【未公開カンフー映画】老鼠街(THE GOLD HUNTERS)85分

投稿者: | 2023年7月8日

カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆

ジャッキー・チェンが製作し、ジャッキーのアクションチームが武術指導、監督をフォン・ハックオンが担当し、主演をラウ・カーヨン、リー・ホイサンが務めた豪華キャストのカンフーアクション!!

作品紹介

今回ご紹介する作品は、ジャッキー・チェンが製作し、フォン・ハックオンが監督したカンフーアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

スリ等をして生計を立てている三人組、トンとリーとチウは、街の富豪が公金を護送する任務に就く事を知る。

早速強奪計画を立てた三人は、計画を実行に移すが、奪った金塊が入っているはずの箱には金塊は無く、

金塊を隠したはずの首謀者も投獄されてしまった。

しかし、金塊を諦めきれない三人は、金塊の在処を聞き出すために、首謀者の投獄されている牢獄に潜入しようと試みるのだった!?

製作はジャッキー・チェンで、武術指導を成家班が担当している、ジャッキー主演作品に通じるような見栄えのするカンフーアクション作品です。

監督は、(ポリスストーリー)や(ツインドラゴン)等のジャッキー作品や、サモ・ハン作品の常連俳優フォン・ハックオンで、

フォン・ハックオン

本作の前年に製作された(ヤングマスター師弟出馬)と翌年に製作された(ドラゴンロード)では出演と武術指導も担当していますので、

本作はその合間の1981年に、監督自身もラスボスを演じながら製作されたジャッキー印な作品となっています。

主演のコソ泥三人組の一人で実質的な主人公役を演じているのは、ラウブラザースの親族で、リュー・チャーフィー主演の(少林寺破戒大師)や、

醉拳2)と(醉拳3)(詳しくはこちら)、(ドラゴンロード)等のカンフー作品で活躍しているラウ・カーユン

ラウ・カーユン

そして、その相棒でもあるコソ泥役で、(少林寺三十六房)や、(ガッツフィスト魔宮拳)(詳しくはこちら)、

プロジェクトA)、(燃えよデブゴン7)(詳しくはこちら)等、多くのカンフー映画で活躍しているリー・ホイサン

リー・ホイサン

そして、もう一人のコソ泥役で、本作の前年に製作された、もう一つのジャッキー・チェン製作作品(孖寶闖八關)にも出演ししているマン・チウ

の三人で、裏の世界で生きる小悪党をコミカルに演じています。

マン・チウ

で、本作は、流石にカンフー映画に長年出演し続けているフォン・ハックオン監督、しかもジャッキー製作作品だけあって、主人公達以外のキャストも凄く豪華で、

まずは、フォン・ハックオンの父親役で、ビリー・チョン主演の(ドラゴンカンフー水晶拳)(詳しくはこちら)や、

プロジェクトA2)、(奇蹟ミラクル)等のカンフー作品で有名なチュー・ティエホーが出演し物語上かなりの重要人物を怪しさ一杯に好演しています。

チュー・ティエホー

で、そのチュー・ティエホー邸の執事役で、(少林寺VS忍者)や、(霊幻少林拳)(詳しくはこちら)、(斗え!デブゴン)(詳しくはこちら)等のトン・ワイセン

トン・ワイセン

街の警察署長役で、(平安夜)(詳しくはこちら)や(香港・東京特捜刑事)(詳しくはこちら)等のメルビン・ウォン

メルビン・ウォン

という動ける武術スターが多数登場し、さらに(ファーストミッション)(ドラゴンキョンシー)(詳しくはこちら)等のタイポーや、

タイポー

チャイニーズゴーストストーリー)、(ジョイ・ウォンの幽女伝説)(詳しくはこちら)等の名脇役ウー・マ

ウー・マ

燃えよデブゴン正義への招待拳)(詳しくはこちら)等のアニー・ラウ等、ジャッキー作品や有名香港映画に多く出演するスター達が顔を揃えた作品となっています。

アニー・ラウ

そんな豪華キャストの本作の物語ですが、これがなんとも裏街道を生きるコソ泥三人組が主人公の物語、という事で、

騙し合いや奪い合い(強奪)が中心の内容となっていて、基本的に悪人ばかりが悪事を働く物語、というジャッキー作品としては異質の作品となっています。

基本的に悪党が悪事を働く物語、、、。

ですので、主人公が途中で正義に目覚めたり、誰かを助ける(3人の中ではありますが)等のヒーローっぽい活躍を見せるような展開にはなりませんので、

ジャッキー製作作品ではありますが、アクションシーン以外では、ジャッキー作品のような爽快感は感じられない作品となっています。

キャラクター的には能天気な感じなのですが、、、。

多くの作品で、他人を裏切る役柄ばかりを演じている(勿論役柄の演技ですが)フォン・ハックオンらしい発想、という感じでしょうか。

で、そんな裏街道に生きる三人組、今日も各々人力車を牽いたり、給仕をしたり、と働いていますが、とにかく隙あらば、他人の物を盗む、

という手癖の悪さで、今日も元気に痛快に、他人の物を盗んでいます。(ラストバトル中にもスルという徹底ぶり)

で、ある日、街の有力者であるチュー・ティエホーが、街の公金(金塊)を護送するために、メルビン・ウォン演じる運輸警察署長と共に護送隊を率いる、という情報を小耳にはさみます。

で、他人の金に目の無い三人組は、早速強奪計画を実行に移し、隊を襲います

サクッとチュー・ティエホーVSリー・ホイサンという珍しい悪役対決が実現
ラウ・カーユンVSメルビン・ウォン

しかし、襲われた側のチュー・ティエホーは、何故か応戦中に、仲間であるはずのメルビン・ウォンにナイフを向けて襲われたフリをして襲い掛かります。

メル『痛いっ!!オイっ!!!』    チュー『あ、、、ごめん、、、!!』

で、何が起こっているのか理解できないまま、それでも金塊に目が無い三人は、その金塊が詰まっている大きな箱をそのまま自宅に持ち帰ります。

悪ABC『あれっ!?何を、、、、でも、チャーンス!!』

で、開けてみるとビックリ、中身は銀砂、、、ではなく塩でした!

という事で、金塊争奪戦が始まる、というのが本筋となっています。

悪C『!!!』
悪B『しょっぱ!!』

で、じゃあ、金塊はどこに?という事になりますが、そこから本作はちょっとした宝探しミステリーのような展開になっていきます。

悪C『、、、、、』

勿論、黄金の在処を知っているのは、とりあえず投獄されているチュー・ティエホーだけなので、三人組は、その在処を聞き出すためにわざと罪を犯して自分達も投獄されようとする、

というまさかの投獄大作戦を展開していく事になります。

で、この辺りが特にコメディ展開の見せ場でもあるのですが、要するに無銭飲食や、娼館(とにかくカンフー映画には何故か娼館が良く登場します。何故なんでしょうか、、)での無銭サービス(?)等、

あの手この手で警察沙汰になるように仕向けますが、何故かそんな時に限って、ラッキーな目にあって、

なかなか逮捕されない、という、とりあえずお宝探しとは直接関係のない寄り道が、割と長めに展開されます。

で、最終的に、『くそうッ!』と道端で唾を吐いたら、偶然通りかかった警察官の足にかかってしまい、そのまま逮捕、という事になります。

悪党B『くそう!ぺッ!!』  警官『ハイ、逮捕!』  悪党BC『えっ!?』

で、いよいよ本題に近づく牢獄編ですが、これが後々にミステリーとして効いてくるシーンが結構登場する事になります。

チュー・チェホーは、警察の取り調べに金塊の在処を白状する事もなく、それを近くの牢屋で聞いていた二人組も取り越し苦労、

という感じだったのですが、息子であるフォン・ハックオンが面会に来てから物語が動き出します(後ほどですが)。

フォン・ハックオンは少々楽観主義の西洋かぶれ、という能天気系のキャラクターなのですが、父親の投獄中に、

自宅の邸宅を売ってしまって、その資金で新しい高級娼館をオープンする、というまさかの暴挙をサラっと報告します。

勿論、そんな事を聞かされた父親であるチュー・ティエホーは激怒し、罵り、大説教を大声でしながら、鉄拳制裁(というかカンフー制裁)を加えていきます。

で、カンフー技でガンガン責められながら、フォン・ハックオンも達人レベルではありますので、防御しながらも攻撃を加えられる、、、

間も大声説教とカンフー制裁は続く、というカンフー映画でしかありえないようなシーンの後に絶叫しながらチュー・チェホー

チュー『お前、とんでも無い事をしやがって!

がっくり、、、

   『お前のせいで俺がどういう姿になっているか良く見てみろ!!

という大絶叫の父親を遺してフォン・ハックオンは逃げるように牢獄を後にします。

で、次に執事であるトン・ワイセンがやってきます。

トン・ワイセンは、実はチュー・ティエホーが金塊を盗んでいた事を知っている唯一の人物で、金塊は後ほど二人で分配する予定だったものの、

予想外に投獄されてしまったので、とりあえず、金塊の在処を聞き出して分け前だけは頂きたい、というゲスい理由で面会にやってきます。

で、老竹山という墓地(?)の建物に金塊は隠した、とチュー・ティエホーに言われたので、喜び勇んで老竹山に行ってみますが、

その会話を近くの牢屋で聞いていた三人組が回り道して待ち伏せ、、、、している所に、チュー・ティエ・ホートン・ワイセンの会話を聞いていた看守が部下を率いて現れて、

トン・ワイセンに襲いかかります。

で、散々戦いが繰り広げられて人数が減ったところで、三人組が登場し、トン・ワイセンを倒して、金塊入りの箱を強奪します。

しかし、箱を開けてみると金塊はまたしても無く、途方に暮れた三人組は、牢獄でのチュー・ティエホーフォン・ハックオン親子のやり取りを思い出してみます。

ここからがちょっとしたミステリーの解明編、という感じになります。

※↓ここからは物語の確信に触れて行ってしまいまいますのでご注意下さい↓※

で、あの親子のやり取りは、何か不自然では無かったか?

という事で、そのカンフー制裁のやり取りを、自分達で再現して観る事になります。

『ここで、こう。息子がこっちに移動したから父親がこう動いて、、、、、』

と、砂場で同じ動きを再現してみると、、、、、

、、、、、、、、

、、、、、、、、

!!!!!!

父親の動き通りに足場を固めて、足の動きを再現してみると、ある文字が!!!!

さらに、その動きの続きを再現すると、さらにもう一つの文字が!!!!!

あの、不自然なカンフー制裁は、父親が息子に金塊の隠し場所を教えるためのヒントだったんだ!!

という事で、解明編のメインの舞台となる、フォン・ハックオンが建てた新しい娼館に潜り込んで、金塊の隠し場所を探る、

という展開になっていきますが、やはり娼館が舞台になると脱線気味になりますので、かわいこちゃんに目が行くラウ・カーユンを、

若干兄貴肌のリー・ホイサンが『俺たちの目的は女ではなく金だ。』の一言で、また本筋へと帰還します。

ただ、夜中に忍び込んで探しまくっても、どこにも金塊なんて見当たらない、ヒント自体は正しいだろうけども、

決定的な隠し場所が分からない、いったい、金塊はどこにあるんだ、、、、、。

という事で、三人はもう一度、あの親子のカンフー制裁シーンを思い浮かべます。

カンフー制裁での文字のヒントは全て理解しているはずなのに、何か見落としはないか?

動きや、言葉に確信に触れるヒントは隠されていなかったか?、、、、、、

、、、、、、、、

、、、、、、、、

まてよ、あの時、父親はこう言っていた、、、、、

チュー『お前、とんでも無い事をしやがって!

   『お前のせいで俺がどういう姿になっているか良く見て見ろ!!

、、、、、、、、

   『お前のせいで俺がどういう姿になっているか良く見て見ろ!!

、、、、、、、、

   『俺がどういう姿になっているか良く見てみろ!!』

『分かった!!』

!!!!!!!

!!!!!!!

という事で、ついに隠し場所に行き着いた三人組は、現場に向かい金塊とご対面しますが、そうすんなり行くはずもなく、

同じく、金塊に行き着いたフォン・ハックオンと激突する、というのがクライマックスまでの流れとなっています。

ヒントが非常に分かりにくいので、理解するまでに暫くかかってしまいますが、なんてこと無さそうなシーンが、

後々謎を解く手掛かりになる、というちょっとした謎解き要素とジャッキーアクションチームが繰り広げる素晴らしいアクションシーンの連続に、なかなか引き込まれる物語となっています。

ただ、結局主人公達は、お宝をゲットするためにかなりの罪を犯している上に、

ラストバトルでメンバーの一人が自らの命を投げ出して犠牲になる、という衝撃的な展開を迎えた直後の生き残りの二人が、

金塊が結局警察に没収されて意気消沈ながらも、報奨金が結構出るよ、と言われたときの、

残二人『いやったぜーー!!ひやっほうーーー!

  的な能天気な終わり方が、厳しい裏の世界で生きる主人公達の物語を感じさせる終幕となっています。

それでも、アクションの素晴らしさと、ちょっとした謎解きのワクワク感はしっかりと感じられる作品となっていますので、

カンフー映画好き、香港映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

1981年製作 香港製作 カンフーアクション

監督 フォン・ハックオン、ロー・ケイ 製作 ジャッキー・チェン 

出演 ラウ・カーユン、リー・ホイサン、マン・チウ、フォン・ハックオン、チュー・ティエホー、メルビン・ウォン、ウー・マ、タイ・ポー、アニー・ラウ

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