ネイビーシールズ ローグネイション(ONE SHOT)96分

投稿者: | 2022年12月30日

おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

物語の大半を占めるアクションシーンを、ほぼワンカットに近い撮影で収める、という非常にチャレンジングなスコット・アドキンス無双主演作!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、スコット・アドキンス主演のアクション作品です。

それでは、あずはあらすじから、

ワシントンDCに爆弾が仕掛けられた、という情報を得た政府は、直ちにその設置場所を知っていると思われる容疑者を拘束した。

あらゆる手段を用いて設置場所を探る政府だったが、そこへ、収容施設の容疑者奪還のためテロリストの大部隊が襲撃を開始する。

そして、制限時間内に容疑者を守り、爆弾の設置場所を得るために、政府はネイビーシールズの出動を要請するのだった!?

スコット・アドキンス主演のワンカット撮影風のアクション作品です。

風ですので、途中大きな爆破によって煙に包まれた時ぐらいにカットを割っていそうですが、それでも1時間以上は長回しでアクションしっぱなしなので、

スタッフ・キャストのリハーサルにかける努力は計り知れない力作となっています。

特に、一番出番の多いスコット・アドキンスは、途中4回ほど格闘アクションをこなしながら、物語を引っ張っていく役柄ですので、

本番を迎えるまでの訓練は凄かったのではないでしょうか。

格闘シーンだけを長回ししたり、ちょっとした区画を長回しで表現したり、等は最近は流行りなのか、結構見かけますが、

本作のようにほとんど全編をワンカット(X2ぐらい)で通す作品は、邦画の(狂武蔵)ぐらいしかあまり観た事がないので、

存在自体が貴重な作品といえるのではないでしょうか。

ただ、、、、、

凄く努力して作り上げた、というのはヒシヒシと伝わってくるのですが、没入感という点で言えば、果たして、、、という作りになっています。

基本はクレーンや大きなカメラを使わない手持ちカメラで撮影していると思われますが、テロリストから重要参考人を守りながらバトルを展開する、というシンプルな物語ながらも、

複数の人物が関わって会話を交わしながら、進めていく作品ですので、会話シーンがそれなりに存在します。

この、2~3人の人物が交互に台詞を発して会話が成り立っていく会話シーンで、全員が一つのフレームで収まって会話を交わしていくのではなく、

言葉を発するごとにその人物にアップで近づいて行って台詞を話している人物を正面に映して会話シーンが成り立つようになっているので、

結果的に誰かが話すたびにカメラをぶるんッ、とその人物に振るような表現になっています。

で、勿論、ワンカット撮影が売りの作品ですので、ぶるんッとカメラを振っている間の映像(景色が横に流れていく映像)もそのまま収録されていたりします。

さらに、それぞれの登場人物が話しだすタイミングとカメラを振るタイミングは調度同じではありませんので、

複数の人物で会話するシーンは、常に次の台詞を話す人物が、台詞を話し出してから、カメラをそっちに振る、というちょっとズレたタイミングでカメラが振られますので、

会話シーンで、今カメラに映っていない人物が話し始める時は、台詞の話し始めは、ほとんどカメラには映りません。

話し始めてしばらくしてからカメラが振られて、やっと映る、という感じで、言い換えると誰かが話し始めたので、カメラをそっちに向ける、という感じです。

要するに、ワンカット撮影という没入感を感じさせるための撮影方法を、努力に努力を重ねて選択しているのに、

カメラがぶんぶんと振り回されるので、普通にカットを割って撮影された作品以上にカメラの存在を意識してしまう、

という正直逆効果では?と感じてしまうような撮影方法となっています。

これが、会話シーン等は普通に撮影してアクションシーンだけをワンカットで通す、という方法だったり、

POV作品のように、誰かがそばにいて、そのアクションをカメラで撮影している、というカメラマンの存在自体を明示している設定でしたら、臨場感があって良かったと思われますが、

常に、凄く動き回るカメラの存在を意識してしまうとアドキンスのサバゲーを近くで友達が撮影している様に見えてしょうがないのですが、どうでしょうか。

ライアン・フィリップも出てます

本作の後に(1917)(詳しくはこちら)を鑑賞し直してみると、アップが少なくても問題の無いように、

見ている側にカメラを意識させないような位置と角度を練りに練って撮影しているので、あの戦場に観客も降り立ったような没入感が得る事ができている、

という入念なカメラワークの凄さに改めて驚かされます。

という事で、臨場感という点ではちょっと薄めですが、スコット・アドキンスがワンカット風で無双ぶりを発揮する作品としては十分楽しめる作品となっていますので、

アクションファンの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

因みに、原題タイトルの(ONE SHOT)は、もちろん撮影方法の意味で使用していると思われますが、物語上重要なカギとなる拘束中の容疑者の事を、

テロリストに大打撃を与えるための(一度限りの会心の一撃ONE SHOT)という2つの意味で付けていると思われます。

作品情報

2021年製作 イギリス・アメリカ製作 アクション

監督・脚本 ジェームズ・ナン

出演 スコット・アドキンス、ライアン・フィリップ、アシュリー・グリーン

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