【中国映画】マーズ・ミッション2042(火星异变MUTATION ON MARS)75分

投稿者: | 2022年6月1日

おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

火星で遭難した国際的な研究チームを救出するために、別の惑星探査チームが謎の生物たちとバトルを繰り広げる最近の中国作品では珍しく宇宙や火星を舞台にした娯楽SFアクション!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、中国作品には珍しく完全に宇宙を舞台にしたSFアクション作品です。

それではまずは、あらすじから

2042年世界各国は【火星移住計画同盟】を結成。

その任務遂行中に、火星探査チームが、離陸後に謎の生命体に襲われて不時着してしまう。

その探査チームを救出するために中国チームの宇宙船(ワンフー)が、急遽向かう事になったが、、そこには想像を絶する生物が待ち受けていたのだった!?

今回ご紹介するのは、最近の中国作品では極めて珍しいジャンルSF作品です。

しかも地球が舞台でSF的な展開のある作品などではなく、完全に火星とそこにある基地、それとそこに向かう宇宙船内を舞台にした完全なSF作品です。

完全なSF作品

日本でリリースされる8割以上は武侠作品と言っても過言ではないリリース状況の中、ここまで完全なSF作品はかなり珍しく、貴重な作品となっています。

しかも、武侠映画にありがちな同じ原作の繰り返しや、安めのCG、他人が動かしているワイヤーでぶんぶん振り回される、

というようなお茶を濁したような内容ではなく、意外にCG表現もしっかりと見せ、ロケもちゃんと行い、物語展開も中国以外の娯楽作品のような展開のある作品となっています。

珍しくしっかりしています

ですので、特に冒頭の5分ほどは欧米人俳優がメインで活躍しているミッションシーンという事もあり、一瞬中国作品とは思えないぐらいに娯楽作品感が流れる展開となっています。

物語的には冒頭、火星での調査任務に就いてるチームが、任務中に正体不明の存在に襲撃されてしまい、救助信号を出すことになります。

そのチームを救助するために他の任務(エウロパへの探査任務)に就いていた中国の宇宙探査チームが急行する、というシンプルな展開になっていきます。

メインは中国チーム

製作者はおそらく(エイリアン)と(アルマゲドン)のファンだと思われますので、細かい展開的には両作で見たことのあるシーンの繰り返しなのですが、

割としっかりしたCGやテンポの良さも相まって退屈せずに鑑賞できる展開となっています。

巻き起こる事件もテンポ良く進みます

テンポも良く、適度なモンスターとのバトルアクションもあり、他の武侠作品等のように途中から始まっているかのようなブツ切り感もなく、

最近製作された中国作品の中では珍しく娯楽要素に溢れている作品となっています。

こういうのが登場します。なかなかCGも良い感じです。

そこまでなら他のハリウッドB級作品並みに楽しめる作品になるのですが、本作は、ある二つの点があるために、少し残念、というか素直に感情移入しきれない内容となってしまっています。

まず一つ目は、やはり配信専用に製作された作品特有の上映時間の短さで、本来2時間近くはたっぷり必要とされそうな内容の物語をたったの75分に収める

といういつもの強引さで、細かい説明を省いていきますので、登場キャラクターがそれなりの人数いるのに、

ほとんどそれぞれの人となりには触れられない上に、同じ制服や、宇宙服、同じヘアスタイル、同じような外見のチームメンバーが揃っているので、

いまいち誰が、どの人、という判断が瞬時に出来ないためになかなか感情移入も追いつかない結果となってしまいます。

ですので、物凄い危機的な状況の連続なのに、他人事のように感じてしまうので、ハラハラドキドキといった感情までは感じられません。

凄い状況ですが、、

そこまでならまだ良かったのですが、本作はやっている事は(エイリアン)、(アルマゲドン)と娯楽路線なのに、

登場するキャラクター達全員に漂うプロパガンダ的な、英雄様的なキャラクター描写が、娯楽に徹しきれない、言い換えると感情移入しきれない障壁となっています。

これが本作の作品全体の特徴ともいえる二つ目の要素で、チームのメンバーには若い男性、ちょっと年上の船長、女性隊員も2名、という感じで

健康な男女が揃っていますが、これが全員英雄様キャラクターで統一されているので、結局は男女や年齢の区別は関係なくなり、

全員英雄的な台詞と行動を取っていきます。

要するに人数は多いですが、ほとんど個性はなく、英雄様一辺倒という感じです。

ですので、他の中国作品に安易に登場する太めのコメディリリーフや、ずっこけ、嫌みキャラなどは一切登場しません。

全員英雄様です。

全員同じ服装、同じヘアスタイル、同じ性格(英雄様)

これがハリウッド作品などですと、まだ全員ヒーローという表現が似合いそうなキャラクターだったりしますが、

本作はヒーローという親しみの沸くような存在ではなく、あくまで英雄様、といった感じのキャラクターしか登場しませんので、上司の命令に反抗する者もいませんし、

自我を通そうとする、いわゆる物語を展開させるキャラクターは存在しません。

それどころか、全員英雄様精神を持っていますので、英雄的な犠牲の精神が前面に押し出されます。

上司の指示をビシッと聞く隊員

ですので、英雄様過多状態で、渋滞を起こしていますので、ラスト近くで(アルマゲドン)のような犠牲の精神で自身の身を投げうって他のメンバーを助ける

という本来涙腺の緩むシーンが短い期間で2回連続で起こります

大感動のシーン、、、、

人物紹介も少なく、どういうキャラクターか良く分からない同じような容姿の、同じ格好をした人物が、2回連続で『俺が犠牲になるから、後は頼んだぜっ!!

となっても、正直そんなには感動できません。

大感動、第二弾、、さっき見た。

一応、無理矢理親子のドラマが挿入されますが、それも物凄く淡白な挿入のされ方ですので、主人公達が涙を流すほどには感動できません。

地球本部では英雄様の英雄的な行動に敬礼!!

という感じで、この英雄様的な描写が、もっと娯楽要素のある親しみの沸くキャラクターで表現されていれば、

確実にもっと多くの人が楽しめる娯楽SF作品となっていたと思われますので、つくづくもったいない作品となっています。

確実にもっと多くの人が楽しめる娯楽SF作品となっていたと思われますので、つくづくもったいない作品となっています。

色んな制約がありすぎる今の中国映画界のせいいっぱいの姿、という感じでしょうか、、、。

結構面白い要素はあるのですが、、

ただ、キャラクター描写以外のSFアドベンチャー展開に関しては、十分楽しめる作品となっていますので、

最近の中国武侠作品にちょっと飽きが来ている方や、SF好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

因みに、テレビドラマ(武动乾坤)シリーズ等で人気情調中のスオ・シャオクンが主演として登場しますが、

他の隊員と同じヘアスタイル、同じ性格、同じ服装なので、あまり目立っていません。

スオ・シャオクン
主演はテレビドラマ(武动乾坤)シリーズ等のスオ・シャオクン

作品情報

2021年製作 中国製作 SFアドベンチャー

監督 リウ・ナー

出演 スオ・シャオクン、シー・リャン、ファン・ズーチー、リウ・シンチー

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