【未公開カンフー映画】賊贓(THE LOOT)93分

投稿者: | 2024年1月27日

カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆

(踢館)の第二弾としてエリック・ツァン監督、デビッド・チャン、チョイ・シウキョン、リリー・リー、フィリップ・コーが再結集した捻りの効いたサスペンスカンフーアクション!!

作品紹介

今回ご紹介する作品は、エリック・ツァンが監督し、デビッド・チャンチョイ・シウキョンが出演したカンフーアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

警察官でありながら、強盗犯の戦利品を横取りする事で有名なヤン・ワイが、かつて強盗を働いたと目されるチャオに、謎の犯罪者スパイダーから身を守るために雇われた。

チャオは同時にかつての仲間も呼び寄せるが、その仲間達もスパイダーに狙われていた。

スパイダーの正体が判明しない中、最初の犠牲者が出てしまう、、。

監督は、前年に同スタッフ・キャストによる(踢館)(詳しくはこちら)で監督デビューを飾り、本作の2年後には(悪漢探偵)でブレイクして行く事になるエリック・ツァンで、

一部出演もしながら、サスペンスコメディタッチのカンフーアクションを演出しています。

エリック・ツァン
エリック・ツァン

で、主演は(踢館)同様に、(天使行動)(詳しくはこちら)や(魔界天使)(詳しくはこちら)等のデビッド・チャンで、

前作同様に、明るいペテン師(一応職業は警察官ではありますが、、)気質のキャラクターを演じています。

デビッド・チャン
デビッド・チャン

で、その相棒となる男役で、こちらも前作同様(中華道士)(詳しくはこちら)や(ジェイドダイナスティ)(詳しくはこちら)等のチョイ・シウキョンが登場し、

謎めいたキャラクターながらも、デビッド・チャンと名コンビぶりを発揮して行きます。

チョイ・シウキョン
チョイ・シウキョン

で、敵役の一人となるのが、こちらも前作同様に(魔 デビルズオーメン)(詳しくはこちら)や(プロジェクトD)(詳しくはこちら)等のフィリップ・コーで、

カンフーアクションの見せ場満載で、作品世界を盛り上げていきます。

フィリップ・コー
フィリップ・コー

で、ヒロインも前作同様(ツーフィンガー鷹)(詳しくはこちら)や(少林寺破戒大師伝説)(詳しくはこちら)等のリリー・リーで、

可憐な魅力と確かなアクションで、物語に展開を加えていきます。

リリー・リー
リリー・リー

で、命を狙われる元盗賊の一人に(醒拳)(詳しくはこちら)や(妖刀・斬首剣)(詳しくはこちら)等のクアン・ムンユンが登場し、

華麗なアクションで、主人公コンビと絡んでいきます。

クアン・ムンユン
クアン・ムンユン

で、命を狙われる側の一人役で、(クレージーモンキー笑拳)や(続少林寺三十六房)等のキム・セヨが登場し、

過去の事件を知る重要人物として主人公達と絡んで行きます。

キム・セヨ
キム・セヨ

で、同じく命を狙われる一人役で、エミリー・チュウ主演のアクション(義不容辭)や(大劈棺)等のシャム・シューチンが登場し、

妖艶な魅力で、デビッド・チャンを誘惑して行きます。

シャム・シューチン
シャム・シューチン

で、ゲスト的な出演ではありますが、前作同様に(激突!魔拳塾)(詳しくはこちら)等のアラン・ツイや、

アラン・ツイ

クライマックス近辺のアクションシーンで、(プロジェクトDデブゴン)(詳しくはこちら)等のウォン・ハー

ウォン・ハー

同じくクライマックスのラスボス戦で登場する(マジッククンフー神打拳)等のチェン・シウロン、等の豪華キャストが多数参加した作品となっています。

チェン・シウロン(右)

そんな、スタッフ・キャストで製作された本作は、アラン・ツイ演じる宝石泥棒が、蜘蛛の登場と共に別の盗賊スパイダーの襲撃を受け、

どこかから奪った賊贓(THE LOOT)【戦利品】を、さらに奪われるところから始まります。

で、そのスパイダーとされるのがチョイ・シウキョンで、速攻で盗品を奪い姿を消します。

で、その直後にデビッド・チャンが現れて、チョイ・シウキョンの攻撃で気絶していたアラン・ツイを捕らえるのですが、

デビッド・チャン自体は警察官ながらも、強盗の指名手配犯を追い詰めて、戦利品を横取りしつつ逮捕する、

という、えげつない警察官で、最近スパイダーのチョイ・シウキョンに、先を越されて戦利品も横取りされる、

というパターンが多いらしく、今回も、ちゃっかりと持って行かれてしまいます。

そんな中、戦利品を持っていそうな他の指名手配犯を探していると、20年前に宝石店を襲ったグループのリーダーとみられる男の指名手配画を発見します。

しかし、20年前の似顔絵なので、そこに髭を付け足して、、という感じで、現在の容姿を想像します。

で、一方街では、その容姿にぴったりとハマる男チャオ(クアン・ムンユン)が、スパイダーの次のターゲットとして選ばれ、

紅いスパイダーカードが送られてきます。

で、焦ったチャオは、かつての兄弟分二人(キム・セヨとシャム・シューチン)と、既に亡くなっている元仲間の息子(フィリップ・コー)と、

もう一人亡くなっている仲間の娘(リリー・リー)を呼びよせます。

しかも、呼び寄せてみると、スパイダーカードは、この四人にも送られていたようで、全員がスパイダーに狙われている、という事がわかります。

そこで、強盗退治で有名なヨン・ワイことデビッド・チャンを呼び寄せて、この事件を捜査してもらう事にします。

ただ、屋敷に呼ばれてデビッドが行ってみると、またしてもチョイ・シウキョン事フォンが先に現れて、デビッドに成りすまして潜り込んで、

また何かを企んでいるところを、今度はなんとか撃退することに成功します。

しかし、部屋に戻ってみると、狙われている中の一人であるシャム・シューチンの背中に、五人の中で次のターゲット(しかも今度は殺害予告)に選ばれた予告スパイダーカードが貼られているのを発見します。

で、とりあえず、その夜はデビッドシャム・シューチンの部屋の近くで護衛する事になりますが、またしても姿を現したチョイ・シウキョンとカンフー対決等をしている隙に、

シャム・シューチンが何者かに命を奪われてしまいます。

疑心暗鬼が広まる中、今度はリリー・リーの背中に殺害予告スパイダーカードが、、、、、

というのが大体の大筋となっていきます。

本作、好評だったエリック・ツァン監督作の、同スタッフ・キャストによる第二弾という事で、割とストレートなカンフーものだった前作を、

カンフーアクションのグレードはそのままに、ミステリーサスペンスドラマをかなり推し進めたような物語で、

スパイダーは誰だ?的なサスペンス展開が非常に練られた内容となっています。

初めはチョイ・シウキョンがスパイダーのようなミステリアスな雰囲気で登場し、そこにお調子者のデビッド・チャンが絡み、

さらに20年前の強盗団の物語が絡み、そこから過去の強盗団の仲間とその子孫の命が狙われる事件に発展し、

事件を追ううちに、20年前の事件の真相と、チョイ・シウキョンが戦利品を狙う理由、そして、クアン・ムンユンの正体と、

その後に待ち受けるスパイダー事件の真相、という感じで、非常にドラマチック且つ、しっかりとカンフーアクションシーンも確保する、

というエリック・ツァンの監督二作目にして非常に意欲的な内容の作品となっています。

一つだけ難を言えば、新事実が頻繁に発覚するので、段々と新事実が登場する事自体に免疫ができてしまって、

最終的にそれまでの流れを覆すどんでん返しが発覚しても、『やっぱりな!』としか思えなくなってしまう、という事ぐらいでしょうか。

アクションに関しても、前作同様に素晴らしく、デビッド・チャンチョイ・シウキョンのコンビカンフーや、

クアン・ムンユンとの3対1のバトル、フィリップ・コー&リリー・リーデビッド・チャン&チョイ・シウキョンの2対2のバトルをメインに、

ウォン・ハーアラン・ツイ、チェン・シウロン等のゲストスターとのバトル等、非常にバラエティに富んだカンフーアクションを堪能することができる作品となっています。

という事で、その後もシリーズ化して欲しいくぐらいに一作目と二作目でグレードアップしたサスペンスカンフーアクションとなっていますので、

カンフー映画好きの方や、香港映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

1980年製作 香港製作 カンフーアクション

監督 エリック・ツァン 製作 ロー・ウェイ

出演 デビッド・チャン、チョイ・シウキョン、フィリップ・コー、リリー・リー、クアン・ムンユン、キム・セヨ、シャム・シューチン、ウォン・ハー、アラン・ツイ、チェン・シウロン、フィリップ・ソー、ホー・チーワイ

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