クエスト(THE QUEST)94分

投稿者: | 2020年9月30日

お薦め度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

ヴァンダム初監督・主演による冒険活劇風格闘アクションは、本人によると燃えよドラゴンのリメイク作、、

作品紹介

1996年9月28日公開

今回ご紹介するのは、ジャンクロード・ヴァンダムが1996年当時初の監督・原案・主演と意気込んで挑んだ格闘アクションです。

それでは、まずはあらすじから、

1925年ニューヨーク、スラム街で暮らすデュボア(ジャンクロード・ヴァン・ダム)はギャングから金を奪ったため、警察、マフィア双方から追われる身となってしまう。

追われる身となったデュボアは停泊していた貨物船に身を隠し難を逃れる。

しかし、翌朝気づいてみると船は出向した後で、さらにその船は密輸船であり、逃げ場のなくなったデュボアはその船の奴隷となり、重労働を強いられる。

そこへさらに海賊船が現れ、船長のドブス(ロジャー・ムーア)はアメリカに帰国したがっているデュボアを自船の乗組員として迎え入れる。

しかし、金に目がくらんだドブスは目的地のムエタイ島で取引相手にデュボアを売り渡してしまう。

ムエタイ島に行き着いたデュボアはそこで自由を取りもどすために現地で開催されている武術トーナメントに参加する事になる。

本作で大活躍のヴァンダム

ジャン・クロード・ヴァン・ダム初監督での主演作品です。

製作もユニバーサルなのでそれなりの予算のかかっているしっかりとした体制で製作された作品です。

当時インタビューでヴァンダム本人が答えていたのを覚えていますが、本作は本人いわく、ですがブルース・リー主演の(燃えよドラゴン)のリメイク的作品だという事です。

恐れ多いにもほどがありますね。

後半、異種格闘技トーナメントが開催されて主人公がそれに参加する、以外に(燃えよドラゴン)との共通点が全くありません。

かなりのビッグマウスです。

物語もバランス悪く、メインであるはずの武術トーナメントに行き着くまでの海洋アドベンチャー的な前半パートがまるまる不必要に長いです。

その割に後半の見せ場であるはずの武術トーナメントシーンがあっさり目となってしまっています。

ロジャー・ムーアも武術トーナメントが始まった途端に存在感が希薄になってしまいます。

前半は喧嘩がまあまあ強い程度の設定で、中盤ムエタイ島にいってから武術トーナメントに参加して、

賞金を稼ぐために鍛えさせられる、という設定ですが、鍛えている描写もないため後半急に強くなっています。

急に強くなって、割とあっさり目に勝利してしまうため、感情移入する隙が全くありません。

始まってから終わりまで、そんな調子なので主人公が経験する冒険(THE QUEST)も終始他人事のような感覚での鑑賞となってしまいます。

しかし、ロジャー・ムーアが出演していたり、実際に景色の綺麗な海洋での海賊船シーンや、格闘トーナメントでの他の出場者の意外に目を見張るアクションなど見どころは結構たくさんさります。

各国の代表がそれぞれの国の武術を駆使して戦うトーナメントですが、中でも中国代表選手の技が素晴らしく、尋常じゃない身軽さで蛇拳、猿拳など多種多様な技の応酬で楽しませてくれます。

その他の選手ではスペイン代表選手の基本的な構えがフラメンコみたいなポーズで笑わせてくれます。

笑わせるつもりはないのでしょうが、非常にエンターテイメント的な演出で楽しいシーンとなっています。

このように、面白くなる要素がたくさんあるにも関わらす、面白い作品となっていないのは、正直なところ監督によるところも大きいのではないでしょうか。

ヴァンダムは主演に専念して、監督は他の専門家に任せた方が良かった気がします。

そうすれば、ヴァンダムの代表作になっていたかもしれないので、もったいないです。

あと、日本代表は相変わらず相撲レスラーで意外と健闘しますが、敵に腹部を殴られたときに(ぼにょん、ぼにょん)という効果音入れるのなんとかならないもんでしょうか、、。

まぁ、欧米人にはそういうイメージ、という事でしょうか、、。

という事で作品全体としては少しバランスの悪い作品ではありますが、見どころはたくさんある作品にはなっていますので、アクション作品好きの方には十分楽しめる作品となっています。

ロジャー・ムーアはちょっと007のような伊達男的な雰囲気のあるキャラクター

作品情報

1996年製作 アメリカ製作 アクション

監督・原案・出演 ジャンクロード・ヴァン・ダム

出演 ロジャー・ムーア、ジャネット・ガン、ジェームズ・レマー

スタッフ・キャスト

監督・原案・主演のジャン・クロード・ヴァン・ダムは初主演作(ブラッド・スポーツ)で頭角を現し、その後(サイボーグ)、(キックボクサー)、(ダブルインパクト)など多くのアクション作品で活躍後(ユニバーサルソルジャー)でハリウッド大作に出演する。

ブレイク後もジョン・ウー監督の(ダードターゲット)やツイ・ハーク監督の(ダブルチーム)、リンゴ・ラム監督の(マキシマムリスク)など香港映画界の有名監督のハリウッドデビュー作に主演し続けた。

共演のロジャー・ムーアは1973年の(007死ぬのは奴らだ)以降ジェームズボンド役を演じ続け、1985年の(007美しき獲物たち)まで7作に渡って続いた。

本作では監督、主演と大活躍、でも後が続かなっかった、、。

その他のジャン・クロードヴァンダム出演作品

ヴァンダムが珍しく出演者の一人として出演している(リベンジガン)はこちら

娘のためにアンダーグラウンドな世界で戦う人間ドラマ(ザ・バウンサー)はこちら

関係ない主人公のために命がけで戦う他人(ネバーダイ)はこちら

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