【中国映画】イップマン 立志(葉問宗師覺醒IP MAN:THE AWAKENING MASTER)76分

投稿者: | 2022年7月10日

おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

元子役のシェー・ミャオ主演の超絶アクションを、いつもの激しいカット割り満載で描いた、イップマン感の極めて薄いイップマン映画!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、元子役で現在は人気のアクションスター、シェー・ミャオ主演のイップマン映画です。

それでは、まずはあらすじから、

見識を広めるために香港の街にやってきたイップマンは、その街でイギリス人のギャング団が暗躍し、中国人女性を誘拐する

という人身売買の現場を目撃する。

得意の詠春拳でギャングを撃退するイップマンだったが、その日よりギャング団の報復が始まり、世話になっている人々にまで危害が及ぶのだった!?

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子役時代のジェット・リー主演(D&D完全黙秘)や(新少林寺伝説)からカンフースターとして活躍し、

近年でも(ブレイド・オブ・ゴッド天空の剣)(詳しくはこちら)や、(武神)(詳しくはこちら)、そして(少林寺阿羅漢VS鬼神羅刹)(詳しくはこちら)、(少林寺十八の羅漢)(詳しくはこちら)等

目覚ましい活躍を見せているシェー・ミャオ主演のイップマン映画です。

既に(西遊記 孫悟空VS7人の蜘蛛女)(詳しくはこちら)では孫悟空役も演じていますので、あとは(鬼吹灯)と(封神演義)ぐらいでしょうか。

既に演じ済み、の可能性もありますが、、、。

というわけで、シェー・ミャオ版のイップマンです。

物語は、香港に出てきたばかりのイップマンが、かつての使用人である青年と8年ぶりに奇蹟的な偶然の再会を果たし、

そのまま居候し、人力車夫等をしながら、楽しく暮らしていたが、巷を賑わす人さらい(女性限定)集団の誘拐騒動を見過ごせず、

正義の鉄拳をくらわせるものの、当然恨みをかって、お世話になっている人々が蹂躙されていき、最終的に怒りの鉄拳が炸裂する、

という大筋となっています。

正直、物語自体は既視感満載で、主人公がイップマンだと言われなければイップマン映画とは思えず、名前を陳真だと言われれば(ドラゴン怒りの鉄拳)系烈になり、

黄飛鴻だと言われれば、(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ)シリーズにも早変わりするような物語となっています。

この時期を舞台にした中国作品は、大体人身売買組織と戦う物語か、アヘンがらみの麻薬組織と戦う物語か、

外国人による中国の国宝の密輸の物語か、が多く、本作はそのうちの人身売買組織と戦う物語となっていますが、

本作の場合、その人身売買の方法というか、人さらいの方法が、あまりに杜撰で、悪漢たちが、白昼堂々と女性をさらっていきます。

余裕で悪事を働く悪漢

で、それに対して、この地区で暮らす人々は、自分たちに危害が及ぶのを避けるために、いつも見て見ぬフリを決め込んでいる、

という物凄く治安の悪すぎる地区、というか、流石に非現実的すぎるような地区として描かれています。

で、シェー・ミャオのいつもの正義感で、勿論この悪漢たちに立ち向かっていきますが、結局恨みをかって報復を受ける、

という流れですが、周りからの視線は終始、余計な事をした部外者を見る目線で、正しい事をしたイップマンがまるで悪者のような雰囲気が流れていきます。

で、そのままの雰囲気のまま、結局外国人と戦う事になっていき、ドニー・イェン版のように公開試合をすることになり、

激闘を見ているうちに、観衆がいつのまにか『イップマン!』『イップマン!』と歓声を浴びせるようになっていきます。

ただ、特に正義を貫く事の大切さを、皆が理解したわけでも、人さらいを見て見ぬフリをしてきた自分達の行いを悔い改めたわけでもなく、

なんとなく、イップマンが試合で頑張っているので応援している、という感じで、戦いに至るドラマや、戦いによって後のドラマに作用して展開が変わっていく、

という事がありませんので、とにかくイップマンという人物自体が物語に上手く溶け込んでいません。

シェー・ミャオ自身も特にいつもと全く変わらない一直線のヒーローを演じていますので、ドニー・イェン版にあったような人間的な奥深さは、一切感じる事もありませんので、

結果的にイップマンらしさを感じない、イップマン映画となっています。

いつも通りのシェー・ミャオがいつも通りにヒーローを演じています

アクション自体も、シェー・ミャオのアクションが素晴らしいのは既に分かっている事ですが、とにかくカット割りが多く、

しかも、引いて撮影しているシーンが極めて少ないので、アクションシーンが始まる度に手のアップや、足のアップの連続で、

さらに角度が頻繁に変わりますので何をやっているのか分からず、毎回ごちゃごちゃやっているうちにいつの間にかバトルに勝利している、

というアクションの繰り返しとなっています。

イケメンで動けないキャストが、少しでも動いているように見せるためにカット割りで誤魔化す整合性をつけるのなら分かりますが、

シェー・ミャオのように誰もが動ける事を知っているアクションスターのアクションの動きの良さを無くしてしまってまで、カット割りを繰り返す必要は全くないと思うのですが、どうなのでしょうか。

それが流行り、と言ってしまうとそうなのかもしれませんが、こういうアクションを魅せるよりもカット割り技術を魅せるような厭な流行が、

中国映画(特にアクションやカンフー映画の)の、衰退を招いていっているようで、観ているとどんどん気持ちが離れてしまいます。

一応、それでもドニー・イェン版のイップマンを意識はしているようで、後半に用意されている公開試合で外国勢とバトルを繰り広げる展開や、

その外国人(イギリス人)が推している自分たちの格闘術バーティツ(ボクシング、柔術、棒術、キックボクシング等を掛け合わせた本当にイギリス発祥の武術)が最強だと、

戦いを挑んできてバーティツVS中国武術となる構成や、

ボクシングではなくバーティツを推します
やる前から泣きそうな強敵

細かいところでは、ドニー版前半で見せた掃除用具のはたきを武器にして戦うシーン等、

少しでもドニー版イップマンのアクションには近づけようとしている姿勢は少しだけ見て取れました。

これは、ちょっと強引すぎです

という事で、イップマン映画を期待して鑑賞すると、あまりその雰囲気を感じることは難しいかもしれませんが、

シェー・ミャオ主演のいつものカンフーヒーローアクションと思って鑑賞すると結構楽しめる部分もありますので、

カンフー映画好きの方や、香港映画好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

自転車を楽しむイップマン

それにしても、超個人的な意見ですが、シェー・ミャオ、人相的にヒーロー役よりも悪役を演じた方がハマるような気がずっとするのですが、どうでしょうか。

ラストは今までの強敵がまとめてかかってきます(ロックマン方式)
既にやる前から泣きそうな強敵

作品情報

2021年製作 中国製作 カンフーアクション

監督 リー・シージェ、ジャン・ジュアリン

出演 シェー・ミャオ、ファー・チーロン、チェン・グアンイン、チャオ・ユーシェン、クイフェン・ユアン

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