【レア作品!香港映画】アムステルダム・キル(荷京喋血THE AMSTERDAM KILL)88分

投稿者: | 2023年9月14日

おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ゴールデンハーベスト社が、(燃えよドラゴン)のロバート・クローズを監督に、ロバート・ミッチャムを主演に製作したエージェントアクション!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、ロバート・ミッチャム主演のエージェントアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

麻薬組織の縄張り争いで、密売人が次々と殺害される事件が発生した。

一方の麻薬組織のボス、チャンは保身のために顔なじみの元麻薬捜査官クインランに自身の保護を条件に敵対組織の情報提供を持ちかけてくる。

古巣の麻薬捜査局の協力を仰いだクインランは、合同で捜査を開始し、麻薬組織撲滅作戦を決行するが、

ある裏切り者によって、作戦は思わぬ方向へと進んでしまうのだった!?

燃えよドラゴン)のロバート・クローズ監督によるエージェントアクション作品です。

ロバート・クローズ監督は(燃えよドラゴン)の世界的な大ヒットによって、その後本作を含めアジア系の格闘アクション作品で何作も監督する事になり、

ジャッキー・チェン主演の(バトルクリークブロー)や、シンシア・ラスロックリチャード・ノートンコンビの(女ドラゴンコップ チャイナオブライアン)シリーズ、

リチャード・ノートンコナン・リーが出演している(カラテNINJAジムカタ)等、本作を含めて多くのアジア人が活躍するハリウッドアクション作品を監督しています。

ロバート・クローズ

ただ、(燃えよドラゴン)は、ブルース・リーの隠しきれない才能が前面に出たブルース・リー自身のキャラクター性で成功しましたが、

他の作品では、まだまだ無名の若者だったジャッキー・チェンや、格闘系の西洋人の魅力を上手く引き出せているとは言い難く、

本作のような完全に非格闘系の、ロバート・ミッチャムを主人公に起用したアクション作品では、日本では劇場公開も見送られる程の内容となっています。

ロバート・ミッチャムは1976年製作の(ミッドウェイ)の翌年、(大いなる眠り)と同年に出演した作品で、

円熟味を増した佇まいで、うらぶれた元麻薬捜査官を演じています。

ロバート・ミッチャム

共演は、後に(裸の銃を持つ男)でコメディ俳優として再ブレイクしていく事になるレスリー・ニールセンで、

安心の安定感で、麻薬捜査局の責任者を演じています。

レスリー・ニールセン

また、香港映画ファンとしては、スタントマンや端役として、チェン・シン、タイ・ポー、ユン・ワー、ユンピョウ、ラム・チェンイン、フォン・ハックオン、と

その後、ゴールデンハーベスト作品で大活躍していく事になるスターが、アクションになる度に少しづつ登場しますので、

知った顔を探してみるのも、ちょっとした楽しみになっています。

タイポー
チェン・シン
ラム・チェンイン
ユン・ピョウ
ユン・ワー
フォン・ハックオン

しっかりした役、としては前半で登場するなり殺害されてしまうタイポーと、そのタイポーをナイフで殺害するチェン・シンぐらいで、

あとは、麻薬組織員としてその他大勢という感じでの登場ですが、ユン・ピョウユン・ワーに関しては、

やっつけられてしまう前に、結構アップになって派手に倒されていくので、ひときわ目立つ端役となっています。

ユン・ピョウとユン・ワーは結構目立ちます

で、物語としては、各地で麻薬組織同士の抗争があり、一方の組織員が次々に殺害されてしまう事件が発生するところから始まります。

で、そのうちの一方の組織員が、自身の身の危険を感じ、かつて麻薬科の捜査官だったロバート・ミッチャムに連絡を取って来る、という事から本題に入っていきます。

麻薬組織のボス『助けてくれ。』
ロバート『いいよ。』

要するに、仲間を売るので、保護して欲しい、という非常に都合の良い理由(反省して、等の罪を悔いているわけではありません)で、

主人公に情報を提供して、どんどんと組織員を逮捕させていきます。

悪党が、善人っぽく仲間をどんどん売ります

まるで、悪人を逮捕するための正義の協力者のような雰囲気ですが、その情報提供者と一緒に組織員を一掃していく主人公のロバート・ミッチャムの方も、非常にパッとしない境遇で、

現役の捜査官ではなく、

かつて麻薬捜査課の敏腕捜査官でありながら、麻薬中毒になって解雇された過去を持つ元捜査官で、今は企業スパイのような事をしている、

という、なんとも感情移入しにくいキャラクターとなっています。

何故、わざわざそんなキャラクター設定にしたのかは謎で、せめて愛する人を守るためにそうせざるを得なかった、等の理由が欲しいところですが、

そういう設定も無く、

ただただ麻薬に溺れて挫折し、周りの人に迷惑をかけて嫌われている元捜査官

という主人公像となっています。

結構な過去を持っている主人公ですが、いつも通りの余裕のある英雄風のロバート・ミッチャムです。

何故、その嫌われ者が情報提供者に信頼されたのかも謎ですが、信頼できると思った、という台詞一発で押し切ります。

麻薬に溺れて解雇された元エージェントですが、、、。

で、勿論、麻薬組織を壊滅出来るほどの凄い情報ではあるので、元の古巣に持ち掛けて、情報を基に組織員を逮捕していくのですが、

当然ながら情報を売られる側の組織によるロバート・ミッチャへの妨害工作も過熱していきます。

で、香港スタントマンによる妨害アクションを掻い潜り、必死の捜査を進めていくうちに、ついに大規模な麻薬の精製工場や取引場等が明らかになっていきます。

で、さらに捜査を進めると、実は身内に組織と繋がる、とんでもない裏切り者が存在する事が発覚し、後半は、その裏切り者とのチェイス、

そして精製所での大掛かりなアクション、という感じでクライマックスへと繋がっていく事になります。

ただ、この裏切り者の正体が、登場して即座に分かってしまうような人物で、一応、後半の目玉展開的な見せ場として描かれますが、

意外な事実とまでは思えないのが残念です。

アクション面でも、ロバート・ミッチャムが体を動かして頑張っている、というのは伝わるのですが、やはり非アクション系の主演俳優で当時の香港アクションを表現するには限界があり、

全体的に地味な印象のアクション作品となっています。

という事で、内容はさておき、世界に目を向けていたゴールデンハーベスト社のハリウッドとの合作作品という、

この時期の香港映画が世界的に注目され始めた時期の貴重な作品となっていますので、

香港映画好きの方や、スパイ映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

1978年製作 香港・アメリカ アクション

監督 ロバート・クローズ 製作総指揮 レイモンド・チョウ 武術指導 サモ・ハンキンポー

出演 ロバート・ミッチャム、レスリー・ニールセン、リチャード・イーガン、チェン・シン、ラム・チェイン、タイポー、ユン・ピョウ、ユン・ワー、フォン・ハックオン、チャン・ロン

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