おすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆
女性警官の活躍を描いたミシェル・ヨー主演の人気シリーズ(レディハード)(皇家戦士)の第三弾となるシシンシア・カーン主演、藤岡弘、共演のバトルアクション作品!!
作品紹介
1990年3月17日公開
今回ご紹介する作品は、D&B社が製作した(皇家)シリーズの第三弾となるレディースアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
東京で、男女2人組が関わる宝石強盗事件が発生した。
その警備に就いていたフジオカ刑事は、任務中に相棒を失い、決死の覚悟で、強盗犯を追い、香港へとやって来る。
そして香港警察のレイチェル刑事とコンビを組み、犯人を追い詰め、容疑者の一人でもある宝石デザイナーの監視を始めるのだった!?
女性ポリスアクションで人気の(レディハード香港捜査線)(皇家戦士)に続く(皇家)シリーズの第3弾です。
因みにその後もシリーズ人気は高まり、4作目であるドニー・イェンとシンシア・カーン主演の(クライムキーパー香港捜査官)、
デビッド・ウーやビリー・チョウが出演している5作目の(皇家师姐5中间人)、
(男たちの挽歌)のレイ・チーホンが出演している6作目(皇家师姐6:地下兵工厂)、
サイモン・ヤムとチョイ・シウキョンが出演している7作目、(皇家师姐7:海狼)へと続いていきます。
そんな人気シリーズの第三弾である本作の監督は、ユエンブラザースの一人で、俳優として(ミラクルファイター)(詳しくはこちら)や、
(南北醉拳)(詳しくはこちら)等兄のユエン・ウーピン作品へ助演として出演しつつ、
監督としてユン・ピョウ主演の傑作(チャンピオン鷹)や、(少林寺 達磨大師)(詳しくはこちら)等を監督しているブランディ・ユエンで、
本作でもキレのあるアクションとテンポの良いドラマの融合で、シリーズの人気をさらに高めています。
で、本作はもう一人監督としてアーサー・ウォンがクレジットされています。
アーサー・ウォンは監督作品は少な目ですが、撮影監督として参加している作品が多く、リュー・チャーフィー主演の(少林寺VS忍者)や、
同じくリュー・チャーフィーの(ガッツフィスト魔宮拳)(詳しくはこちら)や(少林寺 破戒大師伝説)、
サモ・ハンキンポーの(上海エクスプレス)や(七福星)、ジェット・リー、アンディ・ラウ、金城武共演の(ウォーロード)、
ドニー・イェン主演の(画皮)等、多くの香港映画で撮影監督を担当している伝説的なカメラマンとなっています。
この二人の監督が、どちらがどのシーンで監督しているか分かりませんが、恐らく日本と香港でロケされている作品ですので、
どちらかが香港パートで、どちらかが日本パートを担当している、という感じではないでしょうか。
で、出演者は、主演の女性刑事役を、シリーズの前作(皇家戦士)まで主演を務めた(エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス)(詳しくはこちら)のミシェル・ヨーに変わって、
本作からシリーズの顔となる(武林聖門士)(詳しくはこちら)や(三頭魔王)(詳しくはこちら)等のシンシア・カーンが演じ、
可憐な魅力で新世代のレディドラゴンとして華々しくアクションを披露しています。
で、一時的にですが、バディを組んで捜査に当たるのが、説明不用の日本が誇る漢気アクター藤岡弘、で、
恐らく、まだ仮面ライダーのイメージの残る(勿論永遠にそのイメージが消える事はありませんが)香港で、
一本気な日本の刑事役を演じ、結構なアクションも披露する、という本作の前作(皇家戦士)の真田広之ばりの大活躍を披露しています。
で、もう一人の日本からの参加で、結構な激しいアクションに激しいベッドシーン(アクションベッドシーン)に、と
本作のかなりの見せ場を攫っていく重要な強盗犯人役で、(大福星)や(ゴッドギャンブラー)、(リーサルパンサー2)(詳しくはこちら)等、
アクション系の香港映画で大活躍している西脇美智子が、出演作品中でもベストなぐらいの名演技を披露しています。
因みに西脇美智子の役名はニシワキミチコ、藤岡弘、の役名はフジオカヒロシ、です、、、。
で、そんな豪華な日本人キャストに加えて香港キャストも豪華で、中盤以降、急に重要人物となってニシワキとコンビを組んで、
シンシア・カーンに戦いを挑んでくる裏社会のブローカー役で、(少女戦士88)(詳しくはこちら)や、(カンフーキッド続集)(詳しくはこちら)、
そしてジャッキー達と名勝負を演じた(プロジェクトA)等のディック・ウェイで、本作でも力強く、キレのあるアクションで、シンシア・カーンを追い詰めます。
で、中盤からディック・ウェイにバトンタッチする事になりますが、前半のニシワキの相棒役で、(香港異人娼婦館)や、
ラウ・カーリョン出演のアクションホラー(デビルキャット)(詳しくはこちら)、(平安夜サイレントナイト)(詳しくはこちら)等に出演しているスチュアート・オンが、
病に侵されながら強盗を続けるワイルドな悪役を演じています。
で、本作はこの主要メンバーに絡んでいく脇役ゲスト陣がかなりの豪華さで、
まずは日本から香港に渡る宝石デザイナー役で、古くから(大醉侠)や、(流星胡蝶剣)、(多情剣客無情剣)等、
ショウブラザース社作品等で活躍していたユエ・ホアが登場し、アクションは無いながらも、物語上重要な役柄を演じています。
その他にも、シンシア・カーンの上司役で、(新宿インシデント)等のチョン・プイが、
警備会社の経営者役で、(検事Mrハー俺が法律だ!)等のメルビン・ウォンが、
シンシア・カーンの同僚の刑事役で、(ハリケーンコップ)(詳しくはこちら)等の名コメディエンヌ、サンドラ・ンが、
同じく同僚の刑事役で、(香港式殺人追跡25時)(詳しくはこちら)等の元ウィナーズ、ベネット・パンが、
フジオカの同僚刑事役で、(ワンダーレディ)(詳しくはこちら)や、多くのジャッキー・チェン作品に参加しているクリス・リーが、
シンシア・カーンと激闘を繰り広げる武器商人役で、ドニー・イェンの(タイガー刑事)等に出演しているスティーヴン・バーウィックが、
ヤマモトのボディガードでありながらも、激闘を披露する事無く、やる気が無くなって辞めてしまう、という残念な役柄で、
後にハリウッド作品(モータルコンバット)の主演俳優として全米で人気者となるロビン・ショウが、
冒頭で、シンシア・カーンに絡むチンピラ役で、(ドラゴン醉太極拳)(詳しくはこちら)等のマンディ・チャンが、
そして、一番心躍るゲストに、(五福星)や(大福星)等の福星シリーズから、フォン・ツイファンとリチャード・ン、エリック・ツァンが登場し、作品を彩っています。
エリック・ツァン
という豪華スタッフ・キャストが結集した本作の物語は、日本で宝石強盗事件が発生し、その警備を担当していたフジオカ刑事が、
その二人組の強盗(スチュアート・オンと西脇美智子)に相棒の命を奪われ、遺された家族の想いを胸に、逃げた強盗犯を追って香港に渡るシーンから始まります。
で、ニシワキが香港の知り合いの盗品ブローカー(盗品鑑定人?)のディック・ウェイに合流してみると、
その宝石は全て偽物だった事が発覚し、保険金目当てで、その襲撃事件自体を一緒に仕組んでいた宝石デザイナーのヤマモトに報復せよ!
という事で、ヤマモトが怪しいと睨んでいたフジオカ刑事と強盗チームが再び激突する展開へと突入していきます。
で、香港側の刑事であるシンシア・カーンやサンドラ・ン達は、ワイルドなフジオカ刑事に振り回されながらも、次第に事件に本格的に参入していき、
強盗カップルを撃退した事で、今度はシンシア・カーンがニシワキの恨みを買い、途中参加のディック・ウェイと共にシンシア・カーンとのバトルが過熱していく、
という感じで、割と勢い重視ですので、物語的には、本筋が結構ブレます。
カップルは、『革命のための武器を買うんだ!』と当初は勢いよく叫んでいますが、中盤の警察の資料では、
テロリストとも関係があるらしい、という若干テロリストから距離が遠ざかり、最終的に、テロとは無関係の、
ただただ、シンシア・カーンに仕返ししたい、という完全な私情のみのために命がけの戦いを繰り広げていくことになります。
フジオカ刑事も、かなりのワイルドで猪突猛進的な捜査を繰り広げながらも、なんとなくトーンが弱まって活いき、
巻き込まれただけのシンシア・カーンになんとなくバトンタッチしてしまいますので、物語的には消化不良感が残りますが、
後半になるにつれて、シンシア・カーンアクションの、超絶度合いも増していきますので、少々の物語の行き当たりバッタリ感は霞んでしまい、
登場人物たちのように、観ている側も、細かい事はどうでも良くなってしまう、という実に香港映画らしい勢いに満ちた作品となっています。
その繰り出されるアクションが素晴らしく、武術指導として参加している、ユエン・チュンヤンやサイモンユエンJr.、
そして監督でもあるブランディ・ユエンに、出演もしているクリス・リーの、アクションのレジェンド達が創り出した痛さの伝わるアクションが、
勿論、演じているシンシア・カーン、西脇美智子、ディック・ウェイ、藤岡弘、等の主要キャストの名演と相まって素晴らしいアクションの連続となっています。
という事で、物語は多少行ったり来たりしますが、素晴らしいアクションと、豪華すぎる(ゲストを含めた)キャスティングと、
見所の多い作品となっていますので、香港映画好きの方や、アクション映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1988年製作 香港製作 ポリスアクション
監督 ブランディ・ユエン、アーサー・ウォン
出演 シンシア・カーン、藤岡弘、西脇美智子、ディック・ウェイ、ユエ・ホア、スチュアート・オン、サンドラ・ン、フォン・ツイフォン、メルビン・ウォン、ロビン・ショウ、チョン・プイ、リチャード・ン、エリック・ツァン、シーズン・マー
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