【中国映画】犯罪心理分析官(心理罪GUILTY OF MIND)110分

投稿者: | 2024年4月5日

おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

中国で人気のミステリー小説シリーズの第一部を人気キャストで映画化した天才的な洞察力を持つ青年と荒くれ熟練刑事のバディによるサスペンスアクション!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、人気小説を人気キャストで映画化したサスペンスアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

海辺の街で男性の遺体が発見された。

担当刑事のタイ・ウェイが現場で捜査を進めていると自称犯罪心理分析の天才という新人捜査官ファン・ムーが現れ、

その助言によって犯人を特定、素早いタイ・ウェイの行動力によって犯人は逮捕するが、事件はそれだけでは終わらず、同様の手口による犠牲者が次々と出てしまうのだった。

この連続猟奇殺人事件を解決するために、タイ・ウェイとファン・ムーはコンビを組んで反目し合いながら捜査を開始する!?

中国で絶大な人気を誇るレミー原作小説(心理罪)シリーズの始まりとなる第一部を原作にして映画化された作品で、

既にドラマ版も製作されていて、そちらも中国では大変人気シリーズとなっています。

ドラマ版

監督は、(冬至)や(与你同在的夏天)等のシエ・トンシェンで、ドラマ中心の他の監督作品とは違った、

娯楽要素満載のサスペンスアクションを演出しています。

シエ・トンシェン

主演の天才的な洞察力を持つ青年役には、日本のコミック原作の(カイジ動物世界)や(革命者)等のリー・イーフォンが扮し、

探求心が強すぎるあまり、周りと衝突を繰り返す主人公を演じています。

リー・イーフォン
リー・イーフォン

で、もう一人の主人公である熟練刑事役には、(鵞鳥湖の夜)(詳しくはこちら)や(トレマーズ砂の王国)(詳しくはこちら)等の、

リャオ・ファンが扮し、気性が荒いにも程があるキャラクターを演じています。

リャオ・ファン
リャオ・ファン

で、捜査チームの部下役で、(拾仙传之断魂茶)や(九龙城寨)等のユー・ランが登場し、

意外にドラマだけでなくアクションシーンでも活躍していきます。

ユー・ラン
ユー・ラン

で、主人公のガールフレンド役で、チャン・イーモウ監督、クリスチャン・ベール主演の(金陵十三钗)や、

爱很美味)等のリー・チュンが登場し、可憐な魅力を放っていきます。

リー・チュン
リー・チュン

で、全ての事件に関与するラスボス役で、香港から(南海三十郎)や(Miss 杜十娘)等のツェー・クワンホウが登場し、

若干ファンタジックなキャラクターながらも、世界観を掘り下げていきます。

ツェー・クワンホウ
ツェー・クワンホウ

そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、海辺の街で、被害者が全身の血を抜かれて内臓も摘出された状態で発見される

という、猟奇的な殺人事件が発生し、荒くれ熟練刑事であるリャオ・ファンが駆け付けるシーンから始まります。

で、リャオ刑事が現場検証を行っていると、遅れて自称、犯罪心理分析の天才だという若手捜査官であるリー・イーフォンが現れて、

独自の凄い洞察力で、次々と分析を繰り返し、犯人は犯行後、現場に必ず戻って来る、という何度も聞いた事がある台詞で野次馬の中に犯人を見つけて、

犯人も分かり易く逃げてしまうので、追跡劇になりつつもなんとかその場の事件は解決、、、、、

、、、、したかに見えますが、その後も同様の手口による犯行は続いてしまいます。

で、大量の血を抜けれて、しかもその場で抜いた血をそのまま犯人が飲んだと思われる形跡まで残したまま殺害されたアスリートや刺殺された女性等、

事件は連続性を帯びて行き、しかもどの事件にも血が絡む、という現代に蘇った吸血鬼が犯人か?というような、ちょっとしたファンタジックな要素も匂わせつつ、

あくまでリー刑事の現代的な推理と洞察力、そしてリャオ刑事の猪突猛進的な行動力で連続性のある事件の黒幕を追いついめていく、というのが大筋となっています。

非常に分かり易い設定の、凸凹バディのミステリーアクションではあるのですが、本作の一番の見所である主人公の犯罪心理分析が、

なかなかの強引さで、ほとんどの分析が、『〇〇だから××だ!だから犯人はお前だ!』という短絡的な説明で、

ペラペラと台詞を沢山しゃべりますので、煙に巻かれてしまいますが、

『犯人は犯行後、自分にミスが無いか現場に確認しにく来るから、犯人はこの中にいるっ!?』

自称天才『犯人は現場に戻るので、ここにいる!!』(いや、そうとは限らない!)

という、良く聞いてみたら結論を出すには薄すぎる洞察力で、しかも、毎回それが正解として物語が進んでしまいますので、ミステリーものとして物語は進みますが、

肝心の心理分析・推理・ミステリー要素が、観ている側の想像力を越えてきません。

極端に言ってしまうと、

この主人公が犯人と言った人物が犯人です。

例えるなら(霊幻道士)の道士サマと同じで、『西の方角からキョンシーがやって来るので、もち米を撒けば撃退できる。』

と言われれば、西からキョンシーはやってきますし、もち米で撃退できます。

もち米は、多分普通の米が混ざっているので、トラブルは発生しますが、、。

ラム道士『もち米を撒きなさい。犯人は現場に戻るので、ここにいる!!』(霊幻道士より)

という感じで、天才、天才と自分から言ってしまうぐらいなので、作品世界内では天才なのだとは思いますが、

心理分析自体に驚き要素が薄いので、天才としての説得力が無く、どちらかというと天才よりも無礼者の要素の方が勝ってしまいますので、

結果的に目上の者に対する敬意を抱かない無礼な若者と、常に機嫌が悪い癇癪持ちのおじさんコンビ、

という珍しいバディ刑事コンビとなっています。

共通点は、2人とも、あまりにも他人に対する配慮を欠いた協調性ゼロな性格、という感じでしょうか。

ただ、中盤、ある大きな出来事が起こる事で、様子が変わってきます。

他人への配慮、命を奪われた被害者への畏敬の念が足りなかった主人公が、その出来事を身をもって経験する事で、

感情の無い他人への配慮を欠いた内面に変化が起こり、荒くれ刑事が怯む程に感情が爆発する事になります。

で、この成長が描かれる事で、凸凹バディは真のバディとなり、全ての事件の裏で操っていた黒幕を導き出していく事になる、

という非常に盛がるクライマックスへと繋がっていく事になります。

ついに、黒幕が登場し、大事件が発生!!

そこに行き着くまでが、結構強引なので、少々残念ですが、後半は心理分析よりも娯楽サスペンスアクション展開へと突入し、

ある意味タイムリミット的な要素も加わり、さらに荒くれの格闘アクションもしっかりと描かれる、サスペンス要素とアクション要素、両方しっかりと楽しめる内容となっていきます。

という事で、(犯罪心理分析官)というタイトルから、謎解きミステリー要素を期待しがちですが、その要素よりも、

サスペンスアクション要素に、見所が集中している作品となっていますので、娯楽系のサスペンスやアクション作品好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

2017年製作 中国製作 サスペンスアクション

監督 シエ・トンシェン 原作 レミー

出演 リー・イーフォン、リャオ・ファン、ユー・ラン、リー・チュン、ワン・シー、シェー・クワンホウ

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