【中国映画】トレマーズ 砂の王国(沙丘虫暴DEVIL IN DUNE)96分

投稿者: | 2022年11月9日

おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

人間に襲い掛かる虫に支配された荒廃した近未来を舞台に、安全地帯とされるオアシス目指して苛烈な争いが繰り広げられる、勿論、ハリウッド作(トレマーズ)とは一切無関係のモンスターパニック作!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、荒廃した近未来を舞台に砂漠で繰り広げられるモンスターとの戦いを描いた作品です。

それでは、まずはあらすじから、

砂漠化が進んだ近未来、地球は、その環境に順応した巨大生物によって支配されていた。

生物化学研究所のリウ・ドンは、砂漠のどこかに存在するとされる安全地帯、オアシスを求めて砂漠を彷徨っていたが、

ある町で、ついにその手がかりを手に入れるのだった!?

荒廃し、砂漠化が進みイモムシ型の虫に支配された近未来の中国が舞台のモンスターアクション作品です。

虫の災害によるものかは分かりませんが、人間の数も少なくなっているようで、その人間たちの間でも略奪などが横行するような世界観となっています。

で、そんな夢も希望もない世界ではありますが、人間達にも少しの希望は残されていて、都市伝説的にどこかに人間が安全に暮らせるオアシスがあり、

そこでは虫の脅威にさらされることもない、という事で、そのオアシスへ行くために、手がかりを求めて砂漠を移動し続ける、

という流れが、メインの物語展開となっていきます。

その移動の道中で、出会いがあったり、イモムシに襲われたり、とドラマとバトルを繰り広げていく事になります。

で、そんな物語の主人公ですが、これがイケメンの若者、、、というわけではなく、色々な経験をして姑息な泥棒となってしまったおじさん世代、

という荒廃した世界観をさらにリアルにするような主人公設定となっています。

主人公はおじさん。

このおじさんが、オアシスを探しているという成金社長と部下の傭兵たちに捉えられているような形で、

オアシス目指して旅が続けられます。

成金社長に既に捕まっている主人公、こういう状態で物語はスタート。
成金社長と傭兵。どういう人間関係なのか、例によって説明がないので良く分かりません。

その一向に、砂漠を移動中の幼い娘のいる夫婦が、人質同然で加わり、オアシスを目指す事になります。

ある家族が合流

ただ、この一行、例えるなら(北斗の拳)に出てくる悪漢の少し優し目、ぐらいの無法者ぶりなので、結構簡単に人を殺めていきます。

だんだんと逃げ場を失っていく主人公達、という感じですが、この途中で出会う幼い子供を通して、うらぶれた主人公が、だんだんと人間性を取り戻していく事になります。

子供は名演技

登場当初は、メンバーに脱落者が出るや否や、来ていた上着をもぎ取る程の略奪者だったおじさんが、少女の純粋な想いに絆され、

自身の愚かな行いを悔い改めて人間的に成長していく事になります。

若者の成長ではなく、おじさんの成長が描かれます

おじさんとはいえ、最近の中国作品では珍しく、人間の成長が描かれている物語ですが、やはり、というか、設定的に少々おかしいというか、

泣きじゃくる少女(他の中国作品のように子役は名演ではありますが、とにかく泣きじゃくりまくりで、

それが繰り返される上に、泣くたびにスローでアオラレ、引き延ばされるので、辟易してしまう方もいるかもしれませんが、、、)との心の交流が描かれ、

過去に出会った少女を死なせてしまった、というやり直したい過去も何度も何度も思い出し(逆にそれしか思い出さない)、

泣きじゃくる子供と抱き合って、感極まって自身も泣いてしまう、という一連の行動を、、、

父親が、すぐそこに居る状況でやってしまいます。

父親いるよ

冷静に父親目線になると、他人の娘に何をしているんだ!という声が聞こえてきそうなクライマックスのちょっと危ういドラマとなっています。

これが、自分の娘、とか疎遠だった娘、もしくは父親を亡くした子供、だったら絆も芽生えて、二人共足りない部分を補う形で問題ないのですが、

実の父親の目の前で、泣きじゃくっている娘と、泣きながら抱き合っている、さっき出会ったばかりの他人のおじさん、

という感情移入できそうで、できないドラマの流れが、せっかく主人公の成長が描かれているのに、非常に勿体ない流れとなっています。

そもそも、おじさんが以前、子供を死なせてしまうような過去を背負っている事実は、勿論おじさん以外は誰も知らないので、

感極まったりしても、他のメンバーは、ぽかん、という感じです。

逆に言うと、主人公の内面的な成長を描く事以外は蔑ろ、と言えなくもないですが、、、。

人間を主食としていると思われたイモムシモンスターの、意外な好物など、説得力のある設定も後半判明したりしますので、

つくづくおじさん設定の違和感がもったいない作品となっています。

という事で、(トレマーズ砂の王国)という、大それた邦題が付けられた中国製モンスター作品ではありますが、

おじさん設定の違和感を覗けば、結構楽しめる作品となっていますので、中国作品好きの方や、モンスターアクション好きの方等、

ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

因みにおじさんを演じているワン・ツイイーは、ダレン・ワン主演の(超级的我)等に出演しています。

ワン・ツイイー(40歳)
超级的我 

作品情報

2022年製作 中国製作 モンスターパニック

監督・脚本 シア・バンチャン

出演 ワン・ツイイー、タン・イーヌオ、リャオ・ファン、イン・ター

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