【レア作品!香港映画】raid-ersレイダース(至尊無上II之永霸天下CASINO RAIDERS II)88分

投稿者: | 2023年8月10日

おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

(カジノレイダース)のシリーズ第二弾ながらも、物語は継承せず、(聖賭神札)を巡る争奪戦を描いたアンディ・ラウ主演、ジョニー・トー監督による香港ノワール!!

作品紹介

日本劇場未公開

衛星放送放映題 カジノレイダース2

今回ご紹介する作品は、(カジノレイダース)の第二弾として製作された香港ノワール作品です。

それでは、まずはあらすじから、

ギャンブルの神が宿るとされる札をどうしても手に入れたいジンは、かつての師匠ファンから札を奪い取ろうと画策するが、

どうしても見つからず、現在の弟子である青年チンが所有していると確信し、追手を放っていた。

そんな時ファンの息子が香港に帰ってくることで、札を巡る戦いは大騒動へと発展していく事になるのだった!?

バリー・ウォン監督、アンディ・ラウアラン・タム主演で大ヒットした(カジノレイダース)(詳しくはこちら)の第二弾として製作されたアクション作品です。

今回は同じ製作会社で、同じくチャールズ・ヒョンが製作を担当していますが、監督がバリー・ウォンからジョニー・トーにバトンタッチされています。

ジョニー・トー

ジョニー・トーは1988年製作のチョウ・ユンファ出演(僕たちは天使じゃない)、1989年製作の(過ぎ行く時の中で)、

1990年製作の(ゴールデンガイ)、そして本作を挟んで、1992年にはチャウ・シンチー主演の(熱血弁護士)(詳しくはこちら

1993年の(マッドモンク魔界ドラゴンファイター)(詳しくはこちら)等、スター俳優のビッグヒット作品をジャンルを問わずに連発していた時期で、

まだまだ(暗戦デッドエンド)や(エグザイル/絆)等の男臭いガンアクション映画等で発揮される作家性は顕著に出ていない時期の作品となっています。

で、監督がバトンタッチした事で、シリーズの第二弾ではありますが、物語的には全く継承しないアンディ主演の賭博の世界を描いた香港ノワール、という共通点だけを残した作品となっています。

で、主演のアンディ・ラウは前作からさらに人気はブレイクし、本作と同年の1991年には(大いなる野望)、(炎の大捜査線)、(極道追跡)、(暗黒英雄伝)等、

主演級で日本でもビデオリリースや劇場公開されたような作品に多数出演していた、まさに大ブレイク時期の作品となっています。

アンディ・ラウ

ヒロイン役のン・シンリン(ウー・チェンリン)は、本作前年にもアンディ・ラウと共演した(アンディ・ラウの逃避行)が大ヒットし、

本作のジョニー・トーもそちらの製作をしているという事で、同じトリオが本作でも実現し、主演の二人が再び恋人同士を演じる、

という当時の人気を考慮した、言わば(逃避行inカジノレイダース)的な作品となっています。

ン・シンリン
ン・シンリン

ン・シンリンはその後も、(復讐のプレリュード)や(ベルベットレイン)等アンディ作品に度々登場します。

で、後半突如準主役、というか、ほとんど主役のようにスポットを浴びていく元ギャンブラー役で、歌手であり、

俳優としてもジャッキー・チェン主演の(香港国際警察)、(エンドレスアフェア)等に出演しているデイブ・ウォンが登場し、

後半はアンディと名コンビぶりを発揮していきます。

デイブ・ウォン

で、もう一人のヒロインとしてこちらも中盤以降に登場し、主人公達に関わる役柄で、アンディ・ラウ主演の(ゴッドギャンブラー2)や、

同じくアンディ出演の(獅子よ眠れ)、ジョイ・ウォン出演の(妖女伝説)(詳しくはこちら)等に出演しているモニカ・チャンが登場し、後半のドラマを盛り上げています。

モニカ・チャン

因みに、モニカ・チャン、2019年には(童童的風鈴密室)というホラー作品で、久々に銀幕に復帰しています。

で、感情移入不可の徹底した悪役で、チョウ・ユンファの(黒社会)や、ジェット・リー主演の(ハイリスク)、

ジャッキー・チェン主演の(ポリスストーリー3)等、主に悪役での活躍の多いケルビン・ウォンが分かり易い悪役を演じています。

ケルビン・ウォン
ケルビン・ウォン

その主要メンバーに、師匠役の(男たちの挽歌2)等の名バイプレーヤー、ラウ・シウミンや、鬼畜系悪役で、後のジョニー・トー作品の顔とも言える(ザ・ミッション)等のアンソニー・ウォン

ラウ・シウミン
アンソニー・ウォン

主人公が娘を預けていた役柄で、(少林サッカー)等のウォン・ヤッフェイや、ジュディ・リー主演の(ザ・エスケープ)(詳しくはこちら)などのピーター・ヤン

ウォン・ヤッフェイ
ピーター・ヤン

ヤングマスター)や(ドラゴンロード)等の厳しいボス役で有名なティエン・ファン等の香港映画ではお馴染みの名バイプレーヤーが多数出演し、物語を盛り上げていきます。

ティアン・ファン(奥)

そんな当時ブレイク中のスタッフ・キャストが結集した本作の物語は、漁船を利用した闇賭博場を経営するラウ・シウミンと、

そこを管理しているアンディ・ラウ、ン・シンリンカップルが、調子ノリのギャンブラーを、軽く懲らしめるシーンから始まります。

アンディは結構なギャンブルテクニックがあるようですが、まだまだ修行中の発展途上中、といった感じで、師匠であるラウ・シウミンから親身になって指導を受けている、という状況です。

しかし、アンディは目前に迫ったアジア賭博大会に出場して優勝したい、という思いが強く、自分の実力不足に苛立ちを覚えています。

で、アンデイと師匠の間には暗い過去があり、過去のギャンブル勝負において、賭博の世界の覇者になりたくてしょうがない悪党ケルビン・ウォンの罠にはまり、

その勝負に参加していた友人は殺害され、自分自身は足を負傷し、息子は友人殺害の罪を着せされて投獄され、

自身も車いす生活を強いられ、経営していた大型の賭博船を手放す事になる、というケルビン・ウォンのせいで師匠の人生を台無しにされてしまう、という因縁を今も引きずっています。

その後、その騒動を助けてくれた部下のアンディとともに、なんとか逃げ延びて、小さめの漁船でしがない賭博場を経営している、という物凄い過去の持ち主となっています。

このケルビン・ウォンの悪党ぶりが強烈ですが、そういった過去の出来事も含めて巻き返しを図るために、アンディも焦っている、という状況になっています。

で、ここに、(ゴッドギャンブラー)を製作し、ギャンブル映画ブームを巻き起こした製作会社らしく、(ゴッドギャンブラー)に登場した賭神ことコウ・チャン(ユンファが演じた役)は、

ギャンブル界を引退する前に、実は賭博の神のご利益を得られる【聖賭神札】と言われる翡翠の札を世話になった二人に一枚ずつ渡していて、

一枚はコウの下に戻り、もう一枚は行方不明になっていた、という事で、そのもう一枚を、師匠役のラウ・シウミンが持っているという事で、

その札を得るために、さらにケルビンの猛攻撃が続けられます。

ゴッドギャンブラー)の大ヒット以降、ギャンブル映画がかなり大量に量産され、ギャンブルをメインに描いた作品から、

キング・オブ・ギャンブラー)(詳しくはこちら)のような完全なコメディ作品や、(ゴッドギャンブラー3)以降のギャンブル勝負というより超能力勝負のような対決が描かれたり、

かなり多種多様な作品が出始めていましたが、本作は【聖賭神札】という多少ファンタジックなお札を登場させることで、独自性を追求した作品となっています。

ただ、この【聖賭神札】、登場はしますが、あくまで、それを理由にした争奪戦が展開される、というためだけに登場しますので、

この札を所持した事によって、負けていたギャンブラーが急に勝ちだしたり、等の描写はありません。

あくまで、そういう存在を中心に(カジノレイダース)のような香港ノワール展開を描く事をメインの見せ場としている作品となっています。

で、どうしても札が欲しいケルビンは、あの手この手で、ラウ・シウミンアンディ、ン・シンリンカップルに迫りますが、

ある日、ついにラウ・シウミンを呼び出し、力づくで札を奪い取ろうとします。

で、危ないと感じたラウ・シウミンは、、、、、

という感じで、ここまでが40分ぐらいありますが、実は、ここからが本作のメインの展開で、ラウ・シウミンの息子であるデイブ・ウォンがいよいよ帰ってきます。

デイブ・ウォンは登場するなり主役に、、、、

前半の回想シーンでは何の説明もありませんでしたが、ラウ・シウミンがハメられた日にその友人殺害の罪を着せられて服役していたので、

要するに刑期を終えて帰ってきた、という感じで、数年ぶりにアンディとも再会することになります。

しかし、服役し、更生したようで、既に賭博の世界からは距離を置き、堅気として姿を現しますので、復讐等の考えはなく、

勿論アジア賭博大会に出場する気も全くない、という完全な堅気として登場します。

しかし、アンディはどうしても復讐心が消えず、またアジア賭博大会へも出場し、優勝候補と言われているケルビンを打ち負かしたい、

とやる気満々ですが、デイブ・ウォンを誘ってもその気はなく、幼い娘を引き取り、堅気として暮らしています。

ですが、勿論、ケルビンの嫌がらせは堅気のデイブにも向きますので、部下(多分)であるアンソニー・ウォンを使って勤務先に嫌がらせをしたり、

等の姑息な手段で、なんとか札を手に入れようとします。

で、さらにその嫌がれはエスカレートし、、、、、、、

という展開から、クライマックスにかけて悲劇的な事の連続で、最終的に選択肢を失った男たちは、全ての決着をつけるため、

アジア賭博大会に出場する事になる、というのが後半にかけて大筋となっています。

上映時間88分という香港映画らしい分数ですので、それぞれのエピソードがリズム良くポンポン進んで行きますが、

前年の(アンディラウの逃避行)や、(カジノレイダース)の好調もあり、その要素を受け継いだ作品となっていますので、

とにかく悲劇的なエピソードが多く、最初から最後まで、ほとんど明るい要素が無く、ン・シンリンに至っては、

登場するなり、なんとなくどういう役目を担っているのかが、透けて見えてしまうぐらいに暗めのトーンで統一されています。

元気はあるけれども、危なっかしくて、どこか刹那的、という感じでしょうか。

当時の流行と言ってしまえばそれまでですが、コメディやノワール要素等ごった煮ながらも、しっかりと娯楽映画としての完成度を誇っていた(ゴッドギャンブラー)や、

その直前に同じような世界を香港ノワール側に振り切って映画いた(カジノレイダース)の完成度には、やはり到達しきれていないのが残念です。

悲劇が連鎖しすぎて、ラストシーンは、誰も得しないような終わり方を迎えてしまいますので、もう少し希望が残るような終幕でも良かったような気がしますが、どうでしょうか。

という事で、本作も(カジノレイダース)シリーズですが、ギャンブルシーンは少な目、香港ノワール寄りの作品ですが、

全体的にちょっと、どんよりとした作品で痛快ギャンブルアクションには程遠い作品ではありますが、

この時期の香港映画の流行りを感じられる作品にはなっていますので、香港映画ファンの方や、アンディ・ラウファンの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

1991年製作 香港製作 香港ノワール

監督 ジョニー・トー 製作 チャールズ・ヒョン

出演 アンディ・ラウ、ン・シンリン、デイブ・ウォン、モニカ・チャン、アンソニー・ウォン、ケルビン・ウォン、ラウ・シウミン、ウォン・ヤッフェイ、クワン・ホイサン、ティエン・ファン

↓ランキングに参加しています。もし、宜しければ下記をクリックお願い致します↓

海外映画ランキング
海外映画ランキング

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

PVアクセスランキング にほんブログ村

コメントを残す