【レア作品!香港映画】カジノ・シンジケート組織犯罪覇権抗争(至尊計状元才NO RISK,NO GAIN/CASINO RAIDERS THE SEQUEL)106分

投稿者: | 2023年9月21日

おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

香港ノワールの傑作(カジノレイダース)の監督、主演二人が再結集したシリーズ作ながらも、完全にドタバタ系コメディへと路線変更した、香港映画らしさ全開の娯楽作!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、アンディ・ラウアラン・タムが共演した(カジノレイダース)シリーズです。

それでは、まずはあらすじから、

ラスベガスでカジノを経営するレイは、台湾の賭博王チャンから一か月後に、マカオでのギャンブル対決を挑まれる。

そこで、その勝負に参加するために香港に向かったレイは、ディーとレスリーという詐欺師コンビと出会い、

ギャンブルに使用するための資金と参加に必要な札を盗まれてしまうのだった。

一方、詐欺師コンビは、その機会に大儲けするために、レイに成りすましてギャンブル対決に挑もうとするが、そこに本物のレイが現われるのだった!?

カジノレイダース)の大ヒットによって、翌年に再び同スタッフ・キャストによって、同じくギャンブルの世界を舞台にして製作された続編的なノワールアクション、、、、、

ではなくコメディ作品です。

因みに、勿論、一作目との物語上の繋がりはなく、さらに翌年にアンディ・ラウ主演、ジョニー・トー監督で製作されたシリーズ(レイダース)(詳しくはこちら)も存在しますが、

そちらも、全く別の物語となっています。

ですので、正統的なシリーズが色々と存在しますが、物語としては、基本的に全て無関係の作品となっています。

香港映画、このパターン多いですね。

監督は、前作の(カジノレイダース)に引き続き、ジミー・ヒョンで、共同監督だったバリー・ウォンは製作に回り、

代わりにチョウ・ユンファ主演の(ファントムブライド鬼新娘)や(黒社会)等のテイラー・ウォンが共同監督として参加しています。

ジミー・ヒョンは製作に参加している作品は多数ありますが、監督としてクレジットされているのは(カジノレイダース)シリーズの二本のみとなっています。

ジミー・ヒョン

主演は勿論、(富貴兵團)や(ラストブラッド修羅を追え)等、ハードなアクション系の作品に出演していた時期のアラン・タムで、

本作では、アクションも披露しつつ基本はコメディな明るめの世界観の主人公を演じています。

アラン・タム
アラン・タム

で、ダブル主演も勿論(ゴッドギャンブラー2)、(サンダーボルト)、(獄中龍)等、絶好調の時期のアンディ・ラウで、

本作では、お得意の、勢いのある、ちょっと悪ぶったお兄ちゃんキャラを、演じています。

アンディ・ラウ
アンディ・ラウ

で、本作から登場の主要メンバーで、(ロイヤルトランプ)シリーズや(ファイト・バック・トゥ・スクール3)等、

コメディ作品では、なくてはならないムードメーカー、ナット・チャンが登場し、完全にお笑い担当で作品を盛り上げていきます。

ナット・チャン
ナット・チャン

で、アラン・タムとギャンブル対決を繰り広げるのは(醉八仙拳)(詳しくはこちら)や、(妖術大変化)(詳しくはこちら)、(非情城市)等の

チェン・ソンヨンで、迫力の演技でアラン・タムを追い詰めていきます。

チェン・ソンヨン
チェン・ソンヨン

で、案内人としてアランアンディを導いていく役柄で、(妖獣都市香港魔界篇)(詳しくはこちら)や、(醉拳3)(詳しくはこちら)、

最近ではドニー・イェン主演の(孫文の義士団)にも出演していたミシェル・リーが登場し、作品世界を華麗に彩ります。

ミシェル・リー
ミシェル・リー

さらに、もう一人のヒロインとも呼べる役柄で登場するのは、アイドルグループ開心少女組の元メンバーで、

映画では(誘拐同盟スクランブル5)(詳しくはこちら)や、(画中仙)等に出演しているメイ・ローがで、ドタバタ系のシーンで活躍しています。

メイ・ロー
メイ・ロー

そして、感情移入度0%の悪役を演じているのは、もう一つの続編(レイダース)にも登場し、後年(ザ・ミッション)や(淪落の人)(詳しくはこちら)等の傑作で、

いつのまにか名優に転身していたアンソニー・ウォンで、例によって無茶苦茶やった挙句に派手に散っていきます。

アンソニー・ウォン
アンソニー・ウォン

さらに、分かり易い悪役と言えば当時はトップな存在だった(狼/男たちの挽歌最終章)や、(チェイス・フロム・ビヨンド)(詳しくはこちら)等のシン・フイオンが登場し、

例によって中盤とクライマックスで暴れます。

シン・フイオン
シン・フイオン

という、実に勢いのある時期の香港映画らしいスタッフ・キャストが揃った本作の物語は、アメリカのラスベガスでカジノを経営するアラン・タムが、

チョン・ソンヨン演じる台湾の賭博王から挑戦を受けるシーンから始まります。

場所はマカオで、一か月後、という事で、その準備のためにとりあえず香港に向かったアランは、ついでに母親から大人になった姪の様子を見に行くように言われます。

で、向かった先の住所にいた女性、メイ・ローを姪だと思っていたら、実はメイ・ローは同居人で、姪は自ら命を絶とうとして病院に入院していることが分かります。

で、病院に向かってみると、姪には会えますが、同時に騒動の原因ともなった、彼氏のナット・チャンとその親友のアンディが見舞に現れます。

で、また、騒動を起こしそうなので、とりあえず病院から連れ出し、話をしてみると、アンディアランが相性が良さそう、

という事で、アンディの自宅でお酒でも飲もう、という事になって色んな話を聞いていると、どうも二人は黒社会の一員で、

幼少期から極貧を味わい、負けん気の強さで裏の世界に飛び込み、苦労の果に明日、人生を懸けた大きな取引を控えている、という深い話になっていきます。

非常に感銘を受けるアランですが、そんな時に偶然、警察の手入れが入り、大騒動となってしまいます。

で、アランは勿論無関係ですが、それを証明することもできないので、とりあえず騒動で服が汚れていたので、手短にシャワーを浴びて、風呂場からでてくると、、、、

マカオで勝負するための大金を入れたスーツケースごと、皆が行方をくらましている!!

という事で、詐欺師二人と、ギャンブル勝負を控えたギャンブラーの物語が本題に、、、、

入りそうですが、ここからさに寄り道に寄り道を重ねていく、という感じで物語が続いていきます。

実にバリー・ウォンらしいといえば、らしいのですが、一応、男泣き香港ノワールの傑作(カジノレイダース)のシリーズ作である本作が、

その大ヒットの熱も冷め止まぬ翌年に、同スタッフ・キャストで、ここまで行き当たりバッタリな物語を製作する、という部分に逆に当時の香港映画の勢いを感じるような内容となっています。

はっきり言ってしまうと、最初のギャンブル勝負に挑戦するシーンと最後のその勝負が展開されるシーンだけを見てても、

アンディ等のキャラクターは増えてはいますが、物語的には把握できてしまいますので、内容の大半が寄り道、という、むしろ寄り道の方がメイン、ぐらいの作品となっています。

さらに、そのメインの寄り道展開のクライマックスには大掛かりなガンアクション展開もあったりしますが、

これも、特に本来のクライマックスであるギャンブル対決とは、それほど関係しませんので、

むしろ、本当のクライマックスであるギャンブル対決が蛇足感を伴う、という、行き当たりバッタリの極みのようなラストとなっています。

色々あり過ぎて、興味が薄れるクライマックス

そのギャンブル対決も、(ゴッドギャンブラー)のような特別なコンタクトレンズでカードの印が見える等のオチや、

チャウ・シンチー作品のようなギャンブルというより超能力対決に近いような派手な対決が描かれたり、

というような、大きな波があるわけではなく、割とすんなりとトランプ対決が描かれた上に、主人公側がスッと勝利する、

という、それまでのドタバタ展開から予測されるような派手なオチもない地味な勝利、というギャンブルものとしても、消化不良感を感じてしまうような終幕となっています。

ただ、振り返ってみると、寄り道ばかりで、ブレる物語ではありますが、コメディ、ロマンス、ガンアクション、ノワール、サスペンス、そしてギャンブル要素、

という感じで、ごった煮ながらも、人気の要素は一応全て入っている、という見方によっては奇跡のような作品となっていますので、

当時の香港映画の勢いを感じるには、最適な作品と言えるかもしれません。

逆に言うと、ここまで全部入れてしまう作品は、香港映画以外ではありえない、とも言えるのですが、、。

という事で、正直(カジノレイダース)のシリーズではありますが、本家が好きであればある程に、コレジャナイ感も募ってしまうとは思いますが、

全く無関係と考えて、その他の作品ではありえないような、寄り道映画ぶりに、とことん浸ってしまうスイッチを入れると、

その、何も背負っていないような、お気楽感(これは誉め言葉です)が、非常に心地よく楽しむ事ができる作品となっていますので、

香港映画好きの方や、コメディ映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

1990年製作 香港製作 アクション

監督 バリー・ウォン

出演 アラン・タム、アンディ・ラウ、ナット・チャン、ミシェル・リー、チョン・ソンヨン、アンソニー・ウォン、ティエン・ファン、メイ・ロー

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