思われますが、正直アクション面やキョンシーバトルなどの要素が薄く、事前の期待感ほどの気持ちの高ぶりは得られない、
というちょっと残念気味の内容となっていました。
それでも、あの(霊幻道士)の正統な続編、という事でなんとか気持ちの整理をつける、といった感じの人も多かったかと思われます。
で、続く10作目では、さらにラブコメ要素とコメディ要素が強まってしまい、オリジナルを鑑賞したときのワクワク感はほとんど無くなってしまいました。
そんな流れがありましたので、11作目で劇場公開されずにDVDスルーになる、というのはしょうがない事なのかもしれません。
で、そんな流れを製作陣も悪いと思ったのか、製作者にオリジナルへのリスペクトを持った人物が参戦したのかは分かりませんが、
ここへきてまさかの原点回帰を狙いつつ、オリジナルの設定も上手く継承した内容へと路線変更されています。
今回もハオ道士と二人の弟子たちによるキョンシー退治物語という設定は据え置きで継承しつつ、今までになかった設定で、
ハオ道士にはお世話になった師匠がいて、その師匠よりキョンシー退治に必要な桃剣を授かって、キョンシー退治の使命を継承する、
という重要な設定が加えられています。
しかも、その師匠の名前がラム道士(ラム・チェンイン道士)で、回想シーンをラム・チェンイン似のキャストがオリジナルのラム・チェンインとそっくりな扮装で演じる、
というファン感涙のシーンが登場します。
さらにそのラム師匠は本作で登場する邪教集団によって殺されていた、というしっかりと本家の設定を継承しつつ、
本作のメインのストーリーに絡めてくる、というまさに本作こそ本当の正統続編、に相応しい内容となっています。
しかも、チン・シュウホウは、自分は長年キョンシー退治をして皆に認められていると思っていたが、それは、
自分自身が認められていたのではなく、師匠の栄光があってこその事であり、自分自身は何一つ成し遂げていない、
と嘆くシーンまで挿入される、というヒーローを受け継いだ者の心の葛藤まで描かれています。
こういう展開こそ、オリジナルのファンが待ちわびていた展開で、ラブコメや、笑えないギャグや、ぶりっ子ヒロイン(ちょっとだけ本作でもその要素はありますが、、)のいない硬派な路線へと舵をとった記念すべき作品となっています。
ただ、路線変更によってまたしても弟子の二人のキャストが変更になっていたり、一応前回から設定を引き継いでるはずの弟子の結婚話が、
まさかのモンチョイの結婚話からチュウサムの結婚話へと変更になるという、何かの間違いのようなウルトラCも飛び出してしまいます。
アクション面では路線変更によって、前作までと違い、しっかり目の武術アクションシーンも度々挿入されますので、
超絶アクションの連続とはいかないまでも、しっかりとアクションを堪能する事ができる作品となっています。
で、いよいよクライマックスで、邪教集団との激突となっていくのですが、
ここは、師匠から授かった桃剣の凄まじいパワーが炸裂するシーンで、同時にチン・シュウホウが、ヒーローへと覚醒していく、
というアドレナリンがMAXになる展開で、まだまだ動けるチン・シュウホウのアクションと最新のCGが融合したなかなか燃えるシーンとなっています。
例によって最近の中国作品特有の79分という極めて短い上映時間なので、駆け足気味なのがもったいないですが、
オリジナルのファンの方は、見逃すのはもったいない、これぞ、まさしく正統続編といった感じの作品になっていますので、
キョンシー映画好き、香港映画好きの方はご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
笑いとホラーのバランスが調度良いので、なんとか以降のシリーズはこの設定のままで製作してもらいたいですね。
もう、笑えないギャグとぶりっ子ラブコメは十分観ました、、。
作品情報
2021年製作 中国製作 キョンシーアクション
監督 ジャン・ウェイ
出演 チン・シュウホウ、リー・ディエンズン、ユエン・ホンヤン
その他のキョンシー作品
オリジナルをリスペクトしつつダークホラーとして蘇らせた(キョンシー)はこちら
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